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アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!

【感想】ONCE ダブリンの街角で / ほろ苦い束の間の男女の交流と恋&感情の記録媒体としての音楽!

洋画 【ワ行】 洋画 評価:★★★★

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あらすじ:ダブリンの街角で毎日のようにギターをかき鳴らす男(グレン・ハンサード)はある日、チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会う。ひょんなことから彼女にピアノの才能があることを知った男は、自分が書いた曲を彼女と一緒に演奏してみることに。すると、そのセッションは想像以上の素晴らしいものとなり……。(シネマトゥデイ)

 

製作国:アイルランド 上映時間:87分 製作年:2006年

監督・脚本:ジョン・カーニー

キャスト:グレン・ハンサード / マルケタ・イルグロヴァ / ヒュー・ウォルシュ / ゲリー・ヘンドリック / アラスター・フォーリー / ゲオフ・ミノゲ / ビル・ホドネット / ダヌシェ・クトレストヴァ 等 

 

ふとした出会いをキッカケに

【シング・ストリート 未来へのうた】が想像以上に傑作で、このタイミングで手をつけてなかったジョン・カーニー監督のデビュー作【ONCE ダブリンの街角で】を鑑賞しました。

本作、アメリカでわずか2館の公開から口コミで動員数を増やし、最終的には140館で上映されたらしく、2008年アカデミー賞 歌曲賞を受賞した作品となにげ凄い作品で、好き人が多いんだよね。感想は、

 

荒削りだけど良かった!

大人の男女の束の間の時間と気持ちの揺れ動き。もどかしーーぜ!音楽によりふと街角で出会い、音楽により交流する事になり、音楽を通して仲が深まっていく互いに一物抱える男女。その2人の交流の数日間を描くラブ・ストーリー。男と女は次第に惹かれ合って行くけれど、互いに去ってしまった人への未練を抱えている。

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この作品、手持ちカメラ(ハンディカム)の映像を多用してたのが、後に撮る事になる【はじまりのうた】や【シング・ストリート】には無かったので新鮮で印象的だった。

その画質ちょい粗めで手ぶれ込みの映像がドキュメンタリックで、その瞬間・その場所で彼らがちゃんとダブリンの街角や雑踏の中にいた『実在感や存在感』を上手く演出していた。

どこにでもいる音楽をやってる人・どこにでもいる男と女・あくまでも普遍的な登場人物でみんなと同じように何かしらの悩みを抱え生きている。敢えて男と女の名前が出て来ないのもそういう意図があるんだと思う。

ひょんな事から知り合い、気が付けば「名前聞いてたっけ?」くらいの短い時間を切り取った映画なんだろう。2人にとってその出会いが凄く大きなものになる。

 

音楽=感情の記録媒体

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本作に出てくる音楽は『過去の人』『関係がダメになってしまった人』を想い作った曲が多く、男が元カノとのラブラブだった頃の思い出ムービーを見ながら曲作りしてる姿に『音楽=感情の記録媒体』的な側面を感じた。

写真とか動画はその瞬間や光景は切り取れるけど、その時の感情までは納められない。それを音楽が上手く担っているなと。想いを詞にして感情の抑揚をメロディで表現する、それは時が経っても色褪せない。

それでいてジョン・カーニー監督作に出てくる歌や曲自体がすごく良いから、彼らの詞に込められた想いに説得力が乗って来る。2人が楽器店で初セッションした曲『Falling Slowly』が2度目出て来るとまた印象が違って聴こえて来る。

 

個人的に良かったところ

女の仕事柄なのか妙なフランクさと、犬を散歩してるかの如く掃除機を散歩して来ちゃう天然ぶりとか結構好きだな。←観ないと何言ってるか分からないと思うけど。

女の知り合って間も無いのにやたら元カノの事とか知りたがるグイグイの感じね。そのグイグイに男は勘違いしてミスっちゃうんだけど、あの気持ち分からんでもない。

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あとは演奏中のお茶出しシーンや、男女二人乗り、音楽に長けたエイモンの存在、そしてラストなど【シング・ストリート】にも共通しててニンマリする。

年代としては辻夫は合わないけど、このエンジニアのエイモンの佇まいが、【シング・ストリート】のエイモンがバンドでそれなりに名を挙げ、解散し、落ち着いてエンジニアの職に着いてたらあんな感じかなとも思ったり。メガネかけてないけど、あのぱっと見のテンションゼロな感じは似てる。

 

ふとした瞬間の出会いに背中を押され、それぞれに想うことがあり前進していく。荒削りな作品と荒削りな想いを抱えるメインの2人がすごくマッチしてました!

 

まとめ

良かった点

  • ほろ苦い大人の男女の音楽を通した交流と恋愛
  • 画素の荒い手持ちカメラの演出と効果
  • 音楽=感情の記録メディア的側面
  • 出てくる曲の良さ

悪かった点

  • バンドを組んでからの海の良さげシーンまでの性急さがちょっと気になった

評価:★★★★  結構良かったぜ!

1本の映画としてはたどしいけど、それがちゃんと味になっていた。ダブリンには行ったことはないけど、ダブリンの空気感みたいなモノはちゃんとパッキングされてる気がする。

これを観ると後に撮る2作が、この作品をブラッシュアップし大衆的かつエンタメ作に昇華させたモノに感じた。遡ってさらにジョン・カーニー監督の次回作を期待してしまう。

[ 予告編 ]

 

関連&オススメ作品!

シング・ストリート 未来へのうた

ジョン・カーニー監督の3作目。音楽の力をモロに感じる青春映画。今年間違いなくベスト10には入る傑作!

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はじまりのうた

この2作目でジョン・カーニーを初めて知った。また観直したい作品ですね。今にも増して感想がかなりザックリしてる頃。

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ダブリン上等!

『ダブリン』と聞くとこの群像劇を思い出す。巷の評価はあんまり高くないけど観た当時は面白かった印象がある。コリン・ファレル主演作。

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