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アバウト映画公園

"プロの独身"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!

山田孝之のカンヌ映画祭【ドラマ感想】最高!『山カン』が面白い2大要素とは?!第1話!

ドラマ

山田孝之主演の深夜ドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』第1話感想/ネタバレあり

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どうも、アバウト男です!

テレビ東京で始まった山田孝之主演の新ドラマ【山田孝之のカンヌ映画祭】がですね、結論から言うと、

クソ面白かった!!!

ので、去年熱狂したTBSドラマ【逃げ恥】みたく今期感想を書いて行くドラマはこの【山田孝之のカンヌ映画祭】に決めました!

と言うのも、この【山田孝之のカンヌ映画祭】こと通称【山カン】(面倒くさいので勝手に【逃げ恥】みたいに命名)の前身と言ってもいいドラマ【山田孝之の東京都北区赤羽】に後追いながらもハマって、実質『第2弾』となる今回のドラマが期待していたハードを越え、感想を書きたくなるくらい『美味しい要素』が詰め込まれていて面白かったので、【山カン】の面白さやその理由を自分なりに解釈し、それを踏まえながら毎週感想を綴って行こうかなと思います!

感想はネタバレしてますが、ネタバレを知って観ても全体的な空気感が面白いので全然楽しめると思います。

 

 

前身ドラマ【山田孝之の東京都北区赤羽】について

2年前のちょうど今くらいの時期に同じような時間帯で放送されていた、山田孝之主演ドラマ【山田孝之の東京都北区赤羽】。以下【北区赤羽】

このドラマの内容をザックリ説明するなら、

俳優としての伸び悩み葛藤を抱えた俳優:山田孝之が、たまたま読んだ漫画『東京都北区赤羽』に感化され、実際に東京都北区赤羽の移り住み、そこでの街の人達との交流を通して、自身を見つめ直す様子を、映画監督の山下敦弘が密着する... といった『てい』のフェイクドキュメンタリードラマ。東京ドラマアウォード2015受賞!

詳しい内容や魅力ははこちら↓

そこで、今回の【山カン】は『山田孝之主演のフェイクドキュメンタリードラマ第2弾!』みたいな位置づけです。

第2弾とは言え『主演は山田孝之/密着するのは山下監督/ジャンルはフェイクドキュメンタリー』の、大枠の『スタイル』は前回から変えずに『内容』だけ一新されている。なので今回から観ても十分楽しめる新ドラマです。

 

 

今回の【山田孝之のカンヌ映画祭】の概要

テレビ東京 / 毎週金曜 / 2016年1月6日(金) 深夜0時52分〜 30分ドラマ

主演:山田孝之 監督:山下敦弘 / 松江哲明

作品の内容はこんな感じ。

2016年の夏、今まで俳優として意外にも大きな賞を取ったことない山田孝之が『カンヌ国際映画祭』の『賞』が欲しいということで、山下敦弘監督を呼びつけ『賞を取るための映画』を山下監督に撮ってもらいたいと話を持ちかけたところからこの物語は始まる。

山田が持ち込んだ『題材』を山下監督が映画化し『カンヌの1番のやつ』を取りに行く!

www.youtube.com

 

 

 

【山カン】の面白さの2大要素とは

 

1. 山田孝之と山下監督の明確な立ち位置

まず【北区赤羽】の時と同様、山田孝之と山下監督2人の役割&立ち位置がハッキリしている点がドラマ全体の面白さに繋がっている。第1話を観て前作以上にその側面が強まっていたように思える。

どういう立ち位置かと言うと、

マイペースな山田孝之は作中、突飛な提案と強引な行動で、終始山下監督を困惑させ振り回す。あまり強く言えない性格の山下監督は、山田の言動や行動に戸惑いならがら一応確認し・渋々受け入れる形で話が進んで行く。

もうこれはひたすらボケ倒す山田(相方)に対して「え、おれが撮るの?」「え?カンヌ映画祭?!」とツッコミってよりかは『確認しながら困惑する』タイプの『漫才やコント』を観ているかのよう。

2人の役割&立ち位置としては、

  • 山田孝之:俳優/ちょっとヤバイ奴/ボケ担当/S
  • 山下監督:監督/常識人/ツッコミ担当/M

この明確な立ち位置から繰り出される、2人のほのぼのとした会話が笑いを誘い、視聴者も「いやいやいや!w」とツッコミながら観ることができる。すっかりお似合いのコンビで改めて抜群の相性の良さを見せる。

普通の俳優と監督の関係なら、監督の方が俳優をぐいぐい引っ張っていく立場なんだけど、山田の発案で色々なことが進んでいくので、映画監督が俳優に振り回されるって構図が面白い。

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2. 軽くディスり&若干舐めてる姿勢

あと、今回もう1つ際立った『面白み』の要素としては『ドラマの作り&山田孝之が基本あらゆるものを軽くディスってたり若干舐めている』点だ。これは実際第1話の内容と絡めながらの方が分かりやすい。

このドラマはとにかく『ディス』ポイント(D)『舐め』ポイント(N)で溢れていました。そんな2つのポイントをピックアップしながら、第1話の感想行ってみよう!

 

 

第1話の感想

 

謎の長澤まさみの使い方 (N)

冒頭から【情熱大陸】のようなナレーション(語り)からドラマが始まるんだけど、そのナレーションを務めるのがなんと長澤まさみ!

いや、なんで長澤まさみ!?w

いたってごく普通のナレーション、全然長澤まさみである必要はないし、前回の【北区赤羽】に出て来た訳でもない。冒頭からナレーションのキャスティングに変にモヤモヤさせられる。なんだろうこの作り手のニヤニヤとした顔が透けて見てそうな演出。

これはきっと「長澤まさみとかにナレーションさせたら面白くね?」とドラマの作り手側が長澤まさみを軽く舐めてる証拠だ。逆にこんな仕事もやってくれる長澤まさみの好感度はもちろんアップした。

 

自分の経歴をディスる山田と業界への怒り (D)

山田がそもそも『カンヌで賞を取りたい』と思ったのも、意外にも俳優:山田孝之が日本で大きな賞を取った事がないのが発端となっている。

これだけ多くの作品に出演し、誰もが認める実力派俳優の立ち位置を築いたようにも見えるんだけど「実は日本アカデミー賞には呼ばれてもない...」とか「なんかの映画でヨコハマ映画祭の助演男優賞を取ったくらい」と自虐的に自らの経歴をディスり、なんなら評価してくれない日本の映画業界に軽く苛立ちすら感じているようにも見えた。

フェイクドキュメンタリーなドラマを通じて『本人の本音』をスルッと入れ込んでくる辺りいい意味でズルい!

 

山田にディスられる山下監督 (D)

さすがにカンヌはレベルが高くてキツいと思ったのか、山下監督はフランスの『ナント映画祭』や自分がわりと呼ばれているオランダの『ロッテルダム映画祭』を山田に勧めるも、

「あんまり半端なやつじゃなくて、取るならトップのやつ」と軽く跳ね除ける。

 

山田、意気込みは感じるけど、それさり気なく山下監督をディスってるから!

「半端ではないんだけど、あの〜... カンヌとは違うわな」と声弱げにフォローする山下監督がなんとも可愛かった。自分の監督した作品はカンヌ向きじゃないし、カンヌを意識したことがそもそもないな〜と言うと、山田がたたみかけるように、

「今まで(カンヌを)意識して撮ったことがなかったから、取れなかったんじゃないんですか!?」「本気出せば!?」と山下監督へのなかなかのドストレートなディス!根が真面目で悪気がない山田孝之だからこそ許される空気感。

 

軽く見られてるカンヌと大量殺人鬼 (N)

気付けば映画を作る拠点として横浜に事務所を借り、『合同会社カンヌ』という会社を立ち上げて、仕舞いには名刺まで作っていた山田。

山田の「カンヌ映画祭で賞を取る!」って意気込には反して、カンヌ最高賞の『パルム・ドール』をあやふやに『カンヌ映画祭の1番のやつ』と名前を覚えていないあたり、すでに『カンヌ』を舐めてる空気が漂う...

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で、聞くとすでに山田は『映画化する題材/元ネタ』を考えていた。それは、

大量殺人鬼 エド・ケンパー

どんな人かというと、

小さい頃から動物虐待をし、15歳の時に好奇心から祖父母を銃殺。72年にヒッチハイカーの女性2名を殺害し頭部を自宅に持ち帰る。翌年母親を撲殺し頭を切断、他にも『◯姦』したりと、合計10人を殺害した、身長2mもある生粋のサイコパス。彼は終身刑をくらって今も服役中。

 

いや、いくらなんでも題材がハードコア過ぎる!!!

しかも『親殺し』をしたエド・ケンパーという人物に興味を持ち『題材』を用意した山田が主演でエド・ケンパーを演じると思ったら、なんと山田は映画には出ず、あくまでも映画のプロデューサーのとしてカンヌのパルムドールを取るつもりでいた。

出ろや!w

ここでパルム・ドールを狙う映画の『題材』もそうだし山田の『立ち位置』然り、より一層『カンヌへの舐め感』が倍増!しかも山下監督の過去作からしても、そういう映画を撮って来た人じゃないし… 個人的には観てみたい気もするが。

ここで、参考資料でエド・ケンパーの写真をプリントしたものがドラマ内で映されるんだけど、その映し方のせいなのか、エド・ケンパーの眠そうな写真のせいなのか、妙に面白く映ってしまっているのもズルい。それ込みで笑いを狙って来る!

 

まさかの主演俳優のネタ的な抜擢 (N)

山田は主演しない代わりに、エド・ケンパーを演じる俳優に今回の話をして、すでにOKを取り付けていた。

山田が選んだ主演俳優と山下監督との顔合わでで、都内のカフェのテラスで2人が待っていると、遠くから女の子連れた男がやって来る。

山下監督が遠目で「でんでんさん?」(※俳優のでんでんは園子温監督作【冷たい熱帯魚】でサイコキラー役を演じたことがある)と思っていると、でんでんじゃないその男は途中で別れ、つかつかつかと歩いてきた連れの女の子をよく見ると、まさかの

 

芦田愛菜!!!?

エド・ケンパーを演じる主演俳優はまさかの芦田愛菜だったのだ。学校帰りなのかランドセル背負っいて、さっきの男は芦田愛菜を連れてきたマネージャーだった。

いやいやいやいや! はい、これは確信犯です!w

もう『笑いの方向』に振り切り過ぎ!唖然とする山下監督&視聴者。プロデューサーに回る山田が「映画は元ネタなのでアレンジはする」みたいなことを言ってたけど、これはさすがにおかしいだろ!かけ離れ過ぎだろ!芦田愛菜も普通にやる気だし。カオス!

この芦田愛菜ってチョイスが芦田愛菜を若干小馬鹿にしてるというか、完全にネタとしての抜擢。【パシフィック・リム】の時より断然大人になり可愛いくなってるんだけども。

ここのポイントとしては、芦田愛菜は山田孝之が呼ばれもしない『日本アカデミー賞』の新人賞を受賞してるのも皮肉めいている。

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ここで第1話終了!

30分でこの内容はさすがに情報過多だし、どう見ても飛ばし過ぎだろ!うん最高です!

 

 

 

前作【北区赤羽】からのオマージュ

前作【北区赤羽】のオマージュもあって良かった!まずはオープニングですね。程よい立ち位置の良さげなアーティストの音楽に乗せて、山田孝之がひたすら歩くシーンをカメラが追いかけるドラマのオープニングは前作の【北区赤羽】から引き続いている。

前回の【北区赤羽】ではスチャダラパーの曲に乗せて川沿いを歩いていたけど、今回の【山カン】ではフジファブリックの曲に乗せてフランスのカンヌの街?を歩いていた。いや〜、ブレが無くイイ感じですね!

 

それとドラマの途中で、山田が主演しないということで「映画の主演は、綾野くん?」と聞いた山下監督に対して山田が「剛じゃビビらないでしょ!?」と言ったセリフも【北区赤羽】を見てる人ならピンと来る、俳優:綾野剛ですよ。山田の親友であり【北区赤羽】に出演していた綾野剛、今回の【山カン】でもどっかのタイミングで出てくれるんじゃないかな?期待!

 

 

映画祭の受賞作をざっくり調べてみた

ドラマで名前が出た映画祭の受賞作にって実際どんなものがあるのか、作品を幾つかピックアップしてみました。映画が好きと言いながら映画祭や受賞作は詳しくないので、これを機にwikiで見てみたけど結構面白いですね!作品名の後に入ってる名前は撮った監督です。

 

カンヌ国際映画祭(フランス)

今回山田孝之が狙うのはパルム・ドール!

パルム・ドール(カンヌ最高賞)

  • 1994年【パルプ・フィクション】クエンティン・タランティーノ
  • 2000年ダンサー・イン・ザ・ダークラース・フォン・トリアー
  • 2002年戦場のピアニストロマン・ポランスキー
  • 2003年エレファントガス・ヴァン・サント
  • 2004年華氏911マイケル・ムーア
  • 2011年ツリー・オブ・ライフテレンス・マリック
  • 2013年【アデル、ブルーは熱い色】アブデラティフ・ケシシュ

審査委員特別グランプリ

  • 1989年【ニュー・シネマ・パラダイス】ジュゼッペ・トルナトーレ
  • 2004年【オールド・ボーイ】パク・チャヌク
  • 2015年【サウルの息子】ネメシュ・ラースロー
  • 2016年【たかが世界の終わり】グザヴィエ・ドラン

監督賞

  • 1996年【ファーゴ】ジョエル・コーエン
  • 2001年【マルホランド・ドライブ】デヴィッド・リンチ
  • 2002年【パンチドランク・ラブ】ポール・トーマス・アンダーソン
  • 2006年【バベル】アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
  • 2011年【ドライヴ】ニコラス・ウィンディング・レフン
  • 2014年【フォックスキャッチャー】ベテット・ミラー

 

ロッテルダム国際映画祭(オランダ)

山下監督がノミネートなのかな?わりとお世話になっている映画祭。

タイガー・アワード(最優秀作品賞)

2009年【息もできない】ヤン・イクチュン

 

ヴェネチア国際映画祭(イタリア)

「カンヌとは言わずともヴェネチアとかに絡んだらいいよね!」と山下監督が提案するも、あっさり山田に流された映画祭。

金獅子賞(最高賞)

  • 1951年【羅生門】黒澤明
  • 1998年【HANA-BI】北野武
  • 2008年【レスラー】ダーレン・アロノフスキー
  • 2010年【SOMEWHERE】ソフィア・コッポラ
  • 2013年【嘆きのピエタ】キム・ギドク

こう見るとなんとも面白い!カンヌレベル高ぇ。

 

 

第2話:カンヌを学ぶ

山下監督が「カンヌで賞を取るにあたって傾向と対策が必要かもね」と言っていた通り、第2話は山田孝之・芦田愛菜・山下監督の3人でカンヌ映画祭を学ぶために日本映画大学を訪れることに。

www.youtube.com

 

このドラマ、映画好きだと好奇心をくすぐられたり勉強になるからイイですな!

さらに企画力含め【北区赤羽】から『面白さ』の純度をが増してますね!山田孝之に興味がない人でも【逃げ恥】で興味のなかった星野源が好きになるのと同じくらい、その人の魅力が詰まっているので、山田孝之に興味がない人ほど、もしかしたらハマるんじゃないかな!?現に僕も【北区赤羽】でそうなったし。これ見逃し配信もやってるのかな?

第1回目なのでどうしても作品の内容だったり書くことが多くて長くなってしまったけど、次回からは『ディス』ポイント『舐め』ポイントに絞って感想を書こうと思います。逆にそういう構造のドラマじゃなかったりしてね... まぁその時はその時で。

ぜひ一緒に楽しみましょう!

 

追記:第2話感想

www.tv-tokyo.co.jp

【山田孝之の東京都北区赤羽】を観たい人はAmazonプライムビデオがオススメ!記事でも触れています。↓