あらすじ:かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン))は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:120分 製作年:2014年
監督・脚本・製作:アレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ
キャスト:マイケル・キートン / ザック・ガリフィナーキス / エドワード・ノートン / アンドレア・ライズブロー / エイミー・ライアン / エマ・ストーン / ナオミ・ワッツ / リンゼイ・ダンカン 等
映画よりも一種の『ショー』を観ている感覚!
第87回アカデミー賞、作品賞・脚本賞・撮影賞を取った【バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)】を観てきました。タイトルが長い!監督は【バベル】【アモーレス・ペロス】のアレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ。名前言いにくい!
去年のアカデミー賞作品賞が【それでも夜は明ける】だったので、作品賞と言ってもね…とそこまで期待せずいたんだけど、感想としては
いつもの『映画を観てるな』って感じがしない、また別のエンターテインメントなショーを観ているかなような感覚で、あっという間に観終わってしまった!面白かったよ。
劇の最中から舞台裏まで長回しワンカット(のよう)な見せ方で、全てが地続きで展開されるから観ている側は息も付けない。映画と舞台の間をとったような。
ワンカット手法ならではのスマートな話の端折り方は上手いし、窓の格子をスーっと抜けたり鏡にカメラが映らないなど「おーー、どうやって撮ってんだ?」なカメラワークや、時折心を高ぶらせるように鳴るドラム音も含め、終始静かなワクワクに眼は画面に吸い寄せられっぱなしだった。
撮影賞を取った撮影監督:エマニュエル・ルベツキさんは【ゼロ・グラビティ】【トゥモロー・ワールド】【ツリー・オブ・ライフ】とか撮った人なんだね。ここ最近だと【トゥモロー・ワールド】の『車バックシーン』がフレッシュ且つ印象的で本作の撮影がこの人なんだ!?と嬉しくなった。
『見せ方』と『題材』とが上手くマッチ!
過去の栄光も誇れなくなってここでどうにか演劇界で役者人生の再起をかけようとするオッサン俳優と、それを取り巻く愛娘や分かれた奥さん、濃いめの共演者に友人のプロデューサー、それに評論家のオバさん。
公演初日までの数日間、限られた空間で繰り広げられるドタバタな『もがき』の様子がどこか滑稽で笑えるも、その彼等の熱量がドキュメンタリーのように追って捉えた長回しワンカットな見せ方からガツっと伝わってくる!本人達の実人生にどことなくリンクしてたりするのも感慨深い。
単なる「これ凄いでしょう?」な見せかけの手法じゃなく、ちゃんと『見せ方』と『題材』とがしっかりマッチしているなと思った!この組み合わせをちゃんと面白い一つの作品として世に出たことだけでも凄いなと思う。なんか三谷幸喜が観て嫉妬しそう。
エマ・ストーンの小生意気だけど父親想いな娘キャラも良かったし、久しぶりにエドワード・ノートンの快演(怪演)も観れたし、プロデューサーがどっかで見た事なるなと思ったら【ハングオーバー!】シリーズのザック・ガリフィアナキスだったりメンツも押し付けがましくない濃さがちょうど良い。
元奥さんのセリフで「褒められることが愛だと思っているのね…」の一言は個人的に胸を打たれたり、思わぬところでドキッとする台詞も。
もう少しスコーン!と抜けるようなオチがある方が分かりやすかったな。というか舞台を観劇するのに一万円弱かかったりするけど、こんな作品が大スクリーンで1800円で観れるならそれは観るでしょ!気分転換にオススメですね。
まとめ
良かった点
- 『見せ方』と『題材』とが見事にマッチしている
- ルック的なワクワク
- キャストのバランスと熱演
悪かった点
- オチまでスコーン!と抜けて欲しかった
評価:★★★★★ 最高!フォーー!
[ 予告編 ] 映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』日本版予告編 - YouTube
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【25時】
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