幻の街・サンダーロード。街中の暴走族が集まり、警察の圧力で、グループの解散の会議が開かれていた。そこに仁が現われ、出席者をメッタ打ちにしていった。仁には権力におもねる暴走族が許せなかったのだ……。(Yahoo!映画)
今こそこのギラギラを!
名前は聞いていてイカしたビジュアルから気になってはいたものの、自分が生まれる前の古めの作品からなかなか手が付かなかった【狂い咲きサンダーロード】。なんだかやっと手が出て、このタイミングで鑑賞しました。観賞後の感想は、
初期衝動とその熱量だけを信じて作ったような、やたらギラギラした作品だった!
ツッパリを突き通そうとする主人公:仁率いるはぐれモン/それを目の敵にする暴走族連合/圧倒的な武力を持つスーパー右翼と3つのが入り乱れる。登場人物の言葉や目付き・表情から漏れ出す反骨的で尖った衝動がビシビシとぶつかり合いほとばしっている。
思ったよりストーリーも単純明快、全体的に世界観重視な作品なので、意外と今観ても古さを感じさせなし観やすかった。今見ても十分カッコイイ!
輝くキャラクターセンス!
この作品、怒りを身に纏う仁を演じた山田辰夫さんの佇まいがイイ!ツッパリ加減と思ってるよりちょい高めの声。小柄でどこか弱そうそれでも強がって芯はシッカリ通ってるような。
1人の男の生き様を描くって部分では、どこか【スカーフェイス】を彷彿とさせる。この『男』感は現代の映画ではなかなか見られないと思う。【クローズZERO】とか糖分たっぷりで甘いわ!
その他には場所のネーミングや襲撃時に被るマスク、小林稔侍のゲイの青ひげソルジャー、おでこに謎のプレートが付けてるヤツ、妙に貫禄ある薬中のガキに仁の最終戦に挑む鍵爪アーマー&バズーカ含めちょいちょいくすぐってくる魅力的なセンスが光る。
本作、大学の卒業制作で作ったっていうんだから凄いよな。明らかに予算のないB級的なチープさは良い意味で味になってる一応爆破もある。
【鉄男】を初めて観た時の荒いんだけど、勢いで無理やり納得させられる感じにどこか似てた。実際には画はカラーですよ。
アクションでもなく、殴り合いでもなく、乱闘という名の揉みくちゃが観れるのも良いし、何曲か挟み込まれる泉谷しげるの歌も良い!
まとめ
良かった点
- ギラギラした『漢』の生き様感
- 独特なキャラやアイテムのセンス
- 単純明快なストーリー
悪かった点
- 見ている内に慣れるけど当時の音響の悪さか序盤人物の立ち位置と誰がしゃべっているのかが分かりにくい( 遠くにいるヤツと近くにいるヤツの声のボリュームが同じように聴こえたり )
評価:★★★★ 結構良かったぜ!未見の人は是非是非な邦画の1本ですよ。
[ 予告編 ] 映画 「狂い咲きサンダーロード」 予告編 (1980) - YouTube
関連&オススメ作品!
【スカー・フェイス】
トニー・モンタナという男の『のし上がり』&『生き様』を描く!背格好と最終決戦といいなんか通じるものがあるな作品。
レビューはこちら↓
【鉄男】
錆臭くて汗臭くてガチャガチャして荒っぽいんだけど、勢いで持ってくパワー映画!
【凶気の桜】
反骨精神、怒り、生き様って部分ではこの作品も通じるのかな。やっぱ窪塚カッケー!
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