あらすじ:ラジオ局の重役を務めるブラッドは、バツイチ女性サラと結婚し、サラの連れ子である2人の子どもの父親となる。しかし穏やかで真面目な性格のブラッドは子どもたちにとっては退屈で、いまいち打ち解けられずにいた。そんなある日、サラの前夫であるワイルドな特殊部隊員ダスティが、子どもたちに会いに訪ねてくる。容姿も性格も正反対のブラッドとダスティは、子どもたちの支持を得ようと意地の張り合いをはじめるが……。(映画.com)
製作国:アメリカ 上映時間:96分 製作年:2015年
監督:ショーン・アンダース
キャスト:ウィル・フェレル / マーク・ウォールバーグ / リンダ・カーデリーニ / オーウェン・ウィルダー・バッカロ / スカーレット・エステベス 等
過小評価されてる良くできたハートフルお馬鹿コメディ!
【アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!】という大好きなコメディ映画があるんだけど、その主演の2人ウィル・フェレル(コメディ畑の天才オヤジ)とマーク・ウォールバーグ(おとぼけフェイスの筋肉バカ)が、再びタッグを組んだ映画【パパVS新しいパパ】の存在を最近知り早速観てみました。感想は、
いやー、もう最高!めちゃくちゃ面白かった!
というか嘘やろ!こんなクソ面白いのにfilmarksでの点数が5点満点中3.5点って、どんな点数なんだよ!? 【アザーガイズ】好きの流れで単に舞い上がってるだけか!?それともただ笑いのツボがドンピシャで合っただけか?!…このタイトルでまず舐めれるなw
美しい妻サラの連れ子2人との距離を縮めるのに苦戦するウィル・フェレル演じる継父のブラッド。距離が縮まりかけた矢先、マーク・ウォールバーグ演じる元旦那のダスティがやって来る。今パパVS前パパとの子供達の好感度を掛けた壮絶なバトルが繰り広げられるお馬鹿コメディ!ウィル・フェレル版【そして父になる】です。
ダスティの人当たりの良さと口車に乗せられ、人の良いブラッドは彼を数日間家に泊める許しを出してしまう。そこから徐々にダスティの元嫁と子供たちの奪還作戦が始まり、それに気付いた継父のブラッドは負けじと応戦、もはやしょーもない意地の張りのバトルへと発展する。
見た目・人柄・腕っぷしの強さ・運動神経など諸々のポテンシャルが高いダスティはめちゃくちゃ手強い。仕舞いにはブラッドの上司まで手玉に取られる始末…
この辺りの『元パパによる家族奪還作戦』は一歩間違えたらサイコで狂気染みた見え方になってしまうところを、マーク・ウォールバーグのあっけらかんとした悪気の無さや、その受け手がリアクション王ウィル・フェレルだけあって楽しく観れてしまう。【アザーガイズ】ばりに主演2人の相性の良さが炸裂する。
それでいてダスティがちゃんと魅力的に見えるから、自然に家族が彼になびいて行ってしまうのも分かる。
冴える映像テクニック
CGや合成の技術も上がって『カットを割らずに一連の流れで見せる』描写がすんなり出来るようになり、それが近年だとエグい残酷描写に顕著なんだけど、コメディでもたまに使われてたりする。
観た人なら伝わりやすいけど、同じコメディ映画でいうと【ネイバーズ】で主演セス・ローゲンがエアバックを仕込まれた椅子に座って酷い目に遭う「これ、どう撮ってんだ?」と観直したくなるシーンがある。
普段ハプニング映像でしか見れないような『ヤバいアクシデント』をカット割らずに魅せてくれるシーンが本作にも入っている。
本作だとブラッドがダスティの乗れもしないごっついバイクに乗って暴走するシーンがそれだ。予告だと半分しか映ってないけど、このインパクト映像を冒頭で観せられた事でテンションが上がり、物語に乗るスイッチが入った。
他にもスケボー勝負の顔すげ替えだったり、ブラッドのパンチシーンだったり、以外にも映像や見せ方が凝っていた。楽しい!
予測不可能な展開と前フリ
分かりやすいプロットや主演2人のバランスの良さもさる事ながら、この作品の魅力的なポイントは『予測不可能なジェットコースター的展開』と『伏線とその回収』だと思う。総合すると『コメディ的な話の巧さ』なんだけど。
本作、結構目まぐるしく場所が変わる。家を拠点として庭・ブラッドの職場・学校・バスケの試合・泌尿器科などなど、ペースを落とすこと無くどんどんと場所を移動し、ブラッドとダスティの抜きつ抜かれつの攻防・歩み寄ったかと思えばまた離れたりを繰り返す。これ収束すんのか!?と観る側としては振り回される。
その合間合間に実は伏線と言う名の『前フリ』が随所に散りばめられていて、それが終盤に向かうにつれちゃんと『笑い』として回収されていく気持ちよさ&爆笑!には、ちょっと【アザーガイズ】までは行かないだろうと軽く舐めてただけあって素直に驚いた。あのシーンがここで活きて来るかー!
この監督巧いっ!そしてニクい!
子供達との距離が縮まると本気で喜ぶブラッド、『継父』という妻の連れ子との歯痒い距離感が生む哀愁も良いのよね、老けたウィル・フェレルがまたよく似合う。
その妻のサラを演じたリンダ・カーデリーニは【アベンジャーズ】のホークアイの奥さん役だったり、バツイチ感も絶妙。
気の利いてる見せ方に終盤のカタルシス&コメディに必須なホッコリなパッピーエンド?にもう言うこと無し!同監督の【モンスター上司2】は可も無く不可もなくな作品だったけど、本作は素晴らしかったですね!
まとめ
良かった点
- ウィル・フェレルとマーク・ウォールバーグの類稀な相性の良さとコンビネーション
- コメディ的な笑いがしっかりと堪能できる
- ちょっと凝った見せ方だったり、シチュエーションの多さ
- テンポの良さ・予測出来ない展開・伏線とその回収による話の巧さ
- ブラッドの上司と、いつの間に仲間入りしている黒人のアイツ
悪かった点
- うーん、特になかったかな
評価:★★★★★ 最高!フォーー!当ブログの『コメディ映画』での満点評価はジム・キャリー主演【ライアー ライアー】以来2回目ですね。あれも父親映画だね。
品川ヒロシ監督作の漫才的な掛け合いでもなく、クドカン作品みたいなおちゃらけ&小ネタの応酬でもなく【テッド】みたくバリバリ下ネタでもない、ちゃんとベタなのも含め『コメディ的笑い』が詰まってて、尚且つ話の巧さが際立つ傑作だと思います!
世間的な点数が点数だけにハマらない人には全然ハマらないんだうけど、下の関連作が好きな人は間違いなくハマる気がする。個人的には吹き替えで観るのがオススメ。
[ 予告編 ]
関連&オススメ作品!
アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!
冴えない脇役刑事が奮闘するバディコメディ!かなり好きな作品。ウィル・フェレルが乗る車だったり美人妻だったりこの作品のオマージュも感じる。
ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金
【トランスフォーマー】のマイケル・ベイがやりたいようにやったマーク・ウォールバーグ主演の実話バイオレンスコメディ!結構ブラックでエグめ、だけど面白い!!!
俺たちニュースキャスター
主演のウィル・フェレルが過剰すぎてキレッキレ!中学生が監修に入っているような『くだらなさ』はコメディ随一かも?スティーヴ・カレルのキモキャラも最高!
ネイバーズ
隣人トラブルを面白おかしくコメディに落とし込んだ良作!セス・ローゲンの夫婦の阿吽のノリが魅力的。クロエちゃんが出演する続編が早く観たい!