あらすじ:ノルウェーのガイランゲルフィヨルドは世界遺産にも認定された著名な観光地だが、過去に山崩れによる大津波が発生した場所でもあった。ある日、大規模な岩山崩落の前兆が感知され、緊急避難警報が発令される。地質学者のクリスチャン(クリストッフェル・ヨーネル)は、津波が町に到達するまでの10分間で家族を連れて避難しようとするが……。(シネマトゥデイ)
製作国:ノルウェー 上映時間:105分 製作年:2015年
監督:ローアル・ユートハウグ 脚本:ジョン・カレー・ラーク / ハロルド・ローゼンロウ・イグ
キャスト: クリストファー・ジョナー / トーマス・ボー・ラーセン / アーネ・ダール・トルプ 等
2016年『トラウマ』シーン最有力!
『巨大津波』という題材に日本の大手配給会社が泣く泣く諦めた、第88回アカデミー賞外国語映画賞ノルウェー代表作に選出されたリアル・ディザスタームービー【THE WAVE/ザ・ウェイブ】。
今作が評価され監督のローアル・ユートハウグはリブート版【トゥームレイダー】の監督に決定したとの触れ込みを聞き、謎のテンションで初日に観てきました。感想は、
マジで津波描写は最高に怖いっ!
肝心の津波描写は最高に怖くて、最高にアドレナリンが溢れた!!!これは今年一番のトラウマなシーンが出たなという感じです。こういう映像にたまに出会えるから公開館数が少なくても、ついつい気になるマイナー作を観に足を運んじゃいますね。
心の中で、
いやいやいやいやいやいやいや、嘘、嘘、嘘、ちょちょちょちょ、わぁわぁわぁ、あぁーーー噓だぁーーーーーー!!!!!
と、津波の怖さとあり得なさに心の中で悲鳴をあげ、思わず画面に観入り息を飲む。夜だからいい具合に誤魔化てるし、暗い閉塞感がさらに絶望と恐怖を格段に引き上げる。
似たような映画の【インポッシブル】の津波描写もかなりクオリティが高く壮絶なものだったけど、それに引けを取らないないヤバいシーンでした!
津波が起こるまでの音楽による盛り上げや、車のサイドミラーに迫り来る津波を映す間接的な見せ方も気が利いてて良かったですね。思ってたより全体的にチープさが全然無くて『ノルウェー代表作』として選出されるのも納得でした。
大自然広がるノルウェーの景勝地、渓谷から流れ込んで来る津波は怒り狂ったモンスターのよう。町に低い音の警報が鳴り、津波が解き放たれてから10分間で避難しなければならない…
一方、人間ドラマの方は?!
ディザスタームービーに付きものの要となる人間ドラマの方は、いち早く津波の発生に気付く地質学者クリスチャン一家を軸に話が進む。
なんだけど、津波発生から逃げて行く間に「こんな事態にこいつ何やってんだよ!」的なヤツが数人出てきて、映画的に面白くする『展開のためのパニック演出』が多少イラつかせる。
実際ここまでのパニックは味わった事ないし、非常事態に起きうる意味不明な行動や頭がおかしくなっちゃう『僕らの知らないリアルさ』なのかも知れないけど、ん… まぁ何があってもおかしくないか。
そこに映画としてドラマを強引に成立させようとする『都合の良さ』が乗っかって来ちゃうので勿体無かったな。とても2時間やそこらで描き切れそうにない内容ではあるんだけど、ドラマの部分がもうちょっとちゃんとしてたら最高でした!
脚本は多少難ありだったけど、津波が通った後の悲惨な現場の作り込みとかちゃんとやってるし、全体的には凄く頑張ってる!
実際に昔ノルウェーで起きた&地質調査上これから確実に起こり得るリアルな『巨大津波』なので、一見の価値はあるかと思います。観るなら映画館のスクリーンでしょう!!!
まとめ
良かった点
- 何と言ってもトラウマ級の津波描写!
- 津波との対比でノルウェーの自然や夜のシーンのライティングなどの画が美しい
- 津波が通った後のセットの作り込み
- 父親クリスチャンを演じたクリストファー・ジョナーの雰囲気と好演(レヴェナントにも出てたらしい)
悪かった点
- 展開を面白くしたいがためにパニック描写に少々イラつく
- ドラマを成立させるための都合の良い展開
評価:★★★ 普通に楽しめました。差し引きしてトータルするとこのくらいだけど、ディザスターとしての津波描写は文句無しに★5つですね!
水中で何秒息を止められますか?
この手の『水難事故』映画を観ると、水中で長く息を止められるに越した事はないなぁ...と思っちゃいますね。
日頃からお風呂とかで鍛えた方がいいなと改めて思わされました。1分くらい止められると良いな〜。ホントいざという時に違って来る。
[ 予告編 ]
[ 映画館を探す ] 「THE WAVE ザ・ウェイブ」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com
関連&オススメ作品!
インポッシブル
スマトラ島沖地震による大津波と被災した家族を描く。こっちは昼間で誤摩化しが利きにくい分、抜群のクオリティと説得力に呆気にとられる!
津波に巻き込まれて瓦礫やら流木やら色々な障害物と水中でもみくちゃになる描写はフレッシュで、これも一見の価値あり!
ちなみに【THE WAVE/ザ・ウェイブ】の外国版のポスターの構図が完全に【インポッシブル】に似ちゃってるけど…
THE WAVE/ウェイヴ
だいぶタイトルが被っちゃって間違われそうな作品。ファシズムをシミュレーションする危険な特別授業が招いた衝撃の顛末を描く実在ベースな一作。面白いよ!
トゥームレイダー
【トゥームレイダー】といったらアンジーですね!リブート版は誰になるんだろ!? この特徴的な髪型は変えないで欲しいな。脚本家も変わると思うのでローアル・ユーロハウグ監督に期待!
記事が良かったらブックマークやシェアしてもらえると嬉しいです!