映画『モアナと伝説の海』ネタバレ感想・評価
あらすじ:誰よりも海を愛する少女モアナは島の外へ行くことを禁止されていたが、幼少時に海とある出会いを果たしたことで運命が決定する。モアナは愛する者たちの救済のため、命をつかさどる女神テ・フィティの盗まれた心を見つけ出して再び平和な世界を取り戻そうとする。未知の大海原へと向かったモアナは伝説の英雄マウイと出会い、冒険を共にする。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:116分 製作年:2016年
監督:ロン・クレメンス / ジョン・マスカー 脚本:ジェレト・ブッシュ
キャスト(声の出演):アウリイ・クラヴァーリョ / ドウェイン・ジョンソン / レイチェル・ハウス / テムエラ・モリソン / ニコール・シャージンガー / ジェマイン・クレメント / アラン・テュディック 等
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どうも、アバウト男です!
今回扱うのはディスニー最新作【モアナと伝説の海】。監督は【リトルマーメイド】【アラジン】などを手がけたロン・クレメンスとジョン・マスカーのタッグ。
個人的に【アラジン】はディスニー作品の中でも子供の頃繰り返し観た好きな作品でもあるので、モアナも少し期待をしつつ吹替が遅い時間にやってなかったので、字幕版で観て来ました。ちょこっとネタバレ踏んでます。
率直な感想は、
面白かったっちゃ面白かったけど… うーん。
そんな印象です。正直、誰かに言って回りたくなるほど絶賛って感じの作品でなかった。とは言えディズニー作品ということでクオリティの高さはシッカリと担保されてたし、楽しんだのは間違いないけど、物語の設定や展開に新鮮味を感じず、想像し得る範囲内で色々と片付いてしまったので、まぁこんなもんなのかな。
レベルが高いゆえの無い物ねだりと言うか、1つ前の作品【ズートピア】が面白すぎたのもあるんだろうな。今回は良かった点とイマイチだった点を挙げながらザッと感想を書こうかなと思います。
思わず応援したくなる『持つ者』
【ズートピア】もそうだけど『持たざる主人公』が自分の境遇やコンプレックスにめげずに立ち向かい奮闘する物語はよく見かけるけど、本作は生まれつき島の村長候補で、"海"にも選ばれた『持っている主人公』モアナが、未熟ながらも海や島の存亡をかけ、閉ざされた島から危険な海原に出て奮闘する海洋アドベンチャー。
危機の元凶である半神半人のマウイをピックアップして2人とアホな鳥一羽の過酷な『石の返還』の旅に出かける。もう個人的にはクリス・ヘムズワース主演【白鯨との闘い】を観ててから「海って怖い・海の上では人間は無力」ってことを思い知ったし、1000年間誰も成し得なかったことを、幼い彼女が挑んでる姿を見ると純粋に応援したくる。
彼女にしか出来ない事であり、彼女がやらなければならない事でもあって。孤独とプレッシャーの中ハツラツとした彼女の姿勢に胸を打つ。頑張れモアナ!
海でマクガフィンをヒャッハーな奴らが大人数で奪いに来る辺りは【マッドマックスFR】を彷彿とさせるし、半神半人のマウイを連れて航海する辺りは【西遊記】の孫悟空と三蔵法師のような関係を見ながら感じてた。
派手なアクションもありつつも、結構しっとりするところはしっとりしてて。終盤前のマウイが仲間割れの末どっか行っちゃって、モアナが旅を諦め引き返そうとしたくたりでの、お婆ちゃんとのやりとりには眼球が痛くなるほどウルっと来てしまった。
分かる!ここぞという落ち込んだ時に自分も祖父を思い出したりしたなぁ。いっそ迎えに来て欲しいなんて。
歌の良さ
『主題歌』にもなっている歌『How Far I’ll Go』は抜群に良かった!【アナ雪】は観てないんだけど、歌だけでいうと『レリゴー』より断然耳馴染みと抜けが良い。
モアナが葛藤や迷いを打ち消すように、自らを鼓舞する力強さが乗っかった歌、それが豊かな緑や開放的な海とすごくマッチしててGOOD!この映画の1番の強みの部分でした。でもちょっと多用されてたのは気になったかな、他にもこれ級の歌も聴きたいんですけど… マウイのテーマの『You're welcom』も好き。
キャラと映像クオリティ
何と言っても海・水の表現キレイでしたねー!水族館に来てるようなあのちょっとした心浮き立つ高揚感を映画館で味わえるとは。緑がかった水の色や透け感・泡の表現が美しい!
売りであろう海が生きて人格を持っている設定は【ドクター・ストレンジ】のマントを観ちゃってたのでイマイチ新鮮味に欠けた。
あと思わず目が行ったのは絶対ハゲそうにないコシと太さのあるモアナやマウイの髪の表現とその生え際のリアル&緻密さ。キャラの顔はいかにもアニメチックなんだけど髪がやたらリアルで、その組み合わせがギャップを感じさせずあくまでも自然で驚いた。モアナの眉毛の太さも今っぽい美人さんで、どこか意志と責任感を高さが現れていた。
マウイが身体のタトゥーとコミュケーション取る表現なんかも面白くて、ディズニーは改めて「さらっと凄いことをやるな」と思わせてくれる。
引き伸ばして見せた内容
全体的には楽しかったんだけど、内容に対して上映時間がかなり長かったように感じた。90分くらいでタイトに行けそうな内容なんけど、同じようなウジウジするシーンを何回か入れてたり、歌としては良いのに多用される事で、少なからず尺稼ぎにも見えてしまって、なんかダラダラと間延びしてたなぁ。
あと展開にあんまり捻りがないと言うか、モアナの成長と、やっと危機的状況が回避され0ベースに戻ったって話なので「うん、まぁまぁそうよね!」という着地とそれなりの納得度。
「あの豚ちゃんは全然出ねぇのかよ!」とか「"海" が作品的に都合のいい時にしか助けてくれない」とか細い不満もあるけど。 なんかこの手の作品に突っかかるのも野暮な気もして来るし。
ディズニー映画としては恋愛要素を外し、いわゆる『プリンセス映画』からの脱却みたいな事も言われてるらしいけど、個人的にはモアナが冒険する中でマウイの人柄に惹かれ、好きになって旦那として向かい入れる話でも別に構わない。そこが主題じゃ無いだろうし。
唯一ハッとさせられたのはマグマ怪人の正体くらいで、何回も比較するのはアレだけど【ズートピア】ほど訴えかけて来るもの・突き付けられるもの・視界が開けるような感覚は無かったかな。そういうハッとさせるタイプの作品じゃ無いんだろうけど。
わりと頭を空っぽにして笑えて楽しめるライトな作品ですね!
シャークヘッドのデザインとか最高!
耳元で囁くくだりの被せとか、ここぞの「礼は結構!」のドヤな使い方とかあんまり気が利いてる部類にはカウントしてないけど、ラスト、歴代の村長が積み重ねる石の上に『例のアレ』を乗っけて終わったのは素敵だったな。
あれはきっと島が背負って来た『重荷』の象徴でもあって「これで積み重ねる必要は無くなったよ」と、最後はそういうサインなのかなと。あの上にまた石を置くことも無いだろうし、あの終わりはイイやん!
まとめ
評価:★★★ 普通に楽しめました。
モアナが可愛かったからオールOK!みたいなとこもあるし、実は【ベイマックス】も観終わった後はこれくらいのテンションだったし、平均点は超えてました!僕が行った六本木TOHOは観客のリアクションが良かった。マウイが釣り針を取り戻し、鳥のヘイヘイに変身してしまった時に「あ〜〜〜〜〜ん」と声が上がってました。
ピクサー映画ほどここ最近のディズニー映画は拾えてないのでオマージュや小ネタは全然分からなかった。知った上でもう一回観たいなとは思う。
[ 予告編 ]
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