借金の取り立て屋をしているサンフン(ヤン・イクチュン)は、母と妹を死なせた父親に対する激しい怒りと憎しみを抱えて生きていた。常に苛立ち、情け容赦ない暴力を振るっては周囲を怖がらせていた。ある日サンフンは、道端で唾を吐き、偶然通りかかった女子高生ヨニ(キム・コッピ)のネクタイを汚してしまう。見るからに強面のサンフンに対しても怯むことなく突っかかっていくヨニ。
最悪な出会いを果たした2人だったが、不思議とウマが合い、奇妙な交流が始まる。ヨニもまた、ベトナム戦争の後遺症で精神を病んだ父親との間に確執を抱えていたのだった。そんな中、ヨニの弟ヨンジェが偶然にもサンフンの手下となり取り立ての仕事を始めるのだが…。(allcinema)
気付いたら好きになってた
前々から『良い!』と聞いていたものの、この薄汚いビジュアルからなかなか手が出なかった韓国映画【息もできない】をようやく鑑賞しました。
ちょっと何よコレ… 泣いちまったよ!イイじゃねぇか!! 今まで観た韓国映画で一番良かったかも。
ごめん、言うほどそんな観てないけど。
『良い!』とは聞いてたけどこれ程とは、正直舐めてました。
「なんだよ、コイツ粗野だな~、暴力的だし」とか「怖くて苦手な先輩に雰囲気似てるな…」とか「こんなヤクザに物怖じしない女子高生いるかよ?しかもブスだし」とか。
ハードル上げていた分、色々心の中で思いながら序盤は観てたんだけど、話が進むにつれ段々と主人公2人の境遇や背景が見えて来て、思わず涙してしまった『ある感動のシーン』からグッと特にサンフンが好きになってました。
ブスだと思っていたヨ二がだんだん可愛く見えてくるのよな。出会うべくして出会った誰が見てもお似合いなサンフンとヨニ、こんなベストな空気感が... すげぇブスと寝てたクソ弟、アイツはね、嫌いですね!
ラストは『嫌いで大好き』です!ぬるかったらここまで沁みなかった。なかなか思い通りには行かないよな~、無常というかこの映画に『人生』を見た気がした。
ヤン・イクチュンという男
思ったのはこの監督の見せ方上手いな~と。独特な一見ちょっとドン臭い見せ方なんだけど『それが逆に思ったよりも心に響く見せ方』になってて、結果ジャブのように心をボンボンと揺さぶられ、中盤から終盤にかけての畳み掛けるような展開、ついには最後完全にヤラレてました。
というかサンフンを演じたヤン・イクチュンが監督って...「お前かい!」と正直驚いた。製作・監督・脚本・編集・主演、これで監督デビュー作って末恐ろしいわ。
シーバーラーマ〜〜ッ!!!
もうこの作品とは切っても切れないワード。この言葉自然と覚えちゃいます。映画【ウルフ・オブ・ウォール・ストリート】の「F◯CK!」的な感覚で乱用されてます。
暴力の見せ方とかも良かったな、なんか自分で監督したりサンフンの淡々さとかクリッとした目とか北野武初監督作【その男、凶暴につき】を観た時の印象に似てたかな。
まとめ
良かった点
- サンフンとヨニの2人の存在
- 心を揺さぶる独特の見せ方
- ぬるくない
- 耳に残るワード『シバラマ』
悪かった点
- 日本ポスターのコピーとか色々余計
評価:★★★★★ 最高!フォーー! おれは予告編を観ないで観た方が良いと思う。
[ 予告編 ] 映画『息もできない』予告編 - YouTube
まだ観てない人はオススメですよ!
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サンフンの時のヤン・イクチュン、この時の北野武にどことなく雰囲気似てるな。
【アジョシ】
『歳の差の男女』良作韓国映画でいうとこっちも好き。アクションが最高!
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