あらすじ:性格は正反対だがどこかウマの合う高校2年生の内海想(池松壮亮)と瀬戸小吉(菅田将暉)は、放課後にいつも河原で話をしながら暇つぶしをしている。くだらない言葉遊びや、思いを寄せる女子へのメールの内容、時にはシリアスなことも語り合う。そんな二人を見守る同級生の樫村一期(中条あやみ)に瀬戸は憧れているが、樫村は内海に好意を抱いており……。(シネマトゥデイ)
製作国:日本 上映時間:75分 製作年:2016年
監督:大森立嗣 原作:此元和津也
キャスト:池松壮亮 / 菅田将暉 / 中条あやみ / 鈴木卓爾 / 成田瑛基 / 岡山天音 / 奥村勲 / 笠久美 / 牧口元美 / 宇野祥平 等
どうも、アバウト男です!
今回は、今や日本映画界を支える売れっ子俳優の2人、菅田将暉も池松壮亮がダブル主演を務めた映画【セトウツミ】をレンタルDVDにて鑑賞。
ダベってるだけなのに面白い!
調べたら本作は元々『刃牙』で有名な週間少年『チャンピオン』で連載していた漫画原作なんだね。単行本で全6巻、原作は未読です。率直な感想は、
ただ2人がダベってるだけなのに面白い!正直この2人のやり取りは延々と観られる。
男子高生2人のダベってる様子をひたすら眺める、ほのぼのとした『日常系映画』でした。まさにコピーにもなっている『喋るだけの青春』といった作品。ひたすらユルい!
ちなみにタイトルの【セトウツミ】とは、主役である瀬戸と内海の2人の名前を繋げたものだ。
本作の作りは単純明快。高校生の瀬戸と内海が、放課後にお決まりの場所でダベってる様子を切り取った映画だ。2人が上映時間ずっとダベってるだけじゃなく、10分程度のエピソードが7話に小分けにされてるので観やすい。
ただ「そもそも、ダベってる様子をひたすら観されられて面白いの?」という声も聞こえてきそうだが、
これが面白いんよ!
個人的『面白さのポイント』はザックリと3つある。
1. 対照的な2人のキャラと関西弁
本作一番の肝は、メインとなる瀬戸と内海の対照的なキャラ分けがしっかりされている点だ。
菅田将暉演じる『瀬戸』はアッパー系ボンクラ。元サッカー部/頭は良くない/話題を色々と振ったり持って来たりする/クラスのマドンナ樫村さんに好意を寄せる/虫嫌い/猫飼ってる/怖い先輩に目を付けられてる。
一方の池松壮亮演じる眼鏡の『内海』はクールなインテリ。帰宅部/学校では孤立気味/塾通いで頭は良い/瀬戸を小馬鹿にしている/家は金持ち/樫村さんから何故か好かれているが本人は興味なし。
この一見交わらなそうな対照的な2人が、互いの持ち味を発揮しながら、時にだらっと、時にはテンポ良くたわいもないトークを繰り広げる。
この2人のキャラを引き立てているのが『関西弁』。関西弁でダベる2人は構図はまさに『漫才』。ボケが瀬戸で、それに対して冷静にツッコミを入れるのが内海。場合によっては瀬戸がツッコミ返したり。
2人の対照的なキャラとトークの役割がちゃんと分けられることで、それぞれの良さがしっかり際立っている。『自分はどっちに似てる』とか『付き合うとしたらどっち』なんて見方も出来るだろう。
そんなメインの2人に旬で多忙な俳優、菅田将暉と池松壮亮をキャスティングしてくる辺りナイスですね!
実力派で芸達者な2人だから『日常会話がなんか漫才っぽく聞こえて面白い』ってスタイルを見事成立させている。
2. ホントなんでもない無駄話
『漫才』ぽいとは言いつつも、話してる内容はいたってどこにでもある『無駄話』。僕らが高校時代に話してた様な内容の無い話とそう変わらない。
- あそこにずっと立ってるおじさん、なんか怪しくね?
- 今晩、うちの夕飯カレーだ
- 樫村さんのアドレスをついにゲット!
- 家にでかい蜘蛛が出た
たわいもない会話のやり取りが、自身の高校時代を思い出させ、社会人としてせかせか生きる現実に、あの頃のゆるーっとした時間感覚を思い出させ、現実逃避的に癒される。それでいて話の終わりにはちゃんとオチが付いているのも良いな。
似たような『ほのぼの日常系』作品で言うと、前田敦子主演映画【もらとりあむタマ子】とか、ナチュラルな会話にチープなCGアニメを乗っけて笑わせす『Peeping Life』シリーズなんかを思い出した。
3. 2人の出会いとマドンナの樫村
オムニバスのように7話同じような話をされてもさすがに飽きかねないので、その中に2話特別なエピソードを入れている。実際には5話+番外編の2話みたいな。
その番外編の2話が『内海視点からの瀬戸との出会い』と『樫村さんから見た2人』のエピソードだ。
これにより、話の節々から2人の情報は読み取れるものの、この2つのエピソードにより、2人の人物背景や関係が見えてくるので、瀬戸との内海の2人に対して愛着が湧いてくる。
しかもマドンナの樫村を演じてるのが、GUの『Dr.スランプ アラレちゃん』のCMでお馴染みの中条あやみ。あやみちゃんのマドンナ的説得力も良かったですね。あやみちゃんももちろん関西弁やで!
ただ、上映時間75分って…正直物足りないしもっと観たい!感覚で言うと腹6分ですよ。
上で挙げた3つのポイントの他にも、
ぱっと見『ダベってるだけの映画』だから何も考えていように見えるけど、実際は「え、何で?」という場面で無駄にスローを入れるドヤ演出や、ダベりを長回しで見せたり、哀愁漂うシニカルな曲を印象的に使ってたりと、さり気なくも工夫が効いている作品でした。
まとめ
評価:★★★★ 結構良かったぜ!
素直に続編が観たいと思わせる作品でした。予告ではいかにも「漫才っぽいな」と少し懸念してたけど、思ったより全然すんなり観れました。
[ 予告編 ]
[ 特報 ]
本作の特報が3つあって、それぞれ1つのエピソードになってるんだけど、中でも面白かった『けん玉』を上げときます。この感じでピンと来たら、本編もきっと楽しめると思います!
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もらとりあむタマ子
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デスノート Light up the NEW world
本作の後2人が共演した作品。これだけキャラが違うとやっぱ役者って凄ぇなと思わされる。