1970年11月6日、ニューヨーク。場末のバーに現われた青年ジョン(サラ・スヌーク)は、バーテンダーの男(イーサン・ホーク)に自らの数奇な身の上を語って聞かせる。青年の告白に同情したバーテンダーは、あることを条件に、彼に復讐のチャンスを与えると提案、2人で7年前へとタイムスリップする。
なんと、バーテンダーは未来から来た時空警察のエージェントだったのだ。彼は1970年のニューヨークで市民を震撼させている連続爆弾魔フィズル・ボマーの犯行阻止を最後のミッションと決め、引退する自分の後釜にジョンを据えようとしていたのだが…。(allcinema)
ん〜、ナルシス映画!!!
おれがなんとなく好きだったヴァンパイア映画【デイブレイカー】のスピエリッグ兄弟(監督) × イーサン・ホークのコンビで、なんやらタイムトラベル・タイムパラドックスを扱った、ルックでいうと【ルーパー】や【ジャンパー】っぽい映画【プリデスティネーション】を鑑賞!!
これはですね… ちょっと要注意映画です!
ポスターとか予告を観て期待するようなSFミステリー&ちょいアクション!的な映画では無く(その要素も無くはないけど)、それよりもずっと静かで感慨深い『タイムパラドックス』という『事象』をミステリーな語り口に沿って映像化して見せるアートっぽい作品でした。
正直観終わった直後は「ん?ん?ん?」「で?で?で?」と肩すかしを食らった。オチやストーリーを大まかに把握した上で「いやいやいや、それを見せたいだけの映画って事!?」と。
中身としてはタイムトラベルを上手く使ったチグハグな組み合わせで魅せる映画なんだけど、そこからもう1段階欲しかったな。序盤のだいぶ思わせぶりなタメからのこの『オチ=真相』はちょっと物足い。「え、終わり?」的な。
あくまでもストーリーどうこうよりもオチに焦点を絞った『事象』の映像化で、そんな作りの作品だと分かった上で観るとまた違うんだろうな。興味の持続はあるんだけど、見せ方もあまりスマートじゃないなと思ったり。
ビックリさせられる映画ってよりは、それを受け止めて色々と考えを巡らすのが面白い映画ですね。
どっから始まりなんだろう?とか「これがタイムパラドックスなんだなぁ…」と矛盾や違和感を感じさせられる。監督のドヤ感も含めて2つの意味でナルシス!なんもなく思い浮かんだのは成仏できずにいる浮遊霊っぽいなと、分かるかな?
サラ・スヌークという女優!
本作、否応無く印象に残るのがジョンを演じたサラ・スヌークという女優さん。この映画は彼女ありきの映画ですね!
男の時と女の時のギャップもしっかりあったし、素直に凄いなと思った。そう考えると彼女を堪能できるってだけで一つの価値ですね。今後注目の女優さんです!どことなくエマ・ストーンに似てる。
あとなんと言ってもイーサン・ホーク!彼はどんどんいい感じの枯れを見せるね。今作もかなり渋い!ってこの作品を見終わった後イーサン・ホークの身長を調べたんだけど、179センチあるんだね。わりと小柄の印象あったんだけど結構デカい。
【デイブレイカー】よりルック的なカッコ良さは抑えめだったけど、バイオリンケースみたいなタイムマシン装置やタイムトラベルで消える際の淡白さや微かな風が巻き起こる描写なんかはやり過ぎてなくて良かったね。
スピエリッグ兄弟が撮った【デイブレイカー】が単なるヴァンパイア映画じゃ無かったように、今回も単なるタイムトラベル映画じゃなかったこの『捻くれ』『ひと捻りある感じ』は彼らの作家性なのかな。
これからも彼ら『ひと捻りある』シリーズを観て行きたい!
まとめ
良かった点
悪かった点
- どうしても否めない『思ったのと違った』感
- タメて魅せる割には物足りないオチ
- 行き来しまく来るので年代が把握しづらい
評価:★★★ 普通に楽しめました。個人的にはレンタルでさくっと借りて「拾いモンだったな」って感じの映画でした。
[ 予告編 ]
[ 映画館を探す ] 「プリデスティネーション」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com
関連&オススメ作品!
本作同様、スピエリッグ兄弟 × イーサン・ホーク作品。こっちの方が好きかな。
ルーパー
路線はこっち系の映画なのかなと思ってたけど、全然違いやした... この映画もそこそこ好き。
デジャヴ
爆弾テロやらタイムトラベルものでは無いけど通じるところはあったな。好きな作品、オススメです!
数奇な人生というか伝記的なテイストで言えば、路線としてはこの映画に近い。
【アバウト映画公園のアーカイブ】はこちらから↓