製作国:アメリカ 上映時間:112分 製作年:2010年
監督:トム・マクグラス 脚本:アラン・スティラー / ブレント・サイモンズ
キャスト(声): ウィル・フェレル / ティナ・フェイ / ジョナ・ヒル / デヴィッド・クロス / ブラッド・ピット 等
ディズニーやピクサーに負けない隠れた良作アニメ!!!
Amazonプライムの1ヶ月無料体験に入ったので、どうせならTSUTAYAに置いてない映画を観ようと、前にちらほら「良かった!」との声を聞くも若干チープなビジュアルから舐めてたドリーム・ワークス製作のアニメーション【メガマインド】をこのタイミングで鑑賞。
と言っても観てから2週間くらい経つので思い出しながらネタバレなしで書きます。感想は、
めっちゃ面白いじゃん!!!
観終わった直後は「トンデモないアニメを観たな!?」という驚きとかなりの満足感があって、B級チックなビジュアルやキャラクターにこれだけワクワクさせられるとは正直思わなかった。隠れた良作ですね!「隠れてねぇし知ってるよ!」との声も聞こえて来そうだけど…
まだ観ていなくて、ディズニーやピクサー界隈のアニメが嫌いじゃなければ是非ともオススメなので、この先を読まずにとりあえず観て欲しいです!
悪役が主役のメタ・ヒーローアニメ!
作品の内容としては、いわゆる『勧善懲悪のヒーローもの』を基盤としたメタ・ヒーロー作品ですね。一番分かりやすく近いところで言うと『アンパンマン』の世界にぐぐぐーっと踏み込んだような内容。本作、ばいきんまん的な立ち位置の悪役メガマインドを主人公として立ててるのが特徴だ。
環境がそうさせて悪として育ったメガマインドは、幼い頃から相対してた正義のヒーロー:メトロマンと長年激しいバトルを繰り広げていた。お決まり基本パターンは正義が勝ち悪は負ける。
アンパンマンで言えば、アンパンチでばいきんまんがぶっ飛ばされて一件落着というところを、本作ではメガマインドに連れさられたアナウンサーのヒロインをメトロマン救い、退治したメガマインドを刑務所にぶち込んで一件落着ってのがお決まりパターン。メガマインドが刑務所を脱走し、またヒロインを誘拐… 基本はその繰り返し。
ただメガマインドはある戦いで無敵のヒーロー:メトロマンを殺してしまう。ライバルを倒したメガマインドは子分のコブンギョと共に悪事を働きまくるも、それを止めるメトロマンはもういない。目的を失い心は満たされず落ち込んでいた時、あるトンデモな打開策を思い付く…
スター・ウォーズからズートピアまで
予測出来そうなストーリーなのにスカされる『まさかな展開』の連続に楽しく振り回され、漠然となんとなくの決め付けがあった『ヒーローもの』に踏み込み、痛いところを突かれたような感覚を覚える。
そうだよな!悪役だって人を好きになる事だってあるだろうし、孤独で寂しさを感じる時だってあるだろう!それに市民から絶大な人気を誇るヒーローに嫉妬したり、時に誰かに認められたいと思ったりもするよな!?と、ついつい目が行きにくい悪役の向こう側を垣間見ることができる。
観た人なら少なからず感じる【スター・ウォーズ】のプリクエル的なオマージュや【ズートピア】に通じる差別や偏見なども扱っていて、素直に大人から子供まで楽しめる完成度の高い一作にだと思います。敢えてチープで分かりやすいキャラデザインも物語に入り込みやすいように計算されているなと。
オススメは吹き替え版!
個人的なオススメは吹き替え版ですね。メガマインドのコミカルなキャラを『山ちゃん』ことを山寺宏一が務めてて、観ている間、山ちゃんが吹き替えを担当した【マスク】のジム・キャリーを思い出しました。実写ならジム・キャリーがメガマインド役をやりそうな、そんなナイスなキャラなんです。
山ちゃんのコミカルさが作品のトーンを暗くさせず、バランスを取っていて安心して観ていられる。ヘタしたら結構ダウナー映画になり兼ねない内容でもあるし。
一方の字幕版の声もウィル・フェレル/ジョナ・ヒル/ブラピと豪華なメンツが揃ってます!このメンツが揃うだけでもただ事ではないですね。他にも魅力的なキャラも色々といるのでそれは観てのお楽しみ。個人的にヒロインのロクサーヌの髪型がショートなのがツボ。
完璧とまでは言えない?!
かなりベタ褒めなテンションではあるんだけど、思い返すと後になって気になる点は少なからずある。
あのメガネくんは結局どうなったん!?とかメガマインドよく考えるとちょっとヒドくない!?とか、話が都合良く納まり過ぎじゃない!?とかあるけど、そんな事は作品全体のワクワク感から言えばそこまで気にならない範囲かな。そこもある意味ヒーロー作品的とも言えるし。
語るだけネタバレになってしまうので、取り敢えずオススメです!
まとめ
良かった点
- 勧善懲悪のヒーローものに踏み込んだメタな内容
- メガマインドや魅力的なキャラが揃っている
- 振り回されるワクワクな展開
- 差別や偏見・決めつけ・驕りなど考えさせられる要素も
悪かった点
- 思い返せば気になる点も無くはない
評価:★★★★★ 最高!フォーー!ありそうでなかった作品ですね。こういう作品が観たかった!と欲求の引き出しの1つを埋めてくれた感じ。というかこの作品ソフト化されてないらしく、ネット界隈で観るしかなさそうです。
[ 予告編 ] ちゃんとした予告編じゃないけどこんなノリです。
関連&オススメ作品!
本作の監督を務めたトム・マクグラスは【マダガスカル2】&【マダガスカル3】の監督さんです。1作目は観たけど2&3は観てないな。これ観るなら【ズートピア】かな。
【ズートピア】は肉食動物と草食動物の括りで差別や偏見の問題提起をしてたけど、本作では正義と悪や見た目で同じようなメッセージを伝えていた。
メガマインド=ダース・ベイダー的でもあり、話の展開的にもプリクエルを彷彿とさせる。
マスク
図らずも山ちゃんが吹き替えを担当したキャラの見た目がどことなく似ている。ギャクセンやひょうきんさなどメガマインドに通じる部分があって【マスク】好きは間違いなく本作ハマると思います!