どうも、アバウト男です!
今回は映画の感想では無いんだけどドラマの感想を。無料体験から気付いたらそのままAmazonプライムの年会費を払ってしまってたので、どうせなら何か観ようかな〜と思い山下敦弘監督作の【苦役列車】の流れで、山下監督が監督兼出演してて、存在は知ってたものの観逃したドラマ【山田孝之の東京都北区赤羽】を観みたんだけど、これが
一気観する程面白かった!
なので、できれば興味を持ってもらえるような感想を書こうかなと思う。
目次
- 作品のあらすじと概要
- 俳優:山田孝之のフェイクドキュメンタリー
- 普段(風)の山田孝之を堪能できる
- 魅力的な赤羽の住人&豪華カメオ出演
- 画期的な作品スタイル
- 山田孝之の遅れてきた青春の物語!?
- 個人的に好きなシーンとこの作品が合う人
作品のあらすじと概要
2014年の夏、ある映画の撮影中に、役と自分を切り離すことが出来なくなり苦悩していた山田孝之は、赤羽に実在する個性的な人たちを面白おかしく描いた漫画『ウヒョッ!東京都北区赤羽』に出会い、感銘を受ける。
「ここに行けば、見失った本来の自分を取り戻せる」と直感した山田は、信頼を寄せる映画監督・山下敦弘を自宅に呼び出し、赤羽に向かうことを告げる。そして、赤羽での自分の姿を撮影してほしいと依頼。
各所への挨拶も済ませ、さっそく赤羽に降り立った山田は、漫画『ウヒョッ!東京都北区赤羽』の作者であり主人公の清野とおると会う約束をとりつける。(公式HP)
監督:松江哲明 / 山下敦弘 出演:山田孝之 / 山下敦弘 / 清野とおる 等
時間:30分 × 12話 ってことは6時間で全て観れる!
俳優:山田孝之のフェイクドキュメンタリー
本作をザックリ説明するなら、俳優:山田孝之が『赤羽』に住んで自分探しをする、という『てい』フェイク・ドキュメンタリードラマだ。と言っても作り込まれている作為的な匂いは全然しなくて、わりとナチュラルでユルい時間と共有するような、アットホーム感溢れる笑える作風が魅力的だった。
言ってしまえば、
山田孝之による赤羽の街ブラ番組
的感覚に近いと思う。山田が感銘を受けた漫画 『ウヒョッ!東京都北区赤羽』(実際にある漫画)の作者:清野とおるに会い、彼に漫画に描いた思い出の場所やアクの強い登場人物を紹介してもらい、赤羽の住人と親交を深め、次第に街に馴染み・魅せられ、自分を再確認する様子をドキュメタリックに見守る… そういうノリの作品だ。
↑ 山田孝之と赤羽の案内人・漫画家の清野とおる、第一話からすでにシュール。。
4〜5回観るとそのユルい空気感然り、スチャダラパーの書き下ろしたオープンニング曲『中庸平凡パンチ』から、ラストの哀愁のある特別なエンディング曲までの流れが心地よくなり、自然とハマっている。この辺のセンスからしてイイです!
普段(風)の山田孝之を堪能できる
何と言ってもこのシリーズの魅力の1つは、普段の素っぽい山田孝之を堪能できる事だ。
役者として様々な作品に出演しているものの、バラエティでも見かけることの無い、Tシャツ短パン・サンダルにサングラス姿の『山田孝之の普段』が存分に収められている。
役を演じてる時とは対照的に、山田孝之の普段の喋り方って、早口で辿々しく妙に丁寧で目線がウロウロして「なんか、おれ等と同じ人間じゃん」と思わず親近感と好感を持ってしまう。伝えるのでいっぱいいっぱいというか、一生懸命というか。
山田孝之とそれを追う山下監督の掛け合い&バディ感も面白く微笑ましい。
↑ 左のひげぼーぼーの人が映画監督の山下敦弘、監督の誠実な人柄も魅力!
急に赤羽に取り憑かれた正気じゃない山田孝之と、冷静に一歩引いて撮る山下監督のバランスの面白さ、この2人でボケとツッコミが成立している点も上手いなと。
魅力的な赤羽の住人&豪華カメオ出演
漫画家の清野とおるを始め、パンチのある赤羽の住人が色々と出てくる。居酒屋『ちから』のマスターとその妻に悦子さん、タイ料理居酒屋『ワニダ』の店主で毒舌のワニダさん、そして『ちから』の常連で謎多きご意見番的なジョージさん等、基本漫画に出てくるキャラ本人が登場し山田孝之と交流を深めていく。
それと中盤から登場する豪華なカメオ出演も見所だ!山田孝之の美人の実姉2人に、アーティストの吉井和哉、【バクマン。】で一緒になった大根仁監督、【クローズ】や【闇金ウシジマくん】で共演しているやべきょうすけ、それに親友の綾野剛など。そのメンツと山田孝之との絡みもなかなか他じゃ観れないし、特に山田が孝之が越して来た赤羽の簡素な部屋で、胡座をかいて綾野剛と語らう場面が好きですね。
画期的な作品スタイル
このドラマシリーズを画期的だな〜!と思ったのは、さっきも言った『山田孝之による赤羽の街ブラ』の要素と共に
漫画の半実写化!
を兼ねた作りになっているところだ。
読んだことは無いんだけど、ドラマで紹介される漫画『ウヒョッ!東京都北区赤羽』を観る限り、恐らくそのまま実写化しても、そこまでの需要が見込めそうも無い作品な気がする。
そんな作品をモチーフにして、有名俳優を主役にドキュメンタリーの体を取り、実際漫画に出て来る場所や登場人物の元に訪れるスタイルは、元々の原作ファンからしたらかなりアガるし嬉しいだろうなと!
そして、漫画を知らなかった人にも原作を読んでみたいと思わせるし、もっと言えば『赤羽』という街に足を運びたいと思わせる魅力も十分に持っている。言わずもがな彼の歌声含め俳優山田孝之がもっと好きになること間違いなし!
漫画がそのまま実写化されまくっている昨今、この『間接的な実写化=半実写化』はスタイル的に新しいなと思った!
↑ 山田孝之が赤羽の街で女性をナンパする第4話
しかもこのシリーズ、山田孝之が山田孝之をどこまで演じて、どこまで素なのか?果たして本当に赤羽の住民は実在する一般人なのか?この住人の歪な魅力は俳優なんじゃないか?と疑念も常にチラ付いて、は森達也監督がゴーストライター騒動で世間を騒がせた佐村河内守を撮ったドキュメンタリー【FAKE】を思い出した。
通じるものがありましたね!本作は【FAKE】の笑えるシーンがもっと数多く入っているような作品で【FAKE】にツボった人は特にハマると思います。
これは山田孝之版【FAKE】だ!
山田孝之の遅れてきた青春の物語!?
山下監督作【苦役列車】にも通じるけど、このドラマは『山田孝之の遅れて来た青春』の物語でもあるのかなと。
モキュメンタリーだとしても『俳優としての自分のブレない軸を探す』って地続きなことでもあって、15歳でデビューし芸能界にどっぷり浸かった俳優山田孝之が羽を休め、赤羽の街で一般人と触れあい・飲んで・笑って・知って・悩んで・学んで・叱られて・泣きそうになって・落ち込んで・考えさせられて・自分から行動を起こして、1つの答えを導き出した『2014年の夏』は、ドラマとは言え彼にとっては貴重な体験で実際大きな『糧』になってるんじゃないかな?
興味深いのは、この作品の後に出演した作品が映画【信長行進曲】【テラフォーマーズ】【闇金ウシジマくん Part3&the Final】っていまいちパッとしない漫画の実写化ばかり。
でも【信長行進曲】と【闇金ウシジマくん】はドラマの延長上だから仕方なく出てるだろうし、【テラフォーマーズ】は【13人の刺客】でお世話になった三池監督作で親友の小栗旬が出るのもあって断れなかっただろう。
だから今後の出演作【桐島、部活やめるってよ】の作者:朝井リョウの原作小説を【愛の渦】の三浦大輔が実写化した10月公開の【何者】が本命ですね。これは作品の内容的にも楽しみな作品!
個人的に好きなシーンとこの作品が合う人
好きなシーンは色々とあるんだけどサクッと3つだけ挙げると。
- 山田が赤羽の思い出の地を紹介してもらっている道中。漫画家清野とおるが感謝の印に、いつも身につけているお守りを山田に渡したいと申し出て、山田もそんな大事なモノはもらえないと、ウダウダやり取りをしている場所がタイミング悪くラブホの前。
- 山田孝之が屋上で真剣に語るシーンで、彼の着ている【スター・ウォーズ】のパロディTシャツのR2-D2がほぼTENGA的な姿をしている。
- 山田孝之がお返しにあげたポスターが清野とおる宅の壁に貼ってあるんだけど、見るとガムテープで雑に貼られてて、一瞬そのガムテープのアップになるシーン。
などなど、とにかくクスッと笑えるシーン満載で気分転換できたり癒される。
きっと、さっき言った森達也監督の【FAKE】や、山下監督作の【もらとりあむタマ子】や【苦役列車】、山田孝之が真面目なトーンで笑わす【勇者ヨシヒコ】シリーズ、街ブラの【モヤモヤさまぁ〜ず2】など、空気感で笑わしたり日常系のマッタリな作品が好きな人には合うと思います!
Amazonプライムビデオの他にNetflixやTSUTAYAとかあるのかな?観るのであれば夏の話なのでまだ寒くなる前のこの時期に是非。連休に最適なドラマシリーズ!
オススメです!

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