どうもアバウト男です!
今回は『まとめて映画感想』になります!ここ最近観た旧作をザッと備忘録として感想を書きました。今回は前から観たかった作品がチラホラ入っている6作品。
まとめて映画感想 第19弾!!!
26世紀青年
あらすじ:ジョー・バウアーズは「平均的アメリカ人」であることを理由に、国防総省の極秘冬眠実験の被験者に選ばれる。売春婦のリタと共にタイムカプセルで冷凍保存されるが、責任者が逮捕されたために忘れ去られ、目覚めた時にはなんと西暦2500年になっていた。しかも500年のうちに人類の知能は著しく低下しており、世界は崩壊寸前に陥っていた。生きている者の中で最もインテリな人間になったジョーは、成りゆきから内務長官に任命されてしまい……。(映画.com)
製作国:アメリカ 上映時間:85分 製作年:2006年
監督・脚本・原案:マイク・ジャッジ
キャスト:ルーク・ウィルソン / マーヤ・ルドルフ / ダックス・シェパード / テリー・クルーズ / ジャスティン・ロング 等
目眩がする馬鹿ディストピア!
いつの間にかTSUTAYAの棚から見かけなくなった、【バス男】並みにタイトルで損しているカルト的コメディをAmazonプライムにて鑑賞。ありそうで無かった設定にそれなりに楽しめた!
人間保存実験のミスで500年後に目覚めてしまう知能も体力もいたって一般的な男ジョー。目覚めた500年後の世界はすっかり様変わり。頭の良いやつは全滅し、生殖能力がやたら強いアホなDQNがネズミのように子供を作り都市機能も壊滅状態。馬鹿が蔓延するディストピアな世界で『天才』と崇められ、元の時代に戻るために奮闘する男の物語だ。
まず、あながちぶっ飛んでる設定が無くは無いな…と思わせ、馬鹿ディストピアの世界観の構築が意外としっかりしているのが良いなと!
馬鹿っぽい建物や車のデザイン、ゴミが溜まりに溜まった不衛生で壊滅的な街、着てる服はよく分からんロゴが散りばめられたテロテロした質感のダサい服。どれを取っても全体的に馬鹿っぽい。そこにちゃんとお金が掛けられてる。
考える事をやめてしまった人間は、のぺーっとしたしゃべり方で知能はほぼ皆無。その廃人のような姿はさながら害のないゾンビのよう。
こんな世界に時を経て目覚めたら頭狂って自殺したくなるレベル。ある種ホラーですね!ちゃんと目眩がして具合が悪くなる世界観を観れるってだけでも凄く貴重ですね。
評価:★★★ 普通に楽しめました。
これ程「本を読め!」「勉強しろ!」という何度聞いたか分からない謳い文句が説得力を持って身に染みる事はないね。ちゃんと下ネタ込みの圧倒的な馬鹿馬鹿しさが笑えます。
ミッドナイト・ミート・トレイン
あらすじ:ニューヨークで暮らす写真家の青年レオンは、ある晩ギャングに襲われていた女性を助けるが、翌日その女性が行方不明になったことを知る。女性との別れ際に地下鉄で撮った写真に不審な男が写っていることに気づいたレオンは、たったひとり調査に乗り出すが……。(映画.com)
製作国:アメリカ 上映時間:85分 製作年:2006年
監督:北村龍平
キャスト:ブラッドリー・クーパー / レスリー・ビブ / ビニー・ジョーンズ / ブルック・シールズ 等
あれれ、ダサくないじゃん!!!
【VERSUS】や【ルパン三世】などカッコつけてるのにダサい作品を取らせたらダントツな印象のある北村龍平監督作のハリウッド・ホラー!しかも主演はブラッドリー・クーパーという謎の豪華さ。
まだ【ハングオーバー】シリーズに出る前でギャラも安かったんだろうか? その当時のブラッドリー・クーパーの俳優としての立ち位置と、主人公レオンの写真家としてまだ花咲いてない立場と何気リンクしているもの良いな。
事前に、地下鉄の車内に解体された牛みたいに人が何体も釣り下げらてるシーンだけ写真で見た事あって「これは新鮮だな!?」と無性に惹かれてAmazonプライムで見つけやっとこさ鑑賞。
1つ言えるのは監督の売り?である『ダサさ』はあまり見られなかった。ブラッドリー・クーパー力・外国の雰囲気・ハリウッド力のおかげで、割りと普通の映画としての見え方にはなってる。
ただ残念なのは全体的に話のテンポが少しタルいのと、地下鉄の車内で連続殺人が起きるという『設定の無理さ』が相まってなかなか気持ち良く観れない。
実は、その無理めで不透明な設定に『意外な真相』が隠されてるんだけど、その真相がラストのラストにならないと語られないので、結局観てる間はモヤモヤを抱える羽目に... そこが上手くないな〜。明かされる真相自体はありがちなんだけど、好きなの部類の真相なだけに勿体なかった。
ただ、ブラッドリー・クーパー演じるレオンが事件に写真家として引き込まれるキッカケとハマって行ってしまう流れや、肝心のグロ描写(スローで見せるモロCGの血飛沫以外)はそれなりに良かった!中でも釣り下げられた人間の壁空間でのバトルシーンには少しアガりました。結局ホラー映画とは言えアクションは見せたい人なんだな〜とも思ったけど。
評価:★★★ 普通に楽しめました。
ギリ3点なんだけど、主演がブラドリー・クーパーってのでまず驚いたし、グロいエンタメ作としては思ってたよりかは楽しめたので、それなりに満足。あの【ルパン三世】よりは断然面白いよ!
女が眠る時
あらすじ:作家の健二(西島秀俊)は妻の綾(小山田サユリ)を伴い、リゾートホテルで1週間の休暇を取ることに。処女作がヒットしたもののその後スランプに悩まされ、作家の道を断念して就職を決めた彼は妻との仲もぎくしゃくしていた。到着した日、彼はプールサイドにいた初老の男性(ビートたけし)と若く麗しい美樹(忽那汐里)のカップルに惹かれる。(シネマトゥデイ)
製作国:日本 上映時間:103分 製作年:2016年
監督:ウェイン・ワン 原作:ハビエル・マリアス
キャスト:ビートたけし / 西島秀俊 / 忽那汐里 / 小山田サユリ / リリー・フランキー / 新井浩文 / 渡辺真起子 等
自ら足を突っ込みたくなる難解さ
リゾート地で気になる歳の差カップルを見かけた小説家の健二が、そのカップルに興味を抱き観察しているうちにずぶずぶと引き込まれるミステリードラマ。
本作、西島秀俊演じる小説家の健二が体験してる『現実』の他に『夢』と『健二の書く小説?』の『不確かな2つの要素』を上手く絡め、観客を混乱させ、観るたびにまた違って観えるようにわざと余白を持たせる唐突な展開や敢えて難解さ忍ばせている。それりより、ふと思い返したりする味わい深さのある作品でした。
観てる間は「何!? 何!? 何!?」と思考をグラグラと揺さぶられる。ビートたけし&忽那汐里カップルが気になって追いかける西島秀俊を、さらに観客が気になって追いかけるような3層の構図になるのが作品として面白い。
普段意味分からん映画はあまり好まないんだけど、これは自ら足を突っ込みたくなる難解さ。物語のキッカケが『好奇心』から始まるからかな?
小説のページをペラペラとめくり、さわりだけ読むような断片的な唐突さを映像として味わえるのも新鮮で、この難解さがホラー的でもある。黒沢清監督作に通じる不可解な怖さに似ている。
他にもリフレッシュする為のリゾート地がどこか閉鎖的な空間に思えたり、ビートたけしと忽那汐里のカップルが見た目からして現実味なく、むしろ神秘染みていたり。
主演の西島秀俊は【クリーピー 偽りの隣人】にも通じる『ちゃんとした人そうでコイツが一番狂っているかも…』と思わせる演技や、振り回されっぷり&没入感が上手いですね。
あと意外にも健二の妻の綾を演じた小山田サユリがイイ!旦那を想う姿とヘタしたら他の男に抱かれてる?的な危うさを兼ね備えていて、変に嫉妬した健二が綾を想いっきり抱くシーンで西島秀俊に思わず嫉妬してしまった。ズルい!この女優さん初めて知りました。
評価:★★★ 普通に楽しめました。
評価は3点ですが、好き度で言えば4点くらいの変な魅力をまとった作品ですね。監督が香港の人だったりもあるのかな?独特でしたね。ラストのビートたけし意味深な笑みが怖い。
小山田サユリ
ぼくとアールと彼女のさよなら
あらすじ:冴えない男子高校生グレッグは他人と深く関わることを避け、幼なじみのアールと共に名作映画のパロディをつくる毎日を送っていた。そんなある日、グレッグは母親から同級生のレイチェルが白血病になったことを聞かされ、彼女の話し相手になるよう命じられる。仕方なくレイチェルのもとを訪れるようになったグレッグは、いつしかレイチェルとの間に友情を育んでいく。そして病状が悪化していく彼女を励ますため、アールとオリジナル映画の制作に乗り出すが……。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:105分 製作年:2015年
監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
キャスト:トーマス・マングレッグ / オリビア・クックレイチェル / RJ・サイラーアール / ニック・オファーマン / ジョン・バーンサル / コニー・ブリットン 等
ひねくれてるから?泣けなかった
2015年サンダンス映画祭でグランプリと観客賞をダブル受賞し、Filmarksなどの評価もすこぶる高い、ひねくれて素直になれない年頃の高校生グレッグと同級生で難病の女の子レイチェルのもどかしくも暖かい青春ドラマ。
難病ものなのに意外にも程よい距離感を保つ淡白でどこか冷めてるグレッグ、どちらかと言うとレイチェルとのたわいもない交流と、友人アールや当たり障りないように生きてきた学校生活での変化を通し成長していく物語だ。
その淡々と着実に流れていく日々に、敢えてあまり映画的な抑揚をつけなように意識してるんだろうけど、それが心地良い方向ってよりかは退屈な方に転んでるように感じた。敢えてのゆる〜く流れる日々のテンポ感が、敢えてじゃなくそのまま観ててゆるいと言うか。
アールと2人で趣味という言葉を越えるほど熱中する自作の映画作りなんかは、監督のパーソナルな映画愛が伝わって来るし、ところどころに出てくる動物のモチーフや『枕』などの小物使いも上手い。
ただ、グレッグのナレーションベースが作中多く絡み、執拗に『感動のハードル』を下げようとする予防線が少しノイズに感じた。グレッグの観客への投げかけ=監督の意思でもあって、その投げかけがラストの展開を逆に弱めちゃったなと思う。軽く裏切られたのもあるし、結局その辺に着地するんだ〜と肩透かしを食らった感覚に。
その後の本の中身(作品)のくだりも、もう少し事前に匂わすような伏線を張って置くとか、1つ1つの作品の内容がもっとグッと来るモノだと良かったのにな!ってのは贅沢か。なので最近もっぱら涙脆くなった自分が泣くまでには至らなかった。
評価:★★★ 普通に楽しめました。
グレッグと同様自分もひねくれてるから泣けなかったのかな?作りとして似たような『そんなことないよ〜って見せ方からのラストにかっさらう映画』でいうと、最近観た北野武監督作【あの夏、いちばん静かな海。】の方が強烈でしたね!この感想はまだいつか書きます。
カクタス・ジャック
あらすじ:街の権力者で、恋人の父親でもあるカボスの元を訪れたジャック。ところが彼の目の前で、カボスが気絶してしまう。ジャックは慌てて助けを呼びにいくが、その間にカボスに恨みを持つ清掃係のチーノが現われ、カボスのスーツや時計を奪って逃走。一方、チーノの息子ボッチャはカボスの誘拐を企んでおり……。(映画.com)
製作国:メキシコ 上映時間:103分 製作年:2004年
監督:アレファンドロ・ロサーノ
キャスト:トニー・ダルトン / クリストフ / ペドロ・アルメンダリス / アナ・クラウディア・タランコン / グスタボ・サンチェス・パラ 等
ガイ・リッチー好きには刺さる!!!
気になっていたのに気付けばTSUTAYAの棚から姿を消して10年弱?たまたま中古で見かけ思わずDVDを買ってしまった【カクタス・ジャック】。タイトルの響きが好きですね。
モロにガイ・リッチーの【ロックストック】や【スナッチ】などのドタバタ劇に影響を受けていて、そこに『行き過ぎた勘違い』を売りにしたアンジャッシュのコントを足したようなメキシコ産クライム・ドタバタ映画。
結論から言うと面白かった!
観始めは、なんか安っぽいし、あまり重要じゃないキャラの生い立ちまで見せる脱線具合と脱線頻度がウザいなとか、群像劇のわりには登場人物があまりキャラ立ってないなぁとか、ちょっと不満気味な目で観てたんだけど、話が進むにつれ馴染んで来たのか独特な味が出ててきて、物語もドライブして行った。
それぞれ車のトランクに詰められた男2人と、2グループの思惑と勘違いとが思わぬタイミングにより交差しドタバタして行く。
しかも臆面もなくガイ・リッチー風味なだけあって、絶妙というかむしろ根性というべきか、ちゃんと練られた話の噛み合わせが意外にもよく出来てて心地がいい。舐めててゴメン!
元プロレスラーのルベンが意外にもイイ奴過ぎて好き。生意気なガキを生かしていて理由や、うるせぇオウムの使い方、カーチェイスの時のカメラワークとかも凝ってたし、その後の派手なカークラッシュもGOOD!
細かい気になる点や胸糞悪さを含む話を吹き飛ばすような、エネルギッシュ且つ荒削りな良作でした。
評価:★★★★ 結構良かったぜ!
単にこの手のドタバタ劇が好きだってにもあるけど。画のトーンとかいなたいメキシコのテイストが一周して新鮮でしたね。あとジャックの彼女が可愛い!上の写真でドアに耳を当ててる子です。
サマータイムマシン・ブルース
あらすじ:夏休み中のとある大学。“SF研究会”の5人の男子学生はSFの研究などせずもっぱら野球で遊ぶ毎日。そんな彼らをカメラに収める写真部の女性部員・伊藤。もう一人の女性部員・柴田も、SF研の部室の奥にある暗室で来月のグループ展に向け作業に余念がない。やがて男子部員たちが部室に戻ってきて大騒ぎする中、大切なクーラーのリモコンが壊れてしまう。翌日、うだるような暑さに閉口する部員たちが部室に戻ってみると、そこに見慣れぬ金属製の物体が。もしかしてタイムマシン? 彼らはためしに、壊れる前のリモコンを取りに昨日へ戻ってみることにするのだったが…。(allcinema)
製作国:日本 上映時間:107分 製作年:2005年
監督:本広克行 原作・脚本:上田誠
キャスト:瑛太 / 上野樹里 / 与座嘉秋 / 川岡大次郎 / ムロツヨシ / 永野宗典 / 本多力 / 真木よう子 / 升毅 / 三上市朗 / 楠見薫 / 川下大洋 / 佐々木蔵之介 等
コメディなのに一切笑えない!?
前に『おすすめ夏映画』の記事を書いた時に、ブックマークのコメント内で一番多く名前の挙がった『夏映画』として評判のすこぶる良い『タイムスリップ』を扱った【サマータイムマシン・ブルース】。監督は【踊る大走査線】シリーズの本広克行監督。
感想は、残念ながらそこまで面白さにテンションが上がる事は無かったです… きっと肌に合わなかっただけだと思います。
まず会話やセリフによる笑いがホント1つも面白くない。当時の役者の技量なのか?監督が演出する若者のノリのセンスの無さなのか? このノリが単に色褪せたのか?分からないけど、とにかく笑えなかった。
漫才的なボケ・ツッコミをメインとする品川ヒロシ監督作のコメディセンスとも違うんだけど親戚くらいの近さで、高校生のしょーもなさをリアルに再現出来てたと言えばそうなのかも知れないけど。セリフを言った後の『今面白い事言いました』的な効果音の多用も寒いし、笑えなかったのはコメディ映画としてはかなり致命的だなと思いました。
それに合わせて、タイムスリップによる『実はこの時こんなことが起こってました』ってやり取りを、作品の前半で伏線を張って、後半はその答え合わせのように伏線を回収する作りになっているんだけど。その伏線の張り方があまり上手くない。
後に明かされる『答え合わせ的な映像』の単に重要な部分だけ見せないぶつ切り編集で、ノイズを散りばめながら前半は話が進み、真相を明かす答え合わせの後半は、過剰に説明的過ぎて「ここまで分かりやすく見せないと観客は分からないんだよ」と小馬鹿にされてるような丁寧さがある。
それって伏線の張り方の下手さを、観客の理解力の心配に置き換えてるようであんまり観ててイイ気分がしないし、伏線を回収したドヤな感じも暑苦しい。
本作で扱われるタイムスリップのルールもイマイチ納得しづらかったり、そもそもタイムスリップという存在しないものに「破綻してる!」なんてのも言いにくく、その辺はあくまでもザックリでした。
というか中盤、あそこにタイムマシンがあるのはどう見てもおかしいだろ!?とは思ってモヤモヤはしたけど、強引なこじ付けや連続した伏線の回収なんかは頑張ってるなと思いました。
評価:★★★ 普通に楽しめました。
役者が瑛太/上野樹里/ムロツヨシ/真木よう子/佐々木蔵之介とそれなりに豪華なのでなんとか見れてしまうけど。期待からの落差もあってこんな点数です。上野樹里は可愛い!
ジリジリ&モワッとした蒸し暑さが画面から伝わって来る『THE夏映画』ではありました。でも、あのだだっ広い校庭に面する校舎と部室、結構風が抜けそうで涼しそうに見えるのは僕だけ? 風も熱風なら涼しくないか。
この中でのオススメ/好き順はこちら!
- カクタス・ジャック
- 女が眠る時
- 26世紀青年
- ぼくとアールと彼女のさよなら
- ミッドナイト・ミート・トレイン
- サマータイムマシン・ブルース
1位は拾い物感のあった【カクタス・ジャック】、2位はもう2回くらい繰り返し観て色々考えを巡らせたい【女が眠る時】。3位はちゃんと笑えるコメディとしてくだらなく面白かった【26世紀青年】。
4位は終始スローなテンポがちょっと退屈で、5位の【ミッドナイト・ミート・トレイン】は出来としてはイマイチだけど、グロのセンスはそれなりに良いし、電車内に人がぶら下げられているフレッシュな描写にグッと来たので。残った【サマータイムマシン・ブルース】は【ミッドナイト・ミート・トレイン】よりも出来としては良いけど、全編に渡って笑えなかったのが結構観てて苦痛でした。