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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う【映画感想/ネタバレ】作品自体は晴れそうで曇っちゃった!

映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』感想・評価・ネタバレ

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あらすじ:ウォール街のエリート銀行員ディヴィス(ジェイク・ギレンホール)は順調に出世し、リッチで何不自由のない生活をしていた。ある日、交通事故で美貌の妻が他界するが、涙を流せず、感覚を失っていることに気付く。彼は義父の言葉をきっかけに、身近なものを壊し始め……。(シネマトゥデイ)

 

製作国:アメリカ 上映時間:101分 製作年:2015年

監督・脚本:ジャン=マルク・ヴァレ

キャスト:ジェイク・ギレンホール / ナオミ・ワッツ / クリス・クーパー 等

上映館:「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com

 

 

どうも、アバウト男です。

今回扱うのはジェイク・ギレンホール主演の【雨の日は会えない、晴れた日は君を想う】です。まずタイトルが長い!とうてい一言一句間違えずに覚えられそうにない。

「あの〜、あれあれ、ジェイク・ギレンホールの雨の日のヤツ!」って言ってしまいそう。ちなみに本作の原題は『DEMOLITON』=解体です。

本作は、マシュー・マコノヒーがHIVに侵されたカーボーイを熱演し話題となった【ダラス・バイヤーズクラブ】のジャン=マルク・ヴァレ監督最新作ということと、主演が実力派俳優の立ち位置を確立したジェイク・ギレンホールってこともあり「これは間違いないだろ!」というテンションで観て来ました。今回はところどころネタバレしています。

 

『良き』映画なんだけど...

観て来た感想としては、

じんわりと来る物語ではあるんだけど、どこかインパクトに欠ける作品でした。

決して分かりやすい映画では無いけど、妻を亡くしても涙ひとつ流せない男の虚無感だったり、何かを埋める為に?それとも現実・自分の置かれた状況と向き合いたく無いが故に?とる彼の破壊行動や奇行の数々。

そして同じくどこか現実に虚無感を抱えるシングルマザーとそのマセた一人息子との交流を通し、彼の再生と妻の死に向き合う様子をじーっと温かく見守るような映画で、それなりに楽しめました!

ただ、全体的には『良き』映画ではあるんだけど、グッと心を掴み・震わすほどの展開や描写は無く、いまいちインパクトに欠ける。。『欠けてる男が気付いたり奮起する映画』は個人的には好きな部類なんだけど、最終的に「まぁまぁ」という曖昧な感想がすごく当てハマってしまった。

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妻が不慮の事故で亡くなってしまったのにも関わらず泣けない夫。振り返ってみると実は妻の事を何も知らくて、愛してなかったのかも…という想いが過ぎる。このストーリーの入りとしては去年公開された本木雅弘主演・西川美和監督作【永い言い訳】とすごく似ている。

【永い言い訳】ではそんな残された主人公の夫が同じく遺族と交流を重ねることで、心の隙間を埋め、何も知らなかった亡き妻の事を改めて知っていくストーリーだったけど、

本作の主人公デイヴィスは会社の社長であり義父の「機械の故障のように、物事の原因を知る為にはまず分解しろ」というアドバイスを聞き、自らの虚無感を根を探し出すように『破壊衝動』に駆られ、身を任すように身の回りのモノを壊して行く。破壊とある親子との交流から徐々に再生に向かって行くストーリーだ。

 

 

虚無感と破壊と交流

まず突発的に起こる妻が運転する車の事故シーンで冒頭からカマされ、そのあと妻が息を引き取った病院に置いてある自販機の不具合に異常に執着する辺りから、デイヴィスの心をどっかに置いて来てしまったような虚無感が見て取れる。いや、元々彼は空っぽだったのかもしれない、それが妻が死んだことでむき出しになったようにも見える。

葬儀の直前に自販機の会社にクレームの手紙を書いたり、鏡に向かって泣き真似をしてみたり、義父への時間差のあるポンコツな返事など。マルク・ヴァレ監督はテンポの良さと描写で観客に分からす見せ方が上手い。

その何通にも渡るクレームの手紙がデイヴィスの独白となり、彼が過去を語り、後に交流を重ねるクレーム係でシングルマザーのカレンとの接点となる辺り、スムーズでしたね。

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カレンや息子のクリスとの交流も絶妙な距離感で好感が持てる。カレンとは距離が近づいても情に流されヤったりしないし、そういう関係にならない。友達として・どこか欠けた人間同士として、わちゃわちゃ海でイチャつくシーンも雰囲気が良く2人の束の間の安らぎの時間として美しかった。

息子のクリスからはイチオシの音楽を教えてもらって、吹っ切れたように街中をダンシング闊歩するデイヴィス。工具屋さんでクリスの思春期の悩みを聞きアドバイスをしつつ、買い込んだハンマーや釘抜きなんかを使い2人でひたすらに結婚生活の匂いが残るデイヴィスの家をぶっ壊しながら、徐々に年の差のある男同士の距離感もぎゅっと縮まって行く。

デイヴィスは欠けていた人間味を少しずつ取り戻すように、笑顔を取り戻していく。カレンやクリスとの交流のやりとりなんかは、今振り返っても普通に面白かったな。

 

 

今ひとつ感と彼の涙

終盤に決定的な妻の気持ちが発覚するシーンがあるんだけど、なかなかグッさり来ましたね。【永い言い訳】然り「うわ、マジか… 」な見せ方で、残された夫が亡き妻から時間差で食らう一種の呪いのような。なんだかんだお互いさまなんだよね。独身から観たら怖いですね。

 

でもなんだろう、諸々が良いはずなのに「良作!」とまではどうしても行かない、どこかパワー不足を感じる。

思うたるのはデイヴィスが起こす『破壊行動』。この映画で売りの1つであろう『妻を亡くした男が物や部屋を破壊していく』っていう行為があんまり物語的に活きてない、というかあまり重要なところに絡んで来なかったのは少し残念でした。

破壊行為によって『妻の決定的な隠し事』は見つかるけど肝心な『妻のからのメッセージ』は「車で見つかるんかい!」みたいなところとか、破壊行為がなくてもカレン親子との交流のキッカケなんかは成立しちゃうし、どことなく「妻を亡くした夫が知り合った少年と自宅をぶっ壊すやり取りや画ってなんか良さ気じゃね?」ってところの見せかけで止まってるような気がして。

『再生の前には一旦破壊し原因を探る』ってのは分かるんだけども、その行為が『妻に抱いていた自分の想い』や『虚無感の根本を掬って解消される』ようなものに直接繋がるともっと胸熱だったのかなと。でもこの映画に破壊行為がないと、それこそなんの変哲もない作品になつてしまうので不可欠なんだけど。

あと義父の会社だからって会社のトイレを解体するとか最高に迷惑だし、器物破損で逮捕でしょ!?w

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あとはメリーゴーランドのくだりも若干分かりにくかった。カレンとのデートの途中に使われてないメリーゴーランドを発見する場面があるんだけど、それが実際デイヴィスが妻とラブラブだった頃に乗ったメリーゴーランドと同じ物なのか、その使われてないメリーゴーランドを見て、単に過去に妻とメリーゴーランドに乗った記憶がフラッシュバックしただけなのか。

あの手の外国のメリーゴーランドはみんな同じように見えてしまって、あの代物が妻と乗ったメリーゴーランドであるなら何かしらの特徴的な要素を入れるべきだったなと。自分がちゃんと観れてないだけかもしれないけど。

 

良かった点としては、デイヴィスが見せた涙。やっぱりあそこで泣くことで妻を確かに愛していたんだ、すんなり出会って結ばれたけど、あのラブラブとして愛おしい時間は思い過ごしなんかではなく確固としてあって…

そこで彼の虚無感が解消され、破壊行動で言うなら彼の心がようやく更地になった瞬間、タイトルに掛けるなら重い雲がどいて、ようやく彼に陽が射したような。【永い言い訳】にはそれが無くて軽く不満を感じていたけど、この映画にはその描写が入っていたので嬉しかった。

 

 

まとめ

評価:★★★  普通に楽しめました。

しきりに【永い言い訳】を引き合いに出して比較みたいな形の感想になってしまったけど、作品としては決してつまらない作品では無く、オフビートなやり取りもあって面白かったし、じわっと来る物語でした。

観てから少し時間を空けてしまったのでおぼろげな部分もあるけど、音楽も良いし観て損はないと思います。初っ端の事故シーンを観逃してしまうと台無しなので遅刻はマジで厳禁ですよ!遅刻して入って来たとなりの席の女の子は寝てましたね。

[ 予告編 ]

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サウスポー

そういえばジェイク・ギレンホールの1つ前の出演作【サウスポー】も妻を亡くした夫の話だったな。

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