読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アバウト映画公園

"プロの独身"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!

【感想】クリーピー 偽りの隣人 / 好きなだけに不満!映画の作り手もヤバい隣人の手中に!?ネタバレなし

邦画 【カ行】 2016:劇場鑑賞 邦画 評価:★★★★

f:id:tyler-7:20160619232111j:plain

あらすじ:刑事から犯罪心理学者に転身した高倉(西島秀俊)はある日、以前の同僚野上(東出昌大)から6年前の一家失踪事件の分析を頼まれる。だが、たった一人の生存者である長女の早紀(川口春奈)の記憶の糸をたぐっても、依然事件の真相は謎に包まれていた。一方、高倉が妻(竹内結子)と一緒に転居した先の隣人は、どこか捉えどころがなく……。(シネマトゥデイ)

 

製作国:日本 上映時間:130分 製作年:2016年

監督・脚本:黒沢清 脚本:池田千尋

キャスト: 西島秀俊 / 竹内結子 / 川口春奈 / 東出昌大 / 香川照之 / 藤野涼子 / 戸田昌宏 / 馬場徹 / 最所美咲 / 池田道枝 / 佐藤直子 / 笹野高史  等

 

好きなだけに素直に喜べない!

【CURE キュア】【回路】の黒沢清監督最新作【クリーピー 偽りの隣人】を観て来ました。前作の【岸辺の旅】はファンタジックで不思議なテイストの作品だったけど、今回はどちらかと言うと監督の十八番なテイストなので俄然楽しみにしてました!

 

感想は、

むむむ!?素直に喜べない…!

鑑賞前、映画評価アプリFilmarksの点数を見て「え、なんかクソ面白そうな題材に豪華キャストを当てた黒沢清最新作なのに点数低くね?おい!どした?」と思ってたんだけど、うーん、観たらそれも納得できる…

f:id:tyler-7:20160619234417j:plain

『一家失踪事件』『奇妙な隣人』『分かり得ない存在』『心理・マインド』『おぞましさ』『嫌悪感』『気持ち悪さ』などを含んだ、『運悪く触れかねない日常に潜む圧倒的恐怖』を詰め込んで真空パックした本作。

『事実は小説より奇なり』ってことわざもあるし、こういうぶっ飛んだ事件が僕らの知らないところで現実に起きているのも分かるし、この手の題材は大好物なんだけど...

ちょっと細かいツッコミどころが多過ぎて「うーん、こりゃ最高!!」とは素直に喜べなかった。

 

本作、核となる香川照之演じる西野に、映画の作り手たちや周りの登場人物が、西野の異常さを引き立てる為や彼が罪を重ねるのに合わせに行っちゃってるというか、西野の都合の良いように話が運び過ぎている。= 周りの登場人物が馬鹿ぽく見えかねない危うさだなと。

タイトルCREEPYの意味『むずむずする』『身の毛もよだつ』などの『気持ち悪さ』や、『怖さ』『映画的に面白い展開』を優先しそこで満足しちゃって、細かいディテールや展開がかなりざっくり過ぎで、核となるキャラ西野に対する甘やかしから生まれる「むむむ?」なノイズがかなり多かった。

ネタバレになるから細かくは挙げないけど、ここで言うツッコミどころは『都合の良さ』が大半なんだけど。今時ここまでズサンな警察もなかなか見られないじゃないかな?

f:id:tyler-7:20160620001802j:plain

とは言え、不思議なテイストが持ち味の黒沢清作品だし、これでもツッコミどころには寛容な方だから、それは一個一個丁寧に横に積み重ねて置いて、終盤までのめり込み楽しんでたんだけど、あの『ラスト』がだめ押しで…

そこはせめて締めとしてツッコミどころ無く見せて欲しかったな〜。最後までざっくりかぁ。ツッコミどころの中でも1番雑っ!!!

 

もしや【デッドプール】的メタ構造!?

見方によっては、映画の作り手も西野にアレされちゃってコントロールされてるとか、ひょっとして黒沢清と一緒に脚本を手掛けてる池田千尋さんが西野的な存在で、監督なりの「おれの状況がまさしく映画のようだ、助けてくれーーー!」的なメッセージ映画か!?とか強引な邪推によるメタな見方もそれはそれで面白いけど。。

 

黒沢清監督はオカルトとか、得体の知れないモノ、人間の世界を超越したような内容に関しては、自身の作風や味も相まって魅力的でハマるのかも知れないけど、

本作みたいな実際にあった事件を彷彿とさせたり、起こりうる日常に潜む恐怖を描く一種の『リアル』さを扱う上でのストーリー展開はあんま上手くないなと思ってしまった。

 

 

ここから褒めます!

f:id:tyler-7:20160620012041j:plain

背中を向け落花生を割ったりゴツめのミキサーなどの音演出や、取り調べ最中の奇怪な照明演出とか、これから魔界に行くの?的なドライブシーンなんかは黒沢テイストだなと嬉しかった。作品全体のおぞましさと不快さは抜群!

サイコパス西野を演じる香川照之のオーバーアクトは見るからにヤバい奴で、ちょっとやり過ぎだと思うけど、異質で絶対的な『分かり得ない存在』として最高ですね。見た目普通の小柄なオジさんが意外と日常に潜むヤバい奴だったりするんだろうなと。

主人公:西島秀俊演じる高倉の、お前何にも分かってねぇな感とか、警察向いてないな感は絶妙でした。一見頼りになりそうでならないタイプがハマってたな。

竹内結子と【ソロモンの偽証】の藤野京子ちゃんもそれなりに良かったけど、なにげ東出くん演じる高倉の後輩:野上のキャラが好きでしたね。高倉にツンケンしてるけど正義感はあるというか。フェードアウト感も含め。

あと西野宅の陰湿なセットも魅力的だなと思う。この映画的なセット然り、本作は観客がイチイチ「むむむ?」なポイントを補完してあげ、細かい事は気にせず『寓話』として観てあげるとより楽しめる作品だなと思いました!

 

不満点というか要望

f:id:tyler-7:20160620003734j:plain

本作扱っている題材の割には、レーティング無しで誰でも見れるエンタメ作になっているんだけど、それ故ちょっとヌルく物足りないなと思ったり。

殺すシーンを直接的にあまり見せないのもそうだけど、一番は西野の『性欲』描写が中途半端。竹内結子演じる高倉の妻:康子を気持ち悪く誘っておいて、その後どうこうする描写は無いのかと。

あの展開に+して西野の性欲全開のゲスキャラだったらより鬼畜且つ、高倉と観客の胸をえぐる最悪で最高な展開が待ってたのになと。やらないならやらないで、西野は実はイ○ポだった的な裏設定があるとまた根が深く味があるんだけどな。

レーティングを気にしてやらないんだったら、R18+にしてとことん意地悪な鬼畜さを見せて欲しかったな。そんな展開ならそもそも竹内結子の出演は無理か。

あと『犬』と来て『チョコレート』って言ったら「あ、これを犬に食わせ殺すんだな?」と思ったらそれはやんないのかよ!最近観た【ノック・ノック】といい犬には優しくてホッとする。

とは言え精神的にも頭も『?』ばかりで疲れる濃厚な一作になっていると思います!

 

まとめ

良かった点

  • 扱っている題材と不快が伴う恐怖
  • こういう奴いるんだろうなと思わせる香川照之のオーバー気味の好演
  • 作品全体を覆うおぞましい空気感
  • ちょくちょく差し込まれる黒沢清テイスト

悪かった点

  • 細かいツッコミどころ・都合のいい&強引な展開・はっきりし無さが満載!
  • 題材の割りに起こりえそうな鬼畜展開をあえて排除しエンタメとして抑えている

評価:★★★★  結構良かったぜ!

色々わーわー言ってるけど、この手の映画は個人的に好きなので4点。でもまぁ今時ここまでざっくりで強引に進める映画も珍しい。監督が横にいたら「今のどゆことですか?!」とイチイチ問いつめたくなる作品でした。

[ 予告編 ]

[ 映画館を探す ] 「クリーピー 偽りの隣人」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com

 

関連&オススメ作品!

おすすめシリアルキラー&サイコパス邦画!

ここに挙げている【黒い家】【冷たい熱帯魚】【凶悪】あたりに通じる作品ですね!本作もこの作品群の仲間入りを見事果たしました。

 

消された一家 北九州・連続監禁殺人事件 ※文庫

実際にあったこの事件を連想する内容になってました。これ読んだときはちょっと言葉にならなかった。人ってここまで鬼畜なことが出来るんだと衝撃的な事実が記された一作!

f:id:tyler-7:20160620013944j:plain

 

CURE キュア

岸辺の旅

 

にほんブログ村 映画ブログへ