アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!基本大したことは書いてない。

ディスタンス【映画感想】是枝監督がカルト教団の加害者遺族を描いたチャレンジングな一作!

映画『DISTANCE/ディスタンス』感想・評価・ネタバレなし

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あらすじ:カルト教団「真理の箱舟」が無差別殺人を起こし、その5人の実行犯が教団の手で殺害され、教祖も自殺した事件から3年後の夏。4人の加害者の遺族はその命日に集まり、遺灰を撒いたとされる山間の湖に慰霊に行ったが、車を盗まれたため、その場に居合わせた元信者である坂田の案内で、実行犯たちが潜伏していたロッジで一夜を明かすことになる。5人はそこで否応なく過去と向き合う事になる。私たちは被害者なのだろうか、加害者なのだろうか。(wikipedia)

 

製作国:日本 上映時間:132分 製作年:2001年

監督・脚本:是枝裕和

キャスト: ARATA / 伊勢谷友介 / 寺島進 / 夏川結衣 / 浅野忠信 / りょう / 遠藤憲一 / 中村梅雀 / 津田寛治 / 山下容莉枝 / 村杉蝉之介 / 梓 / 木村多江 / 平岩友美 / 中村育二 / 杉本安生 等

 

 

どうも、アバウト男です!

ずっと観たかった是枝裕和監督の長編3作目となる【ディスタンス/DISTANCE】を中古で見つけて即購入し、やっと隙間を見つけ観ることが出来たので、今回はその感想を。

なんだけど、ここ最近バタバタし過ぎて観てからだいぶ時間が経ってしまったので軽めに…

まずパッケージが美しいですね!まさしくジャケ買いするレベル。葛西薫さんが手がけています。今回もラストのネタバレは避けますが、軽く踏み込んでいます。

 

感想は、 

静かにズシンと来る物語でした!

大量無差別殺人を犯したカルト教団の加害者遺族4人と元教団メンバーの1人が共に、教団の元アジトで一夜を過ごし、それぞれが拭い去れない過去と合う物語。

どこにでもいそうな人たちの年一の命日の集いの何気ないやり取りや、仲睦まじい雰囲気の裏に隠された、個々が抱える闇を覗き見てしまうような。劇中に出てくる湖のみたく静かに染み渡る作品でした。

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残された人

家族や大切な人がカルトと分かる前の『教団』に入ってしまい、結果として大量無差別殺人テロを起こし、その後主犯メンバーは教団によって殺されてしまう。そんな過去を持つ4人の抱えるものの重たさがズシン来る。

あえて重くさせないドライで手持ちカメラによるドキュメンタリックなタッチが返って辛さを引き立たせる。明るさの分だけ裏返せばそれだけ暗さもあって。「自分があの時、是が非でも教団に入るのを止めていたら、こんなことにはならかったのか…」その時には分かるはずもなく。

直接事件に関わってなくても残された側は、止める事ができなかった・結果家族を死なせてしまった・家族が多くの人を殺してしまったなど、色々な思いや無念が入り混じる『罪の意識』を背負いながらも生きていくんだなと思わされた。

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身近な人が『教団』に入る前の、何とも言えない心ここにあらず感というか、話の通じない気持ち悪さや不穏感は、実際に『オウム真理教』が流行っていた当時、リアルにそれを体感した人がいたんだろうなと思うと、ちょっとゾッとさせられる。出家を決心している時点ですでに変なスイッチが入っているというか。

これは以前『ネットワークビジネス』をしている人と話した時(勧誘された際)と同じような雰囲気にもどこか似ている。別に宗教とかに限ったことじゃないんだけど、『自分達が正しいと確信して生きている人達の集団に属している人』に通じる空気感なのかな?

ますます『オウム真理教』を信者を追った森達也監督のドキュメンタリー【A】【A2】が観たくなった。

 

 

ドキュメンタリック

是枝監督からキャストに手渡されたのは、相手のセリフ部分は書き込まれてない、それぞれ出演部分のみ記された台本。物語の大枠と人物設定が与えられキャストが脚本の余白埋めて行くようなスタンスが取られたらしい。

そこから生まれる、人と人との絶妙な距離感や会話の辿辿しさが生々しい。ARATA(現:井浦新)・伊勢谷友介・夏川結衣・寺島進の4人は、ちゃんと生活圏は違えど共通の痛みを抱えた人たちが年一で集まる『親戚に久しぶりに会うとも違う』独特な空気感を出せていたし、

そこに居心地悪そうに混ざる元教団のメンバーの坂田を演じた浅野忠信の距離の取り方もすごくナチュラル。森を掛けるシーンを後ろから追っかけるショットとか良かったな!ことの深刻さと怖さが急に顔を出す場面。

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是枝さんのとった信頼のおけるキャストの持ち味を引き出しある意味『泳がす』やり方、見守るような映画内のゆっくりとした時間感覚、劇伴を入れずセリフや環境音を際立たせる、自分もそこにいるかのような感覚にさせる演出、そして映画の題材や内容とが上手くマッチしていたように思える。

緻密に計算されたセリフ回しで逐一突き刺してくるここ最近の是枝作品よりも、いい意味で荒削りでチャレンジングな作品に感じた。

 

 

ラストの余韻

終盤に4人を見てきた元教団メンバー坂田が、

「あんた、一体何者だよ?」

的な一言を放った瞬間、今まで観ていたたものは確かなんだけど、役どころがガラッと変わる人物が1人出てきて、一気にサスペンス濃度が上昇し、ゾワゾワっとする冷たい余韻を残す。それを踏まえてもう一度観直したくなった。

ただでは終わらない是枝監督作。クレジットに助監督:西川美和、撮影は【山田孝之のカンヌ映画祭】にも出て来た山崎裕。TSUTAYAでレンタルされてるところを見たことが無いけど、是非観れる環境にあったらオススメな作品です。

 

 

まとめ

評価:★★★★  結構良かったぜ!

近年の是枝作品が好きな人にはタルくて物足りなく感じそうだけど、僕はこういう映画も好きですね。内容によってそれに合った撮り方やスタンスが変わるってのは当然だと思うし、それでいてちゃんと是枝さんぽさもあって。すんごい暇な時にまた観直そう。

[ 予告編 ]

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