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ネオンデーモン【ネタバレ映画感想】美をフードに例えた!?驚愕のサスペンス・スリラー!

映画『ネオン・デーモン』ネタバレ感想・評価&考察

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あらすじ:16歳の美しい少女ジェシー(エル・ファニング)は、ジョージアの片田舎からロサンゼルスに出てきたばかり。彼女はインターネットで知り合いになったカメラマンを目指しているディーン(カール・グルスマン)が撮影してくれた写真を手に、モデル事務所に足を運ぶ。そしてオーナーのロバータ(クリスティナ・ヘンドリックス)は、彼女の才能を見抜き、即座に契約する。(シネマトゥデイ)

 

製作国:アメリカ / デンマーク /  フランス 上映時間:118分 製作年:2016年

監督・脚本:ニコラス・ウォンディング・レフン

キャスト:エル・ファニング / カール・グルスマン / ジェナ・マローン / ベラ・ヒースコート / アビー・リー / カリン・ドール / クリスティナ・ヘンドリックス / キアヌ・リーヴス 等

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どうも、アバウト男です!

2017年1月、なかなか注目映画がひしめく中、先陣を切ったのが【ドライヴ】【オンリーゴッド】のニコラス・ウィンディング・レフン監督最新作【ネオン・デーモン】。

広瀬すずみたいに、すっかりお姉ちゃんより売れてしまったエル・ファニング主演の『モデル業界』を舞台としたサスペンス・スリラーということで、気になって観て来ました。

 

『美』に翻弄され、狂わされる人々

最初に結論から言ってしまうと、

そこまで突出した話ではない『B級』サスペンス・スリラーを、レフン監督の持ち味であるバキッとコントラストが効いた強い色味の画作りで、強引に『A級』に持って行ったような、

力強さは感じる作品でした!

この言い方からして「そこまでテンションは上がってないな?」感が伝わると思うけど、とは言え終盤の意外なグロ展開は個人的に好きで、ちゃんと楽しめましたよ。【オンリーゴッド】とかよりは全然分かりやすい話だし、好みの三池崇史ぽさも感じたりで、どちらかと言えば肯定派です。

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最初に想像してたのは沢尻エリカ主演ドラマ【ファーストクラス】みたいに『女の業界』の中に渦巻く『妬み・嫉み・恨み・裏切り』が交差するドス黒い物語だと思いきや、もっとシンプルな話でした。

片田舎から上京して来た16歳のジェシーは、モデルとしてみるみる頭角を現していく。業界から一目置かれる彼女がいることで、今まで座っていた椅子を取られる事になる先輩モデルからの嫉妬や、世代交代、美への強烈な執着が、やがて凄惨な1つの結末に辿り着く。

 

ザックリ簡単言ってしまえば、元々『持ってるヤツ』が、次第に『自分は持ってるヤツ』なんだと気付き、調子に乗り『持っていないヤツ』から反感を買うって話を、『モデル業界のあるある』を取り入れながら、スリリングかつ刺激的な映像で魅せた作品なのかなと。あまり本場のモデル業界のやり取りを見ることもないから、そういう意味では新鮮でしたね。

 

 

腐った牛乳より新鮮な肉

モデルをするために整形や身体をいじるのはもはや当たり前になっている本場海外のモデル業界。そんな『作られた美』や『歳老いて劣化する美』と、ナチュラルボーンで完璧な美を纏うジェシーとを比喩して、

『腐った牛乳より新鮮な肉』

とこの映画では言ってのける。(一言一句合ってるかは忘れっぽいので自信がないけど、こんな感じのことセリフで言っていた。)まさしく『強烈な美 = 肉』だと言わんばかり、それを表すような描写がこの映画では幾つも見られた。

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例えば、気怠そうにモデルのオーディション行う一流ファッションデザイナーの男がジェシーを観るなり一瞬で目を奪われ、分かりやすく『ゴクり』と唾を飲み込んで見せるシーンが一番分かりやすい。

これは美味しそうな料理が目の前に出された時に取るリアクションそのもの。唯一本作のクスッと笑えるシーンだったかも。

他には、山猫がモーテルの部屋に入ったシーンも、ジェシーという肉に釣られてやって来たと取れるし、後にまさしくキアヌ・リーブス演じるモーテルの主人が夜にジェシーの部屋を訪れたのも同じ理由。その前振りが山猫のくだりですね。モーテルの主人がなくなくジェシーを諦めて、質は劣るがまだまだ活きがいい隣の肉にありつく(犯す)展開もなかなか「うわ、キてるな!」とゾッとしました。

別に男に限った事ではなく、同じ女性だからこそ感じとることが出来る美や嫉妬より、ラストシーンではより『美 = 肉』の側面が、女達によってどストレートに打ち出された。そういう意味では、あの終盤の展開は突飛では無いし、納得出来るなと。

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あと加えるなら、美を演出し・切り取るカメラマンはならがらコックですね。食材選びから、その食材にどう味付けしてどう調理する(撮影する)か。カメラマンの腕の見せどころ。

そして皮肉にも食べ物にも美にも共通して『賞味期限』があって、もちろんコックは賞味期限の切れた食材は使わない。という、わりと徹底したレフン監督の狙いが、演出や話運びにもちゃんと反映されてるように感じた。

『美』の概念をフードで例えてくれたので、分かりやすかったし、その角度から見えて来るモノが面白かった。

 

 

コントラスト強めなバキッとした映像

やっぱりネオンの光を活かした極彩色のバキッとした画を多く取り入れた映画全体のルックはカッコ良いですね!カメラのフラッシュを意識したクラブのシーンや、ネオンが不気味に光るメイクルームなんかも、明るい時より断然表情が読み取れない分、不吉な予感が漂うし不安も煽られる。

レフン監督は中間色が見えにくい『色覚障害』を持っているため、コントラストの強い色味になっているらしいんだけど、逆に自分の弱点を転換させて作品に活かしてのが良いですね。他にもジェシーが花を持って倒れるシーンのケレン味や、精神世界を思わせるドラッギーなシーンもイイ!

個人的にはロサンゼルスの夜景が見える丘で、ジェシーが石段を歩いてみせるシーンが好きでした。お尻のラインが垣間見えるあたり、監督分かってんな!あんな無垢な笑顔を見せたジェシーが…と思い返すと、あの頃に戻りたくなる。 

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役者でいうと、先輩モデル2人のいじってない方のサラを演じたアビー・リーが良かった!あの人マジのスーパーモデルですからね。【マッドマックスFR】で本格的に演技を始めたらしいけど、180cmある現役モデルこその説得力と、役者としての堂々とした佇まい。あと走るの早ぇ!笑 

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↑【マッドマックスFR】の金髪の子です。スタイル良すぎて使いどころが難しそうな女優さんだけど、これからも注目していきたいですね。

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アビー・リー

で、ちゃんとレフン監督の演出によって、アビー・リー演じるサラよりエル・ファニング演じるジェシーの方が劇中魅力的に見えるのよね。多分アビー・リーの肌の色も少しくすませて、エル・ファニングの白い肌と差を付けてたりふるんじゃないかな?

下着の濁った色味やオーディション終わりの黒と白の服のコントラスト含めて、そういう細かいところにも気を行き届いる印象がありました。

ジェシーが壁から顔半分出す時の表情もかなり怖くて、結局「どっちが、デーモンなんだよ?!」と最後までモヤモヤさせられた。

 

 

カメラマンのディーンについて

※この先からネタバレ 

途中からフェードアウトしてしまった、上京して来たジェシーとネットで知り合って、最初に彼女の魅力に気付いた駆け出しカメラマンのディーンくんについて言うなら、彼はきっとこの先大物になるじゃないかな。

彼の撮影から始まる冒頭のシーンを思い返すと、ジェシーの首が血に染まり死体のような演出で彼女を撮影していたんだけど、あの時点で彼は無意識に彼女の末路が見ていたのかなと。鋭い眼光で彼女を捉える力強い彼の目。

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途中レストランのシーンで、誰からも共感されなかった「モデルは内面が大事」と言ったセリフも、思い返せば『自分が持ってる』のをいい事に調子に乗ってしまったジェシーの『その後』を考えると、確かにそうだなと。謙虚さ大事よ!分かっていても低く低く!「彼の声にも少し耳を傾けていれば…」と若干感情移入して切なくなった。

 

 

ラストのぎょっとする展開と結末

印象をかっさらうのは「お、おう、そういう話に転んでいくか...」と、誰もがぎょっとする驚きの結末。

上京して来たジェシーの面倒みる、姉御的な存在のメイクの仕事をしてるルビーの『実はヤバい女』たるや。一番善人に見えた人が、実は一番ヤバい奴って設定はベタでもあるんだけど。

ライバルである先輩モデル2人からも、サイコ女のルビーからも反感を買ってしまったジェシーはラストで文字通り『肉』となって、彼女らの一部になってしまった。

この呆気なさ... むしろ良い!

売れる前のモデルが突如失踪しり、怪我を負って業界を去らなければいけなくなったなんて、なんか実際にありそうだしね。売れてるモデルだったらそれこそ大ニュースになるけど、『売れかけ』はきっといなくなった事にも気付いてもらえない程、競争率の高い世界でもあるんだろうな。

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風呂から出たルビーのルンルン気分で一切たじろがない様子をみると、過去に何回か経験があるんだろうな… 多分あの屋敷も、遺体に死化粧するバイト中に見つけた、身寄りの無い金持ちか誰かの物で、そこに勝手に住み着いてんじゃ無いかな? この女。

ラスト『完璧な美』取り込んだ先輩モデル2人。整形していじってるジジは拒否反応を示し、いじってなくてナチュラルなサラの方は、取り込んだことで魅力が蘇るというような、ちょっとした昔の童話みたいなラストには正直驚かされた。

 

 

まとめ

評価:★★★  普通に楽しめました。

後に引く作品だと思います。【ドライヴ】みたな作品じゃなかった!って人が評価を低く付けるもの分からんではないけど、これはこれで「俺、こんなんも撮ってみたいねん!」みたいなレフン監督のチャレンジグ且つライトな作品として受け取りました。

ちょっとラストの展開に捻りが無いっちゃないけど、個人的には三池崇史監督作みたいな露骨で大味なエグさが好みで、そこまで肩透しって事は無かったです。グロに耐性がない人はちょっとキツいシーンもあるので、気をつけてください!

[ 予告編 ]

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ネオンの光を活かし画作りだと、最近見たこの映画にも通じるかな。でも見比べると断然レフン監督の方がコントラストがキツめでバキッとしてますね。

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