あらすじ:ミズーリ州の田舎町。結婚して5年目になるニックとエイミーは、誰もが羨む理想のカップルだった。ところが結婚記念日に、エイミーは突然姿を消してしまう。部屋には争った形跡があり、大量の血液が拭き取られていることも判明する。警察は他殺と失踪の両面から捜査を開始する。
美しい人妻の謎めいた失踪事件は茶の間の注目を集め、小さな町に全米中からマスコミが殺到する。すると、次第にニックの不可解な言動が明るみとなり、いつしか疑惑と批判の矢面に立たされていくニックだったが…。(allcinema)
ドギツい角度からのメッセージ性!
ブラッド・ピットの人気を確固たるモノにした【セブン】【ファイト・クラブ】のデヴィッド・フィンチャー監督最新作【ゴーン・ガール】を観て来ました。デヴィッド・フィンチャーのミステリー映画ということで俄然ハードルが上がる一作。
ザックリしたストーリーは結婚5年目に妻のエイミーが突如姿を消してしまい、夫のニックに疑いの目が向けられる…というような話です。観た感想は、
面白かったよーー!
何だろう、ニュアンスとしては新進気鋭の若手監督が作ったような、各所に過去の色んな映画の要素を取り入れ、ミステリーという枠を越えた『今っぽい』映画でした。なんだろうハイブリット!?
序盤は田舎町の淡々と静かなトーンで始まるんだけど、いい具合にちゃんと興味の持続はあって、いきなり中盤から冴える。良作なミステリー映画に2つくらいオマケが付いてる感じ。話が落ち着きそうかなと思うと「まだこの先あるんだ?!」と意外な方向にハンドルを切り+2段階くらい楽しませてくれる。
この映画、一筋縄では行かないんよ...
意外にもメッセージ性の強い作品でした!ラストのオマケの部分というか、それこそが映画の肝なっていて、後味残すメッセージを孕む。
オーソドックスなところからまた+1つ付け足してフレッシュに見せたり捻りを加えるような作りと『結婚』や『夫婦』のある側面をドギツい角度からキラーパス的に突きつけて来る『今っぽい題材』とが、
話の方向転換も相まって、もう終盤はどういうテンションで観たら良いのか分からなくなる不思議な作品だ。観た直後より日が経ってからの方がジワジワ効いて来る。
『気持ちいい』キャスティング
『男ってこういうもの』って男側をベン・アフレックが、『女ってこういうもの』の女側をロザムンド・パイクがそれぞれ意識し合うように魅せてくれた。オーバーアクト気味な誇張は感じるものの演技も、怪しさを漂わす雰囲気も素晴らしくホントに適役です。
そう言えばジェシー・アイゼンバーグの存在を【ソーシャル・ネットワーク】で世間に知らしめたり【ドラゴンタトゥーの女】ではパンキッシュな女ハッカー役にルーニー・マーラを起用したり、それだけで監督のキャスティングは気持ちいいなと。役者の押し出し力!
中でも良かったのは夫ニックの双子の妹のマーゴット。カラッとしてて毒舌でどこか【ふがいない僕は空を見た】のお母さんの助手をしてた女の人を思い出しました。
ミステリー好き以外にも、冷め気味の夫婦やカップルで一緒に観るのも良いかと思います。観た後に考えさせられたり、語りあったり、ひっそりと何かを悟ったり...
彼のここ最近の何作かは普通に楽しむくらいのテンションだったんだけど、この【ゴーン・ガール】はデヴィッド・フィンチャーの「ネクストレベルなんじゃないの?!」と思わせる一作だと思います!
まとめ
良かった点
- 一筋縄じゃ行かない作風
- 結婚や夫婦のある側面を突きつけて来る
- 妻を演じたロザムンド・パイクの好演
悪かった点
- 序盤はスローペースで若干眠たくなる
評価:★★★★ 結構良かったぜ!
最後のあの台詞で「うぇーーーーい!?...」だったぜ。覚悟!
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関連&オススメ作品!
今回はデヴィッド・フィンチャーの過去作のみ
セブン
ミステリー映画の傑作、独特の空気感はこの頃から変わってない。オープニングのイメージ映像がカッコイイ!
ファイト・クラブ
ブラッド・ピット史上一番カッコいい映画だと思う!また観直したい。
ドラゴン・タトゥーの女
このパンキーなリスベットに惚れた。【ミレニアム】を先に観てたので作品としての印象は薄い。