ある日、大学の歴史講師アダムは、同僚から薦められた映画を鑑賞していたとき、端役の中に自分と瓜二つの俳優を発見する。あまりに似すぎていることに驚愕し、取り憑かれたようにその俳優のことを調べ始めるアダム。やがてアンソニーという名前を突き止め、ついに2人は対面する。
彼らは、後天的に出来た傷跡を含め、服装以外のすべてが一緒だった。まったく同じもう一人の自分の存在に気づいてしまったアダムとアンソニー。彼らの運命は、互いの恋人と妻をも巻き込み、思いも寄らぬ方向へと向かっていくが…。(allcinema)
今イケイケの監督作!
ずっと気になってた【灼熱の魂】【プリズナーズ】のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作【複製された男】を鑑賞。やはりこの監督ただ者ではない!この作品を観て改めて思わされた。
ざっくりなストーリーでいうと、主人公の男アダムは講師をやってて、たまたま同僚に勧められた映画を観るとそこには自分と瓜二つの男が写っていた。いてもたってもいられずその俳優にコンタクトを取ると… てな感じです。
おれ、これ結果好きな作品でした。
でもこれ『普通に見てたら』全然分からなかったのよ、正直な話。色々な解説を読んで解釈は出来たけど、してやられたと。今思えばちゃんと伏線やヒントは散りばめられてて、思い込みを利用した絶妙に『バレない』ラインを保っているのが上手い!
優しくないドSな作品!
過去2作はもうちょと、というか結構親切に見せるタイプの映画だったんだけど、本作はあえて『分かりにくく&考えさせよう』とした映画の作りで、ある意味オチが来ても90%の消化不良感を叩き出す『観ている人に決して優しくない映画』だ。
今回ドS過ぎだろ...?!
もう中盤から「ん…?」が数回、ラストショットには『ぽかーーん』な難解映画なんですよ。これ何となくでも1発で理解できたらIQ高い感じするな、モノを多角的に見れるというか。それか『同じような境遇』の人か。
不穏な音楽・光化学スモッグが出ていそうな渇いた画・ぶった切るカットが、話はタイトなんだけど、ちゃんと深みを出している。一つ一つのシーン(画)が良い!
あとキャストでいうと妊婦の奥さんヘレンが良かったね!【ゴーン・ガール】のロザムンド・パイクばりな好演をみせたのはサラ・ガドン。彼女が何かあり気に見せる『表情・目』が素晴らしかった。ジェイク・ギレンホールも2人の男の演じ分けが上手くて、良い歳の取り方をしてる感じがする。
ラストで丁寧なネタバレのあるミステリー映画に飽きてる人は、のめり込めると思います。これ1度観て分からなくて、解説を読んで把握してから再度観直すとかなり見え方が変わって来るような映画なので、2度観するのがオススメです!!!多分思わず2度観したくなる。
まとめ
良かった点
- 味わい深い見せ方と画の格好良さ
- ある真相
- 限られたキャストの好演
悪かった点
- 見せ方が『優しくない』、敢えて分かりにくくし過ぎな印象
評価:★★★★ 結構良かったぜ!もう少し分かりやすかったら傑作になってたと思う。
[ 予告編 ] 『複製された男』予告編 - YouTube
関連&オススメ作品!
【灼熱の魂】
やはりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作といったらこの衝撃作。
【プリズナーズ】
こっちは上質なミステリーもの、この作品のジェイク・ギレンホールも良い!
【バイロケーション】
最近観た『もう1人の自分映画』。オチとしては似ている様で違うかな。
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