あらすじ:CIAで働くスーザンは、現場のエージェントの目となり耳となって彼らを誘導する分析官。ある日、核爆弾の売買を阻止する任務を遂行中に、パートナーのファインが冷酷な武器商人、レイナによって殺されてしまう。テロリストに核爆弾を売ろうとするレイナを阻止するため、自ら志願して現場のエージェントになることを決意したスーザン。スパイとしてド素人の彼女は、仲間のスゴ腕エージェント、リックとともに凶悪組織の計画を阻止できるのか!? (amazon)
製作国:アメリカ 上映時間:120分 製作年:2015年
監督・脚本:ポール・フェイグ
キャスト:メリッサ・マッカーシー / ジェイソン・ステイサム / ジュード・ロウ / ローズ・バーン / ミランダ・ハート 等
スパイ・コメディの傑作!!?
TSUTAYAの棚で表立って猛プッシュされていたのと、チラホラ見かけるTwitterでの好評の声で気になっていた映画【SPY/スパイ】を鑑賞。
ジュード・ロウ&ジェイソン・ステイサムのコンビってだけで何げ熱いのに、その間にいるオバさんは誰だ?とへんな魅力を漂わす作品だ。パッケージも謎にパンチあって惹かれるものがある。観た感想は、
いや〜、かなり笑えて楽しかった!
今年公開の女版【ゴーストバスターズ】の監督を務めたポール・フェイグ監督が送るスパイコメディ!タイトルが【SPY/スパイ】とド直球なだけに、意外にも中身は真っ当なスパイ映画で、そこに見事にコメディがウザくないイイ絡み方してて、新たなスパイシリーズとしても、すでに続編が観たいくらいに面白かった!
主役はスパイ素人のオバさん! ?
なんといっても主役はスパイの実戦経験の無いオペレーターのオバさん?のスーザン。ジュード・ロウ演じる敏腕スパイのブラッドリーとコンビを組んでいて、本部から彼の誘導などをサポートをするオペレーターだ。しかも彼にちょっと気がある。任務中にブラッドリーが武器証人レイナに殺された事で、カタキを取るため&長年憧れていたスパイに自ら志願し任務遂行にあたる。
スーザンはオバさんって歳でも無いんだろうけど、国を跨ぐごとに色々なイケてないオバさんに変装させられ敵を欺いて行く? いや、欺けてるかどうかはアレだが…
日本でリメイクするならハリセンボンの春菜でしょうね。「角野卓造じゃねぇよ!」「シュレックじゃねぇよ!」「マイケル・ムーアじゃねぇよ!」みたいに?スーザンは器用に色々なオバさんになりすます。
好奇心と根性・秘めた暴力性に乙女心と、スーザンの性格がスパイの割りとオーソドックスなストーリーと絶妙にコント的なノリで絡んで思わぬ方向へと展開する!宿敵であるレイナの懐に入るオバさんならではの距離感の詰め方は見どころ。
女版【ゴーズバスターズ】にも出演するスーザンを演じたメリッサ・マッカーシーのコメディエンヌとしての器用さをこれでもかと堪能できる一作でもありますね。だんだんと彼女がイイ女に見えて来るのよね〜。
魅力的で愛らしい登場人物!
最前線で活躍するイケメンエージェントのブラッドリーを演じたジュード・ロウ。お手本のような『ジュード・ロウの正しい使い方』に、久しぶりに映画で彼の姿を観たなと思い軽くグッと来る。相変わらずイケメンだな、おい!最近ペプシのCMにも出てたりともっとメジャーな大作で観たいぜ!
そのブラッドリーとは対極の、考えるより即行動の熱血馬鹿エージェントのリックを演じたジェイソン・ステイサムもかなり良かったですね!「それ、お前がドジで単に身体が丈夫だっただけだろ!?」とツッコミを入れたくなる今までの過酷な任務や受けた仕打ちを自慢げに語ったり、単におっちょこちょいだったり。
他の作品で彼が演じる『強い男キャラ』を逆手に取ったコメディーリリーフ的な役は新鮮でかなりハマってました。これがドウェイン・ジョンソンだと変なB級感出ちゃうしね。
次第に愛おしく見えて来るローズ・バーン演じる敵役の武器商人レイナや、デブ&ノッポのバランスが微笑ましいスーザンの同僚のナイシー、それにジローラモを彷彿とさせるスケベオヤジ・エージェントだったり、続編を十分予感&期待させるような周りを彩るメンツをスマートに登場させ話に絡めるのが上手いですね。
こんなスパイ・コメディが観たかった!
【スパイキッズ】【ジョニー・イングリッシュ】【ゲット スマート】【SPY TIME スパイ・タイム】などスパイを題材としたコメディや惜しい作品はあったものの、ここまでコメディ色強めなスパイ映画重視で満足の行く作品は今まで無かったな。これよこれ!!すみません、もろコメディの【オースティン・パワーズ】は観ていませんが…
笑いだけに満足せず、ちゃんと「どうなるんだ!?」とワクワクさせてくれる展開をいくつも用意してくれてたり、スパイという死と隣り合わせの仕事を扱ってるだけあって、突如襲い来る『死』もちゃんと描いててポール・フェイグ監督作はこれが初めてだったけど、かなり好感が持てました。
まとめ
良かった点
- こんなスパイ・コメディが観たかったと欲求を突いて来る作風
- オバさんと笑いの扱い方が上手い
- 魅力的なメンツとそのスマートな絡ませ方
- 笑いに逃げずにスパイ映画としてのワクワク展開も担保されている
悪かった点
- 短い!もっと観たくなる&スーザンが有能過ぎ!?
評価:★★★★★ 最高!フォーー!
いや〜素直に面白かったですね!個人的には本作のように主人公がドジじゃないスパイコメディが観たかった。これ観ちゃうと女版【ゴーストバスターズ】観に行くの即決定ですね!本作を観てオバさんコメディの免疫を付けてから観に行くと、よりすーっと世界観に入り込めると思います。
[ 予告編 ]
関連&オススメ作品!
ゴーストバスターズ
実は先行上映で観て来ました!面白い!本作の監督って考えると納得の出来ですね。てかタイトルどうにかならなかったのかな?【ゴーストバスターズ3】とか【ゴーストバスターズ:リボーン】とか何か別のタイトルにして欲しかったな。1作目と同じタイトルが紛らわしい。
ゲット スマート
スティーブ・カレル&アン・ハサウェイ主演のスパイ・コメディ。本作が出るまではスパイ・コメディの中では一番好きな作品だったかも。こっちはもっとコメディに振り切っていて、ドウェイン・ジョンソンも出てます。
ジョニー・イングリッシュ
『Mr.ビーン』で有名なローワン・アトキンソン主演のスパイ・コメディ。彼が主演なだけに確実に笑いは保証されてますね!続編の【ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬】は観たか観てないのか覚えてない。
コードネーム U.N.C.L.E.
ジュード・ロウとジェイソン・ステイサムのキャラのバランスはこの作品を思い出しました。この作品ももう少し笑えたら良かったのに、ちょっと真面目で硬い印象がある。