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アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!

エヴォリューション【ネタバレ/映画感想/評価】グロ美しい!島の秘密を目撃してしまった少年!

洋画 【ア行】 2016:劇場鑑賞 洋画 評価:★★★★

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あらすじ:住民は少年と女性だけの島で、10歳のニコラ(マックス・ブレバン)は、母親と2人で生活している。全ての少年が不可思議な医療を施されていることなど、島での日常に違和感を覚えるようになった彼は夜中に家を出て行く母親の後をつける。海辺に向かった母親が、ほかの女性たちと始めたある行為を目にするニコラ。それを機に、彼は思いも寄らなかったおぞましい事態にのみ込まれ……。(シネマトゥデイ)

 

製作国:フランス 上映時間:81分 製作年:2015年

監督・脚本:ルシール・アザリロヴィック

キャスト:マックス・ブレバン / ロクサーヌ・デュラン / ジュリー=マリー・パルマンティエ 等

上映館:「エヴォリューション」の上映館を検索 - 映画.com

 

映像美と共存する気持ち悪さ

渋谷アップリンクに【無垢の祈り】を観に行った際に予告編を観て『一目惚れ』してしまった作品【エヴォリューション】を観て来ました!アートワークを見れば分かるように、あのエイリアン退治映画【エボリューション】の2016年版リメイクとかでは無いです。『ボ』じゃなく『ヴォ』ですw

その前に1つ、本作は『語る事』自体がネタバレになる、感想を書くのが難しい作品ではあるので、結末は書きませんがちょとこちょこ展開的なネタバレはして行きます。知らないで観た方が断然面白い作品だということは先に言っておきますね。率直な感想は、

 

グロ美しい〜〜!!!&眠い!

極上に美しくも薄気味悪く、そして怖い!大まかに言えば『美しい』と『気持ち悪い』が見事に共存する映像美に長けたホラー映画。まさかのホラーでした!

ポスターの雰囲気と予告を観た印象はサスペンスぽいのかな?と思ってたんだけど、TSUTAYAのホラーコーナーに置かれない類いの、アート系に見えるフランス産のSFホラー。

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少年と女性しかいないとある島。少年達はもれなく『ある医療行為』を受けさせられる。入院し腹に注射を打たれ、見た目からしてマズそうな食事を取り、気が付けば友達が1人また1人といなくなる…

『なぜ成人男性はいないのか?』『医療行為の実態は?』そんな美しくも謎めいた島の秘密の数々を主人公の少年ニコラと共に『目撃』していく作りになっている。『知ってしまった』より『目撃してしまう』という言葉が似合う。


お母さんと思っていた人は実は... 女性達による艶かしい夜の集い、並んだホルマリン漬け、看護師たちの講習、赤いヒトデ、女性の背中には吸盤のような突起 etc. 

静かで淡々とした話運びの中「え、何?何?何?」と困惑する不可解で得体の知れないモノを次々と目撃する。それ等が『ぼや~と』明確にされないまま、話が前へ前へと押しやられる『飲み込み切れない』気持ちの悪さと、悪夢のようなショック描写の数々に観ている側は吸い寄せられ翻弄されて行く。

なかなかグロい&気持ち悪い描写を隠さず映すので、そういうのが苦手な人はあまり向いてないかもしれないですね。

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画の美しさにヤられる!

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ところどころ気色悪い描写が挟まれる作品ではあるんだけど、1本の軸として全体的に『画の美しさ』が際立つ作品だ。水中や医療施設の廊下や壁の色然り、緑を基調としている。

特に目を見張るのが、海中から見上げるような画角に揺れる波と、そこに当たる光の一体感を長い時間捉えたオープニングや、その後の魚が泳ぐ水中をこれでもかとクリア且つ絵画のように映したカット。

これが観れただけでもヤッホイ!ロケ地であるカナリア諸島に行きたくなる。

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自然をそのまま収めたかと思うと、ベットの並びやボケを利用した奥行きを感じる構図、照明に怪しく照らされた暗めの室内、時にまつ毛の一本一本まで見えるほど眼にクローズアップしたりと、1つ1つが写真のように意識された画の連続目を奪われる。ラストの泳ぐシーンやエンドロールの見せ方なんかも良くて、ホントこれだけで1冊写真集が出来るし、欲しい!パンフのサンプルを見たけどパンフの場面写だけじゃ全然物足りない。

その反面、音楽があまり無くて、ゆったりとした場面の切り替えと暗めの画の連続に、トーンとしてはかなり大人しめ。なのでガッツリと眠気を誘う作品でもある。前日睡眠をちゃんと取ってから行くのがオススメです!僕も何回か瞬間的に気を失ってました。

でも静かな中にも「ザバーン!」と岩に打ち付ける波の音が強調されていて、外界との接触が無い孤島感や不穏感を演出したりと、音もちゃんとコントロールされてました。

 

※ここからネタバレありで踏み込んで行きます。

 

医療行為の実態と少年と女性の関係

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これは中盤になんとなく明かされるので言っちゃうと、少年達が医療行為を受ける実態は『妊娠』だ。この島の少年達は自然と身籠もるのだ。当の少年達は自分等が身籠ることなんてつゆ知らず、単に病気か腹痛かと思っている。

これだけで怖くないですか!?

しかもどうやら『人間のようで人間じゃない生物』を身籠もる。ある時期が来ると島にある薄暗い医療施設に入院させられ検査を受ける。産むのはかなり困難で、生物の成長に耐えられず少年達はドス黒い血を吐き死んでしまう。故に成人男性はいないのだ...

死産した胎児が入ったホルマリン漬けの量を見ても出産は稀で、もしかしたら産んでも殺されるような『出産のための媒介』として少年達は島で生かされてるのかも知れない。。

それを匂わすのが背中にタコの吸盤のような突起が付いている島の女性の存在だ。お母さんとされている女性は少年達を文字通り『育てる』。看護婦も夜な夜な集まって帝王切開の映像を無言&無表情で観て勉強している… 映像の美しさからユートピアに見えていた島は、実は完全に男が女に『生かされる(活かされる)』ディストピアな世界だったのだ。

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どこかおかしい女性達の正体とは?少年が身籠もる生物は正体は?暗くてよく見えないが死産した胎児を身体に塗りたくってるように見える、あの女性達の夜の集いは何なのか?秘密を知ってしまった身籠りの身のニコラの行く末は? かなりここでボヤかしておきました。

 

少年期の不安、大人への懐疑、成長に対する戸惑い、得体の知れないモノへの恐怖、『生』や『性』のおぞましさ、性別逆転、閉鎖空間からの脱却、生まれ変わり、そして『進化:エヴォリューション』した悪夢のような世界などなど、色々なメッセージを感じ取れる、美しくもゾッとするアートな作品でした。

 

まとめ

評価:★★★★  結構良かったぜ!

「あ、そういう話なんだ!?」的サプライズや、話の内容、自然を活かした映像美含めかなり良かったですね。

全体的に漂う静かな不可解さは、思いや想像を巡らす余地の部分になっていて「あれは〜 だよね」とか色々と語り甲斐のある作品でした。レンタルで出たらまた観直したい。

個人的には内容やショック描写の感じは映画【スプライス】なんかをちょっと思い出したりしました。

[ 予告編 ]

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関連&オススメ作品!

エコール

ルシール・アザリロヴィック監督の過去作。こちらは少女が主役。未見なのでチェックしたい!

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スプライス

閲覧注意なビジュアルショックの数々が印象的なSFホラー!大好きな一作。

今回の感想で入れられなかったひと言:

グッズの刺繍の入ったTシャツが可愛かった!