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アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!基本大したことは書いてない。

マジカルガール【映画感想/ネタバレ/考察】あの部屋で起こった事とは!?マジカルな『手法』映画!

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あらすじ:失業中であるうえに、娘のアリシアが白血病で余命いくばくもないという過酷な状況に置かれているルイス。ある日、彼は日本製アニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンである娘が、キャラクターのコスチュームを着て踊りたいと願っているのを知る。父親としてアリシアの望みをかなえるべく、高価なコスチュームを手に入れようと奔走するルイス。しかし、そんな彼の決意と行動が、元教師ダミアン(ホセ・サクリスタン)と心に闇を抱えている女性バルバラを巻き込み、悲愴な事件を招くことになる。(シネマトゥデイ)

 

製作国:スペイン 上映時間:127分 製作年:2014年

監督・脚本:カルロス・ベルムト

キャスト:ホセ・サクリスタン / バルバラ・レニー / ルイス・ベルメホ / イスラエル・エレハルデ / ルシア・ポリャン / エリザベト・ヘラベルト / ミケル・インスア / テレサ・ソリア・ルアノ 等

 

見せ場を『見せない』という手法

どうも、アバウト男です!

新作映画の感想を優先したため後回しになってしまった感想になります。【ロブスター】と同じく、気になりつつも劇場スルーしてしまった【マジカル・ガール】をレンタルで鑑賞しました!ラストには触れてませんが所々ネタバレしてる感想は、

 

一体何があったんだーーー!!?

ド深夜から観たのに関わらず、展開がどうなるのか分からなくてサラッと観てしまった。うん面白かった!

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↑ 魔法少女に憧れる白血病のアリシア

画や話として『ちゃんと見せるところ』と『敢えて見せないところ』を巧みに使い分け、観ている側が見えない部分を頭の中で補完し、勝手に増幅させることで完成する異色な作品でした。これこそマジカル!

恐らく普通の映画だったら、そここそが売りで『見せ場』になりうるシーンを匂わすだけ匂わして、バッサリ『見せない』のがこの映画の特徴。

その『見せない』部分が、後になって説明されるのかな?と思って観ていると、特に無いまま終わってしまう。そこでそういう映画なんだと気付かされる。興味の持続を保ちつつ、終わってからの強烈な余韻が心地良かった。

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この『見せない』作りは【ブレア・ウィッチ・プロジェクト】【クロニクル】なんかに代表されるPOVなどの主観映像や、【メメント】【アレックス】などに用いられる『遡って話を語って行く』作品みたいに、意図的に用いられた一種の『手法』と言えるレベル。

無いはずなのに、そこにあるように見える『錯覚』的な事を、映画でこれ以上ない形でやってのけた成功例に感じた。
その『大事な出来事や過去をバッサリ見せない』に加えて、電気を点けずに人の表情を見せなかったり、部屋の外のから断片的に様子を見せるなど、演出面でも『見せない』が効果的に使われていた。『見せない』からと言って話が難解という訳ではないので、安心してください。

 

ミステリアスな女に翻弄される!

内容をザックリ説明をするなら、白血病の娘アリシアの『魔法少女』になりたい夢を叶えようと、一点もののお高い衣装を買うために資金繰りに苦戦する無職の父のルイス。

そんなルイスにつけ込まれて金を強請られる人妻のバルバラ。ルイスに鉄槌を下すためにバルバラが頼る『彼女とのただならぬ過去』を持つ元教師のダミアン。

この3人の関係が思わぬ悲劇を生んでしまう… そんな話だ。

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ここで『見せない』部分とは、ファムファタール然とした心に闇を抱えた美女バルバラ周り。ルイスに金を強請られ、1日で多額の金を手に入れなければならないバルバラが、お金と引き換えに自らの身を捧げた『あの部屋で行われた出来事』と、バルバラが呼び寄せたダミアンとの『只ならぬ過去』だ。

大きな2つの謎は、観た人それぞれの解釈や想像に委ねられる事になる。

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この『見せない』手法は、映画を観慣れている人ほど、ドキッとさせる作りになっている。

「いつも神の視点で何でもかんでも見れたり、分かりやすく説明されると思ったら大間違いだ。」と言わんばかりのツンデレ感!

でもこれが、他人の過去や各々が抱えてる悩みや状況が目に見えて分からない、僕らが暮らす現実や人生のあり方であり、図らずも悲劇が起こってしまう過程には、こういう『見えないもの』の影響が多いんだろうな。

 

バルバラに金を強請るルイスは一見ゲス野郎に見えるけど、バルバラがどうお金を作ってるのかなんて彼には知る由もなく、難病の娘の夢を叶えたいって気持ちも大いに分かる。

アリシアの本心に気づけなかったルイスのちょっとしたタイミングの悪さや、ダミアンがバルバラから聞かされる事とその後取る思わぬ行動含め、『重要な部分が見えない状況で、各々が突っ走って暴走していく』感じが、悲劇が生まれる大きな要素であり、

各々の『見えてない』部分が、この映画の作風の『見せ方』ともリンクし、全体的に監督のやりたい事に一本筋がちゃんと通っている様に見えた。この計算された徹底ぶりが凄いなと。

 

あの部屋で起こった出来事の考察

多額のお金を得る為にバルバラが訪れ、入った『あの部屋』と、その部屋で『行われた事』を自分なりに考えてみた。

バルバラが指定した条件と、場所を提供する支配人のソコが言うキーワードをいくつか拾ってみた。

バルバラが指定した条件

  • 1日で多額の金額を稼げる(結果として1回目は約80万/2回目は約226万)
  • 挿入は無し

ソコの説明で出たキーワード&ルール

  • 本能とテクニックのせめぎ合い
  • 感情と理性の闘い
  • 本能の受け入れ
  • 行為を止める『言葉』が設定されている、ギブアップのサイン(1回目『ブリキ』/2回目『言葉なし』)
  • その言葉をよく忘れる人がいる、決して忘れるな
  • その言葉を言わずに怪我をすればするほど稼げる仕組み。それを提供している。

この諸々のキーワードから察するに『あの施設』は金持った度を越したドSが集まる『SM倶楽部』なんじゃないかな。かなり特殊でハードな。

普段の私生活でできるようなSMプレイじゃ満足できない金持った変態たちが会員となり、会員が与える暴力を受けた分それに見合った金額が支払われるシステム。それか暴力を指定し、暴力を振るわれている女を安全圏から観て喜ぶような鑑賞型かもしれない。

人を殺す経験が出来る会員制倶楽部を描いた【ホステル】【ホステル2】みたいなもんかなと。

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1度目が終わった後、バルバラは肌を見せない服を着ているので、暴力の痕は分からないようになっている。顔にアザなどの怪我が無いのは、ランクを上げれば顔への暴力が許されるルールでもあるのだろう。

より多額を得られ行為を止める言葉が設定されていない2度目に入った『トカゲの部屋』はきっと最高ランク。そこから出て来て病院送りになった、全身包帯ぐるぐる巻きのバルバラの姿を見ると、恐らく高温の油を頭からぶっかけられたんじゃないかと思ってしまう。

漫画『殺し屋1』で垣原が船鬼一家の鈴木にやった拷問みたいに。油をかけられた鈴木のその後の姿とバルバラの姿が重なる。油をかけちゃえば止めるも止めないも無いから『止める言葉』が設定されないのも頷ける。

『トカゲの部屋=高温の油を掛けられる』ではないけど、間違いなく生活に支障が出る・障害を負い兼ねないようなレベルのハードな暴力が用意された部屋でしょう。

それともトカゲだけに、全裸でコモドドラゴンと戦わせる的な悪趣味な催しの可能性もあるな。それにしちゃ日本円にして226万円は安いか...

 

と、そんなエグい妄想も色々と膨らむ『余白』が魅力ですね!エグめの作品が好きなら『あの部屋』の存在や設定には惹かれるモノがあるでしょうね。

その痛い場面は実際には『見えない』ので、エグい作品が苦手な人でも楽しめるサスペンスフルな一作でした!

 

まとめ

評価:★★★★  結構良かったぜ!

まんまとマジカルな『見せない』手法にやられちゃいましたね。カルロス・ベルムト監督はこれが劇場デビュー作品って恐ろしいですね。音楽のミスマッチなセンスも良いし、多分彼の新作はすぐにチェックするだろうな。

[ 予告編 ]

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