あらすじ:イギリスの片田舎に越して来た学者夫婦。暴力を否定する夫は周囲の仕打ちにもひたすら耐え続けるが、ある夜、かくまった精神薄弱者に牙をむく村人相手に遂にその怒りを爆発させる……(allcinema)
製作国:アメリカ 上映時間:115分 製作年:1971年
監督:サム・ペキンパー 原作:ゴードン・M・ウィリアムズ 脚本:サム・ペキンパー / デヴィッド・Z・グッドマン
キャスト:ダスティン・ホフマン / スーザン・ジョージ / ピーター・ヴォーン / ピーター・アーン / T・P・マッケンナ / デヴィッド・ワーナー / クロエ・フランクス / ジム・ノートン 等
やる時はやる!それが男!!!
前々からバイオレンス映画の名作?的な感じで気になっていた【わらの犬】が近所のTSUTAYAに置かれていたので借りてきました!いつも観てるような映画よりもぐっと古いです。ウッチャンナンチャンのバラエティ番組【笑う犬】じゃないよ。藤原竜也がクズを演じる三池崇監督作じゃないよ。
そんな事はさて置き、観る前のなんとなくのこの作品のイメージは『冴えない男がどんづまって村のみんなをぶち殺して回る八つ墓村的な映画』なのかなと思ってたらそんな感じでは無かったです… いや、むしろそんな映画が観たい!!… 何かありそうな気もするが。
この作品は『都会から引っ越して来たどこかイケ好かない自己中且つ頼りなさげな男が、いざとなったらかなり頼もしいヤツだった』映画でした。「お前、、意外とやるな!」
アメリカからロンドンの片田舎に引っ越して来た夫婦。ダスティン・ホフマン演じるどことなく嫁にだけにオラオラな数学者の主人公:デイヴィッドと、元々この村出身のまだ幼さが残るかまってちゃんの嫁:エイミー。その嫁がノーブラ&乳首ビンビンで帰って来たもんで村の男たちが悶々としだす。
『村』という小さなコミュニティで嫌がられせや除け者扱いを受けるそれなりに感情移入しやすそうなシチュエーションなのに、そこまで乗れなかったのは『飲み込みにくさ』のせいだろう。
ん、飲み込みにくい〜〜!!!
かまってちゃん度がかなり高めなエイミーは、構ってくれない旦那の仕事の邪魔をしたり、趣味も持たず暇を持て余し、村の男たちに偶然なのか?故意なのか?パンチラして見せたり、無駄に接近したりと「なんだかフラフラして面倒くせぇ女だな」的な印象...
無愛想な旦那は旦那で、客を招き入れたと思ったら突然大音量で陽気な音楽かけちゃう取っ付きにくさや、嫁がアレされちゃってる間に能天気に鴨を追っかけてる「いい気なもんだな」感と、まぁなんとも一癖も二癖もある夫婦なのだ。
その夫婦のやり取り然り、中でも終盤の『修羅場』な見せ場シーンは最近イーサン・ホーク主演映画【パージ】でも観た「お前、そこまで家族を危険に晒してあえて戦うか?!」的な決断と行動といい、終始小骨が喉にチクチクと刺さるような飲み込みにくさがあった。
大抵そんなんの度が酷過ぎると自分の中では『もう勝手にやってろよ!』映画に分類してしまうんだけど、その一歩手前でギリ止まる分むず痒い。
ちなみに最近ブログで扱った『もう勝手にやってろ!』映画だと【フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ】がそれですね。
とは言いつつも、冒頭でちょけてるダスティン・ホフマンが【スカーフェイス】ばりの『男』を見せるギャップや、エイミーに執拗に差し込まれるあのシーンや、骨董品の『罠』がいつ使われるのかと思いきや、絶妙の使い方をしてくれたのでなんだかOK!!!
最近の【ジョン・ウィック】的な作品を観てるからか、昔の作品ってのもあって鈍臭く感じてしまうんだけど、その歪さが味になってるのでをある意味新鮮でした。
まとめ
良かった点
- 若いダスティン・ホフマンの男ぶり、特に眼が良い!
- 嫁のシーンにあのカットを執拗に差し込むドS演出
- 骨董品の『罠』の使い方
- ノーブラ&乳首ビンビンからの始まり
悪かった点
- 終始色々と飲み込みにくい、これに尽きますね
評価:★★★ 普通に楽しめました。ちょっとハードル上げて観ちゃった分、思ったよりはグッと来なかったかな。でもたまには古めの作品も良いですね!
ちなみに園子温監督のバイオレンス映画【冷たい熱帯魚】のポスターは本作のポスターにインスパヤーされてるそうな。気弱な男がキレるって部分では重なるしね。
冷たい熱帯魚
わらの犬
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わらの犬 ※リメイク作
あのアレクサンダー・スカルスガルドが出てるリメイク作。あんまり評判はよろしく無いらしい。