映画『ナイスガイズ!』ネタバレなし感想・評価
あらすじ:1970年代のロサンゼルス。シングルファーザーの私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)は腕っ節の強い示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)に無理やりコンビを組まされ、行方不明になった少女捜しを手伝うハメに。さらにマーチの13歳の娘ホリー(アンガーリー・ライス)も加わり捜査を進めていくが、簡単に終わるはずだったその仕事は、とある映画にまつわる連続不審死事件、さらには国家を揺るがす陰謀へとつながっていき……。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:109分 製作年:2016年
監督・脚本:シェーン・ブラック
キャスト:ラッセル・クロウ / ライアン・ゴズリング / アンガーリー・ライス / マット・ボマー / マーガレット・クアリー / キース・デヴィッド / ヤヤ・ダコスタ / ボー・ナップ / キム・ベイシンガーイ 等
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どうも、ホント最近バタバタしていてなかなか映画が観れていないアバウト男です!
そんな中でもこれだけは見逃せないという意気込みバリバリで楽しみにしていた、ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングダブル主演のバディムービー【ナイスガイズ!】。
監督は【アイアンマン】の前にロバート・ダウニーJr.の存在を認識したした良作バディムービー【キスキス, バンバン】や【アイアンマン3】の監督を手掛けた、シェーン・ブラック。
そんなシェーン・ブラックが何やらまた【キスキス, バンバン】みたいな映画を撮ったということで観て来ました。今回ラストのネタバレはしていませんが、ちょろっと中身には踏み込んでいます。
とにかく『楽しい』ドタバタアクション!
もうだいぶ昔に観て、もはや内容は覚えてないけどやたら「面白かった!」印象が頭の片隅にずっとある【キスキス, バンバン】の功績もあるので、自分的には結構ハードルが上がった状態で今回臨んだんだけど、結果
期待のハードルを軽く超え、最高に面白かった!!!
この手のドタバタ・クライムアクションが好きなのもあるけど、これは誰が観てもそれなりに楽しめる間口の広い作品なんじゃないかな!?
とにかく楽しいです!ここまでの笑い声を劇場で聞いたのも久しぶりってくらい。『みんな今映画楽しんでます!』って雰囲気が劇場内に満たされていた。
妻を亡くしシングルファーザーの冴えない私立探偵のマーチと、腕っ節が強くて意外と真面目な示談屋のヒーリーが、あるキッカケからコンビを組み、周辺の人物が次々と殺されて行く謎の女:アメリアの捜索と、その背後にうごめく陰謀に足を突っ込むバディムービー。
キャラの立った主役2人の凸凹なバディ(コンビ)感、過剰なほど放り込んでくるオフビートな笑い、あっち行ったりそっち行ったりと『ドタバタ』という言葉がふさわしい落ち着きのないストーリー、70年代のレトロでオシャレに見えるファッションや車にインテリア、ちょいラグジュアリーなパーティーの空気感やかかる音楽、そして終盤のマクガフィンを廻る怒涛のアクションなどなど、2時間たっぷりと没入させてくれました!
中盤からずっと「これソフト欲しいなぁ…」と思いながら観た作品もなかなか無い。確かに過去作【キスキス, バンバン】っぽさもあるし、タランティーノだったりガイ・リッチー作品みたいな一昔前に流行ったドタバタクライムアクションの懐かしさを感じつつ、完璧とまでは言えない『歪さ』込みで、可愛げのある質の高い一作だったと思います。
凸凹コンビ+女の子の3人が絶妙!
まず、高齢者相手のしがない探偵業をしているマーチを演じたライアン・ゴズリングのコメディ俳優としてのポテンシャル!驚きと同時に感動を覚えるくらい活き活きとしてハマりってました。
叫び声から表情・体の動きや間の取り方など、どんだけ引き出し隠し持ってるんだよ!こんな器用な俳優だとは思わなかった。
【ドライヴ】や【プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命】のクールで物静かなイメージがあるんだけど、コメディもバリバリ行けますね!いちいちリアクションが秀逸だし、あの座った目も効いてる。色々好きなシーンはあるけど、中でも一番好きなのは『恐怖で顔が震える』シーン。ベタではあるんだけど、小刻みがさり気なさがヤバい。足じゃなく顔ってのもまた良いですね。
マーチは腕っ節は弱いし、酒が好きなクセして弱くて、なかなかのドジ中年。娘思いの愛すべきボンクラ!そんな中にも、お立ち台にいるトップレスのダンサーに指示して高い位置からアリシアを探させるちょっとしたやり取りで、彼の探偵としての容量の良さを感じさせるシーンなんかは良かったな。
示談屋のヒーリーを演じたラッセル・クロウも見事ハマってましたね!ってかここにラッセル・クロウをチョイスしてくる監督のセンスね。個人的には【アイアン・フィスト】ぶりに出演作観たわ!確かに、ガタイの良さ・腕っ節の強さの中に優しさが内包されていて、もっさそうな割に意外と几帳面で真面目って役どころにぴったり。
【ジョン・ウィック】の犬の復讐ばりに、飼ってる魚の復讐ってのも良かったですね。で、そのやり取りがラストにまた効いて来るって良いじゃん。時折見える微笑みもズルい!
そして紅一点、アンガーリー・ライス演じるマーチの13歳の娘のホーリーちゃん!できた娘だな、きっとお母さん似なんでしょうね。手を怪我しているお父さんの代わりに、文句も言わず車を運転してあげる。
...って「13歳に運転さすな!」てのもあるんだけど、逆に彼女は当たり前のようにさらっと運転しているのも微笑ましい。そこで2人の親子としての信頼関係が伺える。
それでいてちゃんと『コーヒー』のくだりでマーチの血もシッカリと引いてるなと分かる描写もグッと来る。そこで褒める親バカぶりもナイス!
『ちょっと頼りない父親の危険な仕事に首をつっ込むできた娘』って設定はパッと作品が思い出せないけど他の作品でもよくあって、娘がアシストしたかと思えば、逆に娘が危険に晒されたりと、ちゃんと物語をかき混ぜて面白くする効果として機能してましたね。
マーチのかなり足りないところを補うヒーリー、そんな2人の哀愁漂うバディ感。そしてその2人に足りない隙間にスッと入り込んでカチッとハマって見せるホーリーの、3人のキャラのバランスとそれぞれの個性が抜群でしたね。こんなん楽しいに決まってるじゃん!
良かったところ、その他もろもろ
ストーリーや話運びは行ったり来たりして次々と関連する事柄や人の名前が出てくるけど、見終わると意外とシンプルな構成だったし、敵キャラもみんな一癖いや0.5癖あるキャラだったので、そこも申し分ない。
地味に嬉しかったのは、国内の映画サイトだとクレジットされていないけど、映像技師の青年を演じてたのは、ジャック・キルマーだよね!?「この顔どっかで観たことあるなぁ」と思ったら【パロアルト・ストーリー】での好演が印象的なジャック・キルマー。
で名前から察する通りヴァル・キルマーの息子。そのヴァル・キルマーは【キスキス, バンバン】でロバート・ダウニーJr.とバディを組んでいたもう1人の主役。ようするにカメオ出演みたいな感じですね。親子共々監督と仲良いのかな?
ジャック・キルマー
ちょっと「今のやり取りいる?」「何もないんかい!?」「そこにそんな時間使う!?」みたいなドン臭い箇所がいくつかあったくらいで概ね満足です。とにかく笑えて楽しくて、最後にはホッコリできる作品。是非ともオススメです!
続編よろしくおねがします!
まとめ
評価:★★★★★ 最高!フォーー!
個人的には2017年ベスト10の中に入れたいくらい好きです!観ている間の『多幸感』は現状で今年見た新作映画でナンバー1です!同じく主演ライアン・ゴズリングの【ラ・ラ・ランド】にすぐ更新されてしまうのかいなや!?
コメディ&アクション&ワクワクのバランスでいうとメリッサ・マッカーシー主演のスパイ映画【SPY/スパイ】に似てるなと。【SPY/スパイ】が好きな人ならハマると思います!
[ 予告編 ]
余談ですが、シェーン・ブラック監督は過去に俳優もやってて、兵士役であのシュワちゃん主演の【プレデター】に出演していたことも。面白いのが2018年公開されるリブート版【プレデター】の監督を務めるのがシェーン・ブラックらしいです!
オリジナル版の俳優が、リブート版の監督をするって不思議だな。多分本作みたいなコメディ要素は少なめだろけど、リブート版【プレデター】も楽しみです!その後はちゃんと本作の続編作ってください!
【プレデター】出演時のシェーン・ブラック
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