高校生のマークは、チャットで年上の女性レイチェルと知り合い、恋に落ちる。しかし、レイチェルはケビンという恋人から虐待を受けており、ある日マークの前から姿を消してしまう。やがてレイチェルの弟から彼女の死を知らされたマークは、ケビンの仕業だと思い復讐を計画する。ところが、ケビンを囮にテロリストを追っているという英国諜報部のエージェントがマークに接触してきて…。(allcinema)
主人公にとことん乗れない
今TSUTAYAで旋風を巻き起こしてる(?)あの【ユージュアル・サスペクツ】のブライアン・シンガーが製作総指揮を務めたサスペンススリラー【ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム】を鑑賞。ホントTSUTAYAで借りられてたな…
パッケージの雰囲気から「お、これは期待できる!?」と思って借りて観たんだけど、
つ・ま・ら・な・かったわ...
というよりもおれは好きじゃないです。このタイトルが【オール・ユー・ニード・イズ・キル】以上に長いのも何とかして欲しい、もう覚えられません。てか映画観た後にこのタイトルどうなん?
『チャット(ネット)によって青年がアタフタしちゃって、最後に...!?』なサスペンス映画なんだけど、まずずっとモヤモヤしてんのはこの主人公の男:マーク(パッケージでいうと手前の男)が序盤から『よく分からないヤツ』過ぎて乗れない。
とにかくやってる事が『チグハグ』というか。セフレもいてなおかつスポーツもできるマークは、会った事も電話した事も無いようなチャットだけの関係のレイチェル(そこまで美人ではない)にとことん惚れていて一方的にシコった姿をチャットで見せたり。
時にはトイレの鏡の前ででいきなり空手の型をしたり。「いや怖いよ.. 」 しかも別にレイチェルにそこまで惚れる過去の描写もなくて、エロチャット目的の相手なのかなと思いきや、中盤明かに他に美人な女が出て来るんだけど、そっちには一切なびかないくらい、やはりレイチェルにゾッコンなのだ。
予告にも出ているようにレイチェルの死が引き金になるんだから、その辺がうやむやでふわふわしたまま終盤まで進んで行くから「なんだかな〜」っと。
むしろ童貞の引きこもり男なら納得出来るんだけど。何なんだよ?コイツ。終始イライラしながらも淡々と観せられる感じの映画でした。
『若さから来る突っ走りや行き過ぎちゃうティーンな映画』って共感するような描写があったり、共感しなくてもそいつの人間味にどこが惹かれる部分、同情の余地とかがあると思うんだけど、そういうのが全くなかった、同じ男でここまで共感出来ないのも珍しい。
反則的な見せ方に冷める
これはこの監督の考え方というか表現方法で、ネタバレになるからあまり詳しくは言えないけど、ある描写の見せ方が『反則過ぎ』、それをやってしまえば誰だってこのくらいの映画できるわ!
みんな下手に思われるからやらない『禁じ手』を、ドヤ顔でさらっとオチで見せられてうっすら気付いていたけどかなり減なりしてしまった。
この見せ方ってマークの視点と観客が観てるものがいかにも同じように見せてるけど、よく考えたら全然違うからな!こんな見せ方ならダマされて当然よ。最後の『目的のすり替え』も強引だったな...
そもそもこの映画は何を伝えたいんだろう? ネットの恐怖?思い込みの危うさ?ティーン不安定さ?この映画の見せ方だと主人公の男が『単にバカ』に見えちゃうから、何も伝わって来ない。実写にあたって本人に失礼なんじゃないかな?ホントにこんなヤツなんかな。
ネット絡みの題材だから同じくネットを絡めた群像劇映画【ディス/コネクト】と比べられたりしてるけど、映画の出来としては雲泥の差です。
巷の評価がどうにも高いのはきっと『実話モノって事とブライアン・シンガーが関わってるって事に引っ張られ過ぎだろう』と思ってしまう。これ自体が『思い込みの危うさ』を体現していると思う。
まとめ
良かった点
- 予告編は面白そう
悪かった点
- 主人公の男が謎、っていうかバカ ( ※映画の見え方として )
- 反則的な見せ方
- 何を伝えたいのか分からない
評価:★ マジつまんねぇ...
[ 予告編 ] 映画『U Want Me 2 Kill Him/ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム』予告編 - YouTube
レイチェルがアン・ハサウェイかキャリー・マリガンくらい美人だったらまだ乗れるよ!
関連&オススメ作品!
上級者向けなサスペンス映画、こっちの見せ方の方が巧妙。
ネット世界の描写もこっちの方がナチュラル。オススメです!
明日、君がいない
ティーン映画を2作品、具体的な内容は忘れちゃったけど『見せ方』が面白かった気がする。
アメリカン・ティーン
ドキュメンタリックにアメリカのティーンを映す、日本との差を見るのも面白い。
【アバウト映画公園のアーカイブ】