あらすじ:イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:132分 製作年:2014年
監督・製作:クリント・イーストウッド
キャスト:ブラッドリー・クーパー / シエナ・ミラー / ルーク・グライムス / ジェイク・マクドーマン / ケヴィン・レイスズ / コリー・ハードリクト / ナヴィド・ネガーバン / キーア・オドネル 等
やるぜ!イーストウッド監督
前々から緊張感のある予告で気になっていたクリント・イーストウッド監督作品【アメリカン・スナイパー】を観てきました。とは言えイーストウッド監督作は今までそんなに観てなくて、観たのは【ミスティック・リバー】【ミリオンダラー・ベイビー】【グラン・トリノ】【ヒア・アフター】くらい。
今回もイーストウッド監督作というよりは純粋に作品のテーマや予告の雰囲気で惹かれました。【ジャージー・ボーイズ】は良作らしいけど全然惹かれないのよね。
で観た感想でいうと
ずしーーーん...! 響き貫かれたね。
なんとも言葉にしにくい感情というか【グラン・トリノ】も好きだけど、実話ってのもあって正直衝撃で後々頭の中に残るのは本作【アメリカン・スナイパー】だなと。
序盤のクリスが軍に志願して過酷な訓練を経験し戦地に派遣されるまでを丁寧に端折らず描くところが良いよね。ここをタルイと感じる人もいるだろうけど、一本の作品の通して見ると大事だなと思った。
単なる戦争映画って訳じゃなく、160人以上を撃ち殺した伝説のスナイパーであり、戦地に身を置いていた1人の人間をちゃんと描こうとしてる姿勢がここに見えて、おじいちゃん(イースドウッド)やるな!と。
狙撃手に焦点を当てた映画自体個人的にフレッシュだったし、部隊の中での役割や大切さ・葛藤、瞬時の判断、ちょっとした迷いが仲間達の命を左右するって考えると並大抵の精神力じゃやってけないよな...と。その辺りの戦地・戦場の描写も大いに堪能できた!
であの『砂嵐』の終盤シーンは血管切れるかってくらいハラハラして頭痛くなったわ。「どう撮ってんだ?」と撮影機材の心配とかしてしまうくらい臨場感もあったし、ラスト含め全体を通すと『ずしーーーん』と見事ヤられました。
突き付けられる『戦争の怖さ』
この作品は『戦争の最中』の怖さより、戦地に身を置いてた事での『心の蝕み』やある種の『中毒性』、帰って来てからの『後遺症』の怖さを淡々と尚且つ着実に良い意味でわりと分かりやすく突き付けて来る。なんか『戦争』と『現実』だなと...
クリス役のブラッドリー・クーパーがハマり役だったね!根は優しい感じと男気・正義感も出てて、肉体の変化もちゃんとやってたんじゃないかな?+かなり本人にも似てるし。
監督の『この時期この映画をこの俳優でやる』って判断とチョイスがちょうどハマった感じがした。
実在の人物なので前情報なしで、終わりのあの何とも言えない余韻も含め1人で集中して観るのがオススメな映画ですね。特に巷で言われてるようなアメリカ軍万歳とか美化してるとかは感じなかったかな。
今年2015年観た映画を振り返った時に、思い浮かぶような質の高い作品だと思います。オススメです!
まとめ
良かった点
- 狙撃手メインのフレッシュさ
- 戦地よりも戦地外で垣間見る戦争の怖さ
- 着実に見せる監督のスタンス
- ちゃんと戦争映画のハラハラや衝撃もある
悪かった点
- 意外と無いけど、なんかもう一つもの足りない
評価:★★★★★ 最高!フォーー!ずっと4点くらいだっただけど最後の事実で頭打ち抜かれたくらい衝撃を受けて、エンドロールの間抜け殻になってしまったので。
[ 予告編 ] 映画『アメリカン・スナイパー』予告編 - YouTube
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関連&オススメ作品!
今回はイーストウッド監督作のオススメじゃなく、印象に残ってる軍・戦争関連の映画をいくつか紹介したいと思います。まだ【フューリー】も観れてないし、あまり観ないジャンルだけど。
海岸の上陸作戦のシーンは圧巻、これは戦場の怖さを最大限に堪能できる映画。
ジョシュ・ハートネットと言ったら【パラサイト】【ホワイト・ライズ】かこれか!だいぶ前に観たから忘れちゃったけど【プライベート・ライアン】級に良かった印象。
最近ではこれがガツンと来た戦争ものかな。『戦士』の意地を感じれる一作。
戦争映画だったっけな?臨場感高めで結構ハラハラしたのを思い出す。
POVで見る戦争映画、戦地や兵士の実情をえぐる一作。何がホントかわからん!
【シルミド】
韓国映画特有のジメッと感と話のエグさが印象深い一作。事実を元にしているだけあってキツい。
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