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アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!基本大したことは書いてない。

湯を沸かすほどの熱い愛【映画感想・評価】泣かないのは無理!母親の激烈な愛の物語!ネタバレなし

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あらすじ:1年前、あるじの一浩(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。(シネマトゥデイ)

 

製作国:日本 上映時間:125分 製作年:2016年

監督・脚本:中野量太

キャスト:宮沢りえ / 杉咲花 / 伊東蒼 / 篠原ゆき子 / 駿河太郎 / 遥 / 松原菜野花 / 江藤修平 / 三浦景虎 / リリィ / 松坂桃李 / オダギリジョー 等 

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邦画屈指の予測できない感動作!

【紙の月】の大人エロスが印象深かった宮沢りえ主演の【湯を沸かすほどの熱い愛】。監督もあまり知らないし、特別注目もしてなかったんだけど、早い段階から高評価・絶賛の声が聞こえて来たので「これは!」と思って観て来ました。

いくつかの真相や結末が秀逸な話なので、なるだけネタバレを避けた感想は、

 

泣く泣く泣くの連続!号泣です!

自分が流す涙の量に驚くぐらい、終始涙腺をコントロールされてたかのように泣きまくってました。感動で首筋まで涙がつーっとつたうのは初めての映画体験。

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それほど、話の内容に話運び・それに見合う適材適所なキャスティング・ちょっとむず痒くなる臭めのセリフや演出・伏線・意外な真相・そしてラストの締め方など、
本作で商業監督デビューを果たした中野量太監督のセンスと感性が全体に渡って、グツグツと沸き立つ熱い熱い作品でした!

感動するヒューマンドラマなのに、なんか尖っている!中野監督、只者じゃない!

 

母親の熱い愛と終活

余命宣告され娘を残して旅立たなければならない母親が、死ぬまでやらなきゃならないこと・娘のために出来ること・これまでの清算含め、ほのぼのとした日常描写を交えながら『終活』を軸に物語が紡ぎ出されていく。
『死』という終着点だけは見えているのに、そこに行くまでの道筋が見えない予測不可能なライド性。

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時に厳しく接し、追い込む双葉の行動には、ちゃんとその人の事を想う愛があって、決して器用なやり方じゃないかもしれないけど、愛が人の心と身体を動かし、周りに伝播し、人と人とを繋げて行く。
繋がりや笑顔が増えて行く一方、彼女の表に出さない過酷さや覚悟・辛さも一緒に伝わって来て、確実に命を擦り減らして、人や残りの時間に向き合う姿がまた胸を打つ。

そんな彼女が溜め込んで心の底に閉まっていた思いを口に出してしまうシーンには本当に哀しく突き刺さった!

 

実力派女優:杉咲花の輝き!

身体の線の細さを活かした主演の宮沢りえの、母親としての佇まい、内に秘めるエネルギッシュさなど、この作品の柱として言うこと無しな存在感でした。

本作、特に輝いていたのが安澄を演じた杉咲花ちゃん。同世代の女優の中では突出した演技力の高さを見せつけてくれました!

彼女がいなかったら、ここまで心揺さぶられる感動作にはならなかったと思うほど、難しい役どころを見事に演じ切っていた。去年出演した同じような難病モノ映画【トイレのピエタ】の時より格段に感情のアウトプットがナチュラルで、観客の感情を一瞬でグッと持っていく惹きの強さがある。

そう言えば、直接的な絡みはなかったものの【トイレのピエタ】で宮沢りえと共演済みでしたね。監督が違うと、同じ『遺される人』としての杉咲花の魅せ方がこうも違うのかと実感。合わせて観てほしいですね。

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他の役者陣もみんな輝いてました。オダギリジョーのパチンコ好きな甲斐性ない軽い父親役や、いつも扱いにくそうに作品内に佇む松坂桃李でさえ本作はドハマり。

印象的だったのは、子連れの探偵を演じた駿河太郎。実は笑福亭鶴瓶の息子さんで、あの特徴的な目や、落ち着いたしゃべり方がやっぱり似ている。これから色々な作品で見かけそうな独特な雰囲気がありましたね。

ん〜、キャスティングが絶妙だな、おい!

 

気になったとこ&良かったとこ

気になるところも少なからずあって。

序盤で、安澄がいじめられ双葉が保健室まで迎えに来た時の会話で「そんなセリフ日常生活で言うか?」とか、ちょっとドラマ的とも違う臭いやり取りやセリフ・演出に戸惑う瞬間も。

是枝さんとか西川美和監督の『リアル日常タッチ』な作品と比べちゃうと気になるくらいのレベルではあるけど。観ていれば次第に慣れるので、これがある意味中野監督のタッチなんだろうな。合う合わないはありそう。

それと終盤で、双葉が置物を投げるシーンがあるんだけど、窓ガラス割っちゃうのはダメでしょ。あれだと「割れたガラスが子供に突き刺さったんじゃないか?」と変にノイズに。壁に当ててビビらすくらいで良かったのに… 投げる気持ちは分かるし双葉らしいけど。

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とは言え、冒頭から宮沢りえ演じる双葉の洗濯物でパンティを映すカマしシーンや、双葉が自転車に乗って振り向くシーン、『赤』の色の使い方や、残す子や家族に引き継がれていく物の扱い、そすてラストの締め方など好きですね!

 

何気ないシーンがさり気ない伏線になっていて、その回収や計算された見せ方は、どこか周到なミステリーやサスペンス映画の雰囲気さえある上手さで、それが単によくある『お涙ちょうだいの難病モノ映画』とは一線を画す作りにもなっている。

『余命宣告』『いじめ』『父親の家出』『母親に捨てられた子』などのワードだけ聞くと、本来暗くなりそうな要素なんだけど、双葉の根の明るさもそうだし、監督のキャラなのか?クスッと笑えるのユーモアを隙間隙間で入れてくれてるので、全体を振り返って見ると、銭湯のお湯のように温かい『陽』な映画でした。

 

まとめ

評価:★★★★★  最高!フォーー!

自分が観てないだけかもしれないけど、今年の邦画はわりとエグめでダークな良作が多かった中で、ここまで泣きに泣く温かい作品が観られるとは予想もしなかった。

抱きしめる・抱きしめられるって当たり前のようでなかなかしない事で、その大切さを改めて感じました。かなりオススメです!

[ 予告編 ]

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今回の感想で入れられなかった一言:

銭湯に行きたくなるし蟹も無性に食いたくなる!