あらすじ:突然監査が入ることになり、殺人課に所属する刑事ゴンス(イ・ソンギュン)は、横領の事実を隠ぺいしようと母親の葬儀をそっと抜け出す。彼は車で警察署に急行するものの、その途中で通り掛かりの人をひいてしまう。結果ひき逃げの隠ぺいまですることになった。(シネマトゥデイ)
製作国:韓国 上映時間:111分 製作年:2014年
監督・脚本:キム・ソンフン
キャスト:イ・ソンギュン / チョ・ジヌン / シン・ジョングン / チョン・マンシク / シン・ドンミ 等
ドキ・ハラ展開の詰め合わせ!!!
前々から気になって借りたは良いものの期日的に観れなかったりして、先延ばしにしていた韓国映画【最後まで行く】をようやく観ることが出来ました。感想は、
これだけ頭の天辺から足の先まで余すとこなく『ドキドキ・ハラハラ』 (以下:ドキハラ)を詰め込まれたら、ぶっちゃけ満足ですよ!久々の韓国映画に改めてポテンシャルの高さを感じた極上スリラー!
横領なんかやっちゃってるちょいワル刑事の主人公:ゴンスが自身の罪を隠蔽しようとテンヤワンヤする展開から始まる。そこにコントばりなコメディ要素が挟み込まれて、最近観た『グリーン・インフェルノ』にも通じる、本人は必死でやってんだけど、端から見たらふざけてるようにしか見えない可笑しさが面白い。
全体的にはサスペンスな雰囲気ではあるんだけど、その緊張感とコメディチックな緩さとの組み合わせが妙な味わい醸し出す。これは渋めの男臭いDVDのジャケットからは想像出来なかったな。
ちょいワル刑事だから、そもそも全くゴンスに感情移入は出来ないんだけど、次から次へとまぁよく考えたなと思える、嫌がらせに近いドキ・ハラ展開が矢継ぎ早に起こるので否応無く引き込まれる。Mな人にはたまらんでしょーね!
韓国映画の妙な説得力!
ちょうど飽きてきそうなタイミングで中盤から毛色を変えて、本格的なサスペンスものにシフトしたのは上手かったですね。ここである人物を投入する事によって、前半とはまた違った質感のドキ・ハラやが生まれ、ここでまた作品自体の密度が増した。
しかも出てきたコイツがなんとも厄介な奴で、パッと見よりも意外とポテンシャル高くて、ふと頭をよぎったのは【レオン】のゲイリー・オールドマン演じるノーマンばりのヤバい奴に、ねちっこさをプラスしたような。コイツには目を付けられたくないな感が上手く出てましたね。
一発伏線をかまされ、あの車を降りてからの… ショックシーンには思わず『うぅーーー!!!』と声が出ちゃいました。
まぁ内容はかなり非現実的ではあるけど、それを変に納得させてしまう力があるなってのは、久しぶりの韓国映画を観て思いましたね。
邦画だとついつい地続きで観ちゃうから「いやいやいや、それは無いわ」と思っちゃうところ、韓国映画は「いや、韓国ならなくはないかも...」と妙な納得できちゃって、それも分かって敢えてやってる感じもするんだよな。前に観た韓国映画【テロ, ライブ】でも似たような事を思いました。やり過ぎるくらいが面白い!
本作、その辺に転がってるようなドキ・ハラ映画ではなく、しっかり最初から最後まで抜かり無く観客を楽しませようとする展開が盛り沢山で、出汁をかけてまた違った味を途中から楽しめる、ひつまぶしのような映画でした。
まとめ
良かった点
- ドキドキ・ハラハラの展開が盛り沢山
- 途中からテイストが変わる作り
- 厄介なヤバい奴の登場
- 韓国映画独特のパワーと妙な説得力
悪かった点
- 盛り沢山なので人によっては「もういい、もういい」とか思ってしまうかも
評価:★★★★ 結構良かったぜ! 「なんか観るもんないかな〜」と思ってて、韓国映画が苦手じゃなければ是非オススメですね。もう色々と笑えます!ぶっちゃけ予告は観せ過ぎなので、観るなら予告を観ずに鑑賞するのが良いと思います!
[ 予告編 ]
関連&オススメ作品!
悪いやつら
役名は忘れたけどヤバい奴を演じるチョ・ジヌン出演作。え、出てたっけ??
テロ, ライブ
ドキ・ハラ映画とはしてはこれも印象深い作品。テレビの生中継で繰り広げられる良質サスペンス。
ミッドナイトFM
【テロ, ライブ】っぽいの他にもあったな〜とふと思い出したのがこの作品。こっちはラジオ、引退を決めた人気女性DJの最終回の放送中に脅迫電話を受ける。内容はあんまり覚えてないな。
グリーン・インフェルノ
「もうコメディだろ!」と思わせるくらい悪ふざけや笑いの要素を挟み込んで、独特のテイスト昇華させる見せ方は今後も色々と出て来そう。