あらすじ:家族を大事にし、幸せな日々を過ごしてきたエヴァン(キアヌ・リーヴス)。週末の夜、仕事の都合で妻子のいない家で留守番をしていると、ドアをノックする音が聞こえる。ドアを開けた彼の目に飛び込んだのは、雨に濡れたジェネシス(ロレンツァ・イッツォ)、ベル(アナ・デ・アルマス)という二人の美女。道に迷ってしまったという彼女たちを家に入れたエヴァンだが、そのなまめかしい魅力に惑わされていく。ついに誘惑に負けて快楽に浸るものの、突如として二人は凶暴な本性をあらわにする。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:99分 製作年:2015年
監督・脚本・製作:イーライ・ロス 脚本:ニコラス・ロペス
キャスト:キアヌ・リーヴス / ロレンツァ・イッツォ / アナ・デ・アルマス / アーロン・バーンズ / イグナシア・アラマンド / ダン・ベイリー / ミーガン・ベイリー / コリーン・キャンプ / オットー 等
イーライ・ロスの気分転換作?!!
【キャビン・フィーバー】【ホステル】【グリーン・インフェルノ】などの『こんな目には絶対遭いたくない系グロテスクホラー』に定評のあるイーライ・ロス監督の最新作【ノック・ノック】を観て来ました!
観たことないけど【メイク・アップ 狂気の3P】という作品のリメイクらしいです。ってか凄いタイトル…
【マトリックス】で一斉を風靡し、その後パッとしない長い低迷期を、伝説の殺し屋の復讐劇を描いた【ジョン・ウィック】で見事カムバックしたキアヌ・リーヴスが主演を務める。まずこの組み合わせが面白いですね。
本作を観た感想は、
ホラー映画としてはパンチに欠けるが、ブラックコメディとして観ればそれなりに面白い。特に終盤!
前作の人間を美味しくいただく食人族をモチーフにした【グリーン・インフェルノ】もある意味コメディの要素はそれなりに見られたけど、あのモチベーションを期待すると、かなりの確率で肩透かしを食らいそう。
妻と子供はバカンスに出掛け、一人家に残りもくもくと仕事をこなす父:エヴァン、雨降りしきる夜に突然家に訪れたズブ濡れの美女2人の誘惑に負け、激しい3Pを楽しんじゃったことから、肉体的にも精神的にもひたすら弄ばれる悪夢の時間が幕を開ける。
本作は、監督の売りであるゴアやグロ描写を封印し、肉体的よりも精神的に来るバイオレンスを、特に中盤からブラックコメディの比重多めで魅せるイーライ・ロスの意欲作!であり気分転換作品?といった感じ。
今までは秘境の地や旅先など『赴いた先』でとんでもない目に遭う怖さを描いていたのが、今回はある種『一番安心な場所=自宅』を舞台に、もっと『身近な恐怖』を描いた点も興味深く、意識的にこれまでの作品とは区別しているように見える。
最近芸能人の不倫スキャンダルが後を絶たないが、『火遊び』が文字通り火種となって自らを・そして家族を滅ぼすような今の世相ともリンクしているので、タイミング的にも入りやすく楽しめる一作ではないかな?
キアヌのリアクション芸は必見!
3Pした翌朝エヴァンが目覚めると、黒髪のジェネシスと金髪のベルの美女2人に、勝手に料理は作られては部屋をぐちゃぐちゃにされ、芸術家の妻がつくったオブジェにイタズラされたり、あられもない姿を動画に撮られと、とにかくキアヌがやられ放題!
いつあの【ジョン・ウィック】ばりの殺人術を駆使して復讐に出るのかと思いきや…
今回、キアヌは普通のオジさんでしかない。
ただ、普通のオジさんだからこそ繰り出せる、弁明と言う名のヤケ糞で「ファック!」たっぷりな言い訳だったり、ミラクルなリアクション芸が見れる。
思っていたホラー感は薄めでも、この振り切ったキアヌのリアクション芸が観れるだけでも価値があり、彼の新境地の目撃者になれた優越感こそ本作のポイントだと思う。こんな表情も出来るのか!?コメディ俳優としてのキアヌも観てみたくなった。
ただ、FacebookなどのSNSの怖さ?や弄び方はもっとエグめであって欲しいし、ちょっとエンジンつくのが遅過ぎかな〜って言うのが正直な感想。こんな目には絶対遭いたくないけど、映画的にはヤるならもっとヤってほしい!
人によってはファックしてしまったとは言え、美女2人から受ける理不尽な仕打ちに胸糞悪いって人がいなくもなさそうだけどね。
台風のような美女2人のこと
台風のように荒らして忽然と去って行く美女2人がどうしてこんな理不尽な仕打ちするのかはあまり深くは描かれない。というかザックリ。そこが観終わってから色々と語れる部分であり、深みのあるところなのかも。
彼女等は【ファニーゲーム】のヤバい2人組と一見似ているが、きっと基地外でもサイコパスでもなく、どちらかと言うと【ディストラクション・ベイビーズ】の柳楽くん演じた泰良に近い。
『単に楽しいから』という理由で、ある種ゲームに興じているのか、その気がない男を誘惑してはSEXするように仕向けるのも楽しいし、その事実を人質に家やそいつ自身をメチャクチャにするもの楽しい!それだけ。「私らで楽しんだんだから、私らも楽しませろよ!」と。
もしくはこの2人が理不尽な仕打ちをする根本には、幼い頃や美人故に男にイタズラされたりレイプされた過去があるのかも知れない、それでタガが外れてしまい、性欲=欲望の抑えのきかない男達を懲らしめる『自警団ごっこ』的な暇つぶしをターゲットを見つけては繰り返し・渡り歩いているようにも見えた。見方は変えればビジランテ映画?と見なすには強引か。
気になったとこで言うと、イーライ・ロスの奥さんロレンツァ・イッツォが演じた黒髪の子の名前のジェネシス(創世記)って、こっちで言うDQNネームだったりするのかな?『創世記』の意味よりも外国の現代の若者表現というか。
あと金髪美女のベルを演じたアナ・デ・アルマスちゃんの無邪気な表情が、満島ひかりに似てて可愛いかったな。
まとめ
良かった点
- イーライ・ロス流の日本の世相ともリンクする身近な恐怖
- 笑えるキアヌ・リーヴスのリアクション芸
- アナ・デ・アルマスの無邪気な可愛さ ( ※インスタやってるよ )
悪かった点
- 前作とのギャップと、ホラーとしてはパンチに欠ける
- ヌルいバイオレンス描写
- 新鮮味もあまり無い
評価:★★★ 普通に楽しめました。
本作でまた違った一面を魅せてくれたイーライ・ロス、これを踏まえて次作はまたドギツい作品をお願いします!あと犬好きとしては、犬がいることでの恐怖はずっとあって、そこは効果的に働いてたかな。
一個前の作品【グリーン・インフェルノ】を復習するより、キアヌのギャップを楽しむために【ジョン・ウィック】を観てから行くのが個人的にはオススメです!
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関連&オススメ作品!
メイク・アップ 狂気の3P
本作の元になった映画。このパッケージ、そしてタイトルからして怖い...!でも観てみたい!
ファニーゲーム U.S.A.
敢えてのハリウッドリメイクの方を。家に突如訪れる2人組には要注意!ちょっとした些細な善意が恐怖の入り口だったりする。
ハード キャンディ
この作品もSNSだったり少女が男を追いつめる辺りとかちょっと連想しました。この頃のエレン・ペイジって剛力彩芽に似てる。
グリーン・インフェルノ
スマッシュヒットした1つ前のイーライ・ロス監督作。本作のジェネシスを演じたロレンツァ・イッツォが主演を務めたグルメ映画。
ジョン・ウィック
キアヌがカッコ良く返り咲いたことと、伝説の殺し屋の復活とが上手くリンクした快作!2作目も来年公開されるのかな?楽しみだぜ!そういう意味でもキアヌのトム・クルーズ化というか、新境地も魅せつつまた評価を上げて行って欲しいな。
ディアストラクション・ベイビーズ
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