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アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!

【映画感想】SCOOP! / ゲスい福山雅治!エキサイティングなお仕事ドラマであり、良質な『師弟』映画!!!

邦画 【サ行】 2016:劇場鑑賞 邦画 評価:★★★★

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あらすじ:写真週刊誌「SCOOP!」に所属し、数々のスクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静(福山雅治)。しかし、今ではギャンブルに溺れている上に借金に追われつつ、フリーランスのパパラッチとして生活していた。そんな中、「SCOOP!」に配属されてきた新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とタッグを組むことに。情報屋のチャラ源(リリー・フランキー)からのネタと場数を踏んできて培ったベテランならではの勘を武器に次々とスクープをものにする静たちだったが、やがて大きな事件に関わることになり……(シネマトゥデイ)

 

製作国:日本 上映時間:120分 製作年:2016年

監督・脚本:大根仁 原作映画:原田眞人監督・脚本で1985年に公開された『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』

キャスト: 福山雅治 / 二階堂ふみ / 吉田羊 / 滝藤賢一 / リリー・フランキー / 斎藤工 / 塚本晋也 / 中村育二 / 山地まり / 澤口奨弥 / 石川恋 / 阿部亮平 / 護あさな / 鈴之助 / 宮嶋茂樹 / 久保田悠来 / 寿るい郎 等

 

福山が魅せるエキサイティングなお仕事エンタメドラマ!

どうも、アバウト男です!

ファーストデイを利用して、【ガリレオ】シリーズや【そして父になる】の『ましゃ』こと福山雅治主演、【モテキ】【恋に渦】【バクマン。】などの良作を立て続けに撮ってる、大根仁監督の新作【SCOOP!】を観て来ました。試写での評価も高く、初日&ファーストデイってこともあり満席でしたね。

ネタバレってほど核心には触れませんが、内容にはそれなりに踏み込んでいるので、何ひとつ知りたいって人は、とりあえずブックマークだけしてもらって劇場でGOしてください!

 

感想は、

素直に面白かった!ましゃナイスアクトー!!!

人間としては最低だけど腕だけはあるフリーの中年パパラッチの都上静(福山)と、上司の命令で静と組まされる事になるパパラッチを毛嫌いする素人記者の行川野火(二階堂)、2人のエキサイティングなバディムービー。

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長年『芸能人の尻』ばっか追っかけているベテランのカメラマンが、何も知らない素人とバディを組み、嫌々ながらも仕事を共にしながら育て上げる『師弟もの』のジャンルに、困難なスクープ写真をどう撮るか?!一種の『ケイパーもの』的なノリをプラスして、その関係が男と女であれば…

もう!そりゃ面白いでしょーよ!

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ここ1年くらい『週刊文春』が上げたスキャンダルも立て続けに話題になって、世間的な注目度と関心がまだ覚めやらぬ中、

題材のチョイスと大根監督の得意とするエロと笑いが上手く合わさった、お仕事エンタメドラマが良い形として出来上がったなという印象。 

観客も、静と野火と共に芸能人を張るようなスリルと緊張感、スキャンダルな場面を垣間見る良い意味での背徳感、『フライデー』などでよく見る芸能人・有名人の密会やスキャンダルの『あるある写真』をテンポ良く出して展開されるスピード感など、本作の漫画的でポップな作風にマッチしていて良かった。

なかなかの下ネタ全開!な作品ではあるので、その辺りが苦手な人じゃ無ければ、ある程度安心して楽しめる快作だと思います。

 

福山雅治のゲスい振り切りっぷり!

汚れた主役の静を演じたのは無精髭を生やした福山雅治。演じてるのをいい事に、檻の外に放たれた虎のみたく、持ち前のスケべポテンシャルと下ネタワードを撒き散らし、それでいて長年趣味のカメラが役としてここで活きてくるかと。

カーセックスから始まり『処女うんちく』『早朝ソープ』『デカイいちもつ』『乳首攻め』など、公の場で声を大にして下ネタを連発するデリカシーのない中年でいながらも、やる時はやる現場叩き上げの実力派カメラマンを、ラストまで見事に演じ切った。

ちょっとステレオタイプではあるけど、大根さんの狙ったキャスティングが上手くハマっていた。吹石一恵との結婚も大きいのかな?振り切りっぷりが良かった。

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二階堂ふみとのバディ感も意外と違和感なくて、ナチュラルな相性の良さを感じるし、そこに売れっ子の吉田羊と滝藤賢一2人も華を添える。大人気リリー・フランキーもいつもとはちょっと違う『重要な役』で、演技の振り幅を魅せてくれました。

 

大根さんの遊び心やこだわり

大枠のストーリーの中に、大根さんの遊び心やこだわりがちょこちょこと見られた。

冒頭、福山雅治の所属事務所アミューズのロゴが出ると同時に打ち上がる花火。そこに「イク〜!イク〜!」と女の喘ぎ声を乗せる形で映画の幕が上がる始まりに、中盤、もう一度花火を上げるシーンで、静の撮影テンションが絶頂迎える『花火とエクスタシーの関係』を謎に被せたり、同じく『やる/ヤる』のやり取りなんかも被せて来る辺り、ニヤりとする大根さんの顔が浮かんで来る。

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あとは、ベテランの静を取り巻く、業界での人間関係や思い出話・逸話などを隙間隙間に入れる事で、ポンと映画内に入れられた観客をより短時間で作品内に引き込ませ、同じ時間を共有させるのに一役買ってたなと。キアヌ主演の【ジョン・ウィック】とかもそんな感じだよね。

同様に『処女かどうかの賭け』の件も登場人物と観客が共有する話題にもなっていて、『おじさんはすぐ野球に例えたがる』などのこういう細かいジャブのような積み重ねが、気持ちを作ってくれて、終盤グッと来る展開へと繋がっていく。

他には、撮影で野火が静に肩を貸すくだりは『逆マッドマックス』オマージュかな?とか思ったり、「中出しがダメなら外出しか〜」と下ネタを作戦の隠語として使う辺りも好き。 

 

詰めの甘さもチラホラ

そういう上手い部分もありながら、些細な詰めの甘さもある。

例えば、カバンにカメラを仕込んでリモコンでシャッターを切る場面、そのリモコンを人から見える位置に持って来て押すのはリアルじゃない!

映画的に「今リモコンで撮ってます」って描写を見せたいんだろうけど不自然。車のリモコンキーじゃ無いんだから。仕事柄撮影であのリモコンを使ってる所を見たことあるけど、あんなに出さなくても反応するし、バレないように撮りたいならテーブルの下に持って行った手の中に忍ばせて押さないとリモコンの意味がない。

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それと中盤、裏手に回って事件の容疑者を撮ろうと身を潜めてるシーンで、静と野火の喋り声が異常に大きいのと、静があの行動に出るなら、その前に撮ったデータが入ったメモリーカードは野火に預けておく方がプロっぽい。

とは言え、冒頭の事件レベルのカーチェイスシーンやラグビー作戦なんかは、いかにも漫画的なので、そのテンションからしたらアリなのかもね。

 

最終的には『師匠と弟子もの』ジャンルを貫く!

この作品の売りは『2つある物語の山場』。1つ目だけでもそれなりに満足しそうなんだけど、ここが今回の大根さんは一味違う!

▼映画を観た人向け/クリックで表示

個人的にクリーン過ぎた【バクマン。】にそこまで乗れなかった分、今回は嬉しいサプライズでした。終盤、ポップな方向からグッと色を変え、忘れていた『師弟もの』が再び顔を出す。

その前にちゃんと前フリ(伏線)を張っていて、シャッター音と共に『撮る/撮られる』の関係が入れ替わるドキッとするシーンを入れていて。そのシーンからフェーズが変わって役割(主人公)のバトンが引き継がれる = 受け継がれる。

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クライマックス、体育会系なノリで現場主義の静が、文字通り身体を張って教えるあの場面。あの一瞬も逃せない刹那、今まで積み重ねた成果を見せる野火。その野火の成果を静は見たのか?見れなかったのか?

いや、自分が車の中で待つように言ったのにも関わらず、野火があの場にいてカメラを構えてるって事は、一人前になったって事だろ!?

思わず胸が熱くなった!静は電話の様子にベテランの勘から「戦場並みの異常事態」だと1人悟り、世話になったチャラ源と色々無茶してきた自分のこれまでのツケを清算するように… 昔のように熱くさせてくれたルーキーに身を持って託す。

なんだよそれ、かっこ良過ぎじゃんかよ!

映画を観てると、なんか面白そうに見えてしまうパパラッチという仕事の、リスクと覚悟を必要とする側面を野火と一緒に突きつけられる瞬間でもあった。

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ラスト、カメラがグーッと引き都会の夜の街を写し、今宵もドブネズミやゴキブリ以下のパパラッチが街を駆け巡るんだな思わせるラストも終わり方として綺麗でした。

 

本作の『師匠と弟子もの』の関係って最初は【バケモノの子】みたいだなと思ってたけど、というよりも【レオン】でしたね!確かに遠くからカメラを構える姿が、銃を構える殺し屋的でもある。

一見ライトで下ネタ満載でくだらなく見えるんだけど、大根さん的に『面白い』 『映画的にグッと来る』セオリーやポイントが入れ込まれ、自身のポテンシャルを自ら引き上げ、それでいて観客を楽しますサービス精神モリモリな作品でした。

 

まとめ 

良かった点 

  • 監督の得意とする作風と題材とがマッチし、サービス精神ある2つの山場
  • 福山を筆頭にキャストそれぞれの好演
  • 短い時間で作品内に入り込める演出や、大根さんの遊び心
  • 『師弟もの』作品として良質

悪かった点

  • 気になる詰めの甘さもチラホラ

評価:★★★★  結構良かったぜ!

今回大根さんの泥臭い面を見れたので良かったです!まだまだ邦画波が熱いな〜【バクマン。】より全然好きです。今度は大根さんが描くガッツリな恋愛モノが観たいな。

[ 予告編 ] 

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ちなみに静がメインで使ってたカメラはキャノンの『EOS 1D X』ですかね。ラストカットはカメラのCMみたいで、宣伝も兼ねてたのかな?この作品、カメラとか写真好きの人はまた違った面白みがあるのかも「あのレンズ使ってるんだ〜!」みたいな。

 

関連&オススメ作品!

ナイトクローラー

ゴキブリのように夜の街を駆け巡り、スリルと緊張感・それによる中毒性を『最悪』のまま徹底的に描いた作品。

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LIFE!

写真や雑誌のモチーフと、がむしゃらになる!って面ではこの作品にも通じるのかなと。

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レオン

まさしく【レオン】的なシーンもいくつか見れて、殺し屋だと現実味ないから、週刊誌のパパラッチって職業を用いいて『日本版レオン』をやってのけたなと。

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新・のぞき屋 ※漫画

『殺し屋1』の山本英夫の漫画。エロスと張り込んでその人のプライベートを覗くってスリルと背徳感に、この漫画を思い出したり。本作が好きな人はハマるんじゃないかな。

ちなみにリリー・フランキー演じるジャンキーな情報屋のチャラ源は『殺し屋1』に出て来る井上にどことなく似ている。多分大根さんは山本英夫の漫画好きだろうな。

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