アバウト映画公園

"ほどほどの映画好き"アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるめに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマやおすすめ映画を紹介!基本大したことは書いてない。

光をくれた人【映画感想/評価】『出会いと別れ』を実感する良質なヒューマンドラマ!

映画『光をくれた人』ネタバレ感想/評価 

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あらすじ:1918年、トム(マイケル・ファスベンダー)は戦争から帰還するものの、心は深く傷ついていた。その後彼は、灯台守の仕事に就く。彼はオーストラリア西部の岬からおよそ160キロメートルも先の孤島ヤヌス島に渡り、3か月の間一人で生活する。そして正式に採用されたトムは契約のために町に戻り、土地の名士の娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)と出会う。(シネマトゥデイ)

 

製作国:アメリカ / オーストラリア / ニュージーランド 上映時間:133分 製作年:2016

監督・脚本:デレク・シアンフランス

キャスト:マイケル・ファスベンダー / アリシア・ヴィキャンデル / レイチェル・ワイズ / ブライアン・ブラウン / ジャック・トンプソン / フローレンス・クレリー / レオン・フォード 等

上映館:「光をくれた人」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com

 

 

どうも、アバウト男です!

新作映画を観てはその感想を書くルーティンに疲れてしまって、ブログとは距離を取ろうかなと思っている今日この頃ですが、そんな中でもパタッとやめるのは何だか寂しくて、これからはここぞの作品に絞って気が向いたら書くスタンスにシフトして行きます。気になった新作映画は引き続き観て行きますが、それかめっちゃ短文にしようかな。

今回は扱うのは【ブルーバレンタイン】のデレク・シアンフランス監督の新作【光をくれた人】になります。結末のネタバレはしていませんが、それなりに踏み込んでいます。

 

本当に大切なものに気付く

感想は、 

かなり良かったですよ!

ある夫婦の物語を通して『単純では無い人生の上手く行かなさとか紆余曲折』を時に美しく時に残酷に、良質な映像にキャストの演技・ストーリーテリングにより力強く感動的に魅せてくれました。

人生における『出会いと別れ』の意味を改めて感じ、『自らの人生を受け入れ、本当に大切なものに気付く』夫婦を描いた、恋愛ドラマというよりもドストレートなヒューマンドラマ。

それでいて感動押しな宣伝の通りシッカリと感動させられ、夫婦が陥る状況に苦しいくらいに胸を締め付けられ、過去に【ブルーバレンタイン】や【プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命】と評価の高い作品を撮ってきたデレク・シアンフランス監督作の中では、一番分かりやすく『良い作品』になったんじゃないでしょうか。一般ウケし易い作品というか。

国内版のポスターが単なるみたいな恋愛映画っぽく見えちゃってるのがなんとも残念ですね。 f:id:tyler-7:20170603125727j:plain

孤島の灯台守になったトムとその妻イザベル夫婦は2度に渡る死産を経験し失意の底にいながらも静かに暮らしていた。そんなある日、トムは灯台から息絶えた男性と弱っている赤ん坊が乗った漂流ボートを発見し、夫婦はその件を街に報告せずに赤ん坊を自分の子:ルーシーと名付け育てる事を決意する。

数年経ったある日、トムは街でルーシーの実の母親であるハナの存在を知ってしまい、自分たちの事を打ち明けようか葛藤を抱える。。

 

 

夫婦の物語であり、子の物語 

『2つのものを見つめ、2つの物事の間で引き裂かれる 』という灯台があるヤヌス島の名前の由来に引っ張られるように、トムは実の子供を死産した『真実』と、他人の子供を自らの子として育てるという『偽り』の2つの間で揺らぎ、それによって結果夫婦は引き裂かれる。

また、漂流して来た子は夫婦にルーシーと名付けられて育った人生と、実の親ハナに名付けられたグレースとしての人生の間で、幼いながらも理解しきれない状況に置かれる。

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大枠は夫婦の物語でありながらも、観ている内に複雑な関係の中心に放り込まれる子供の物語でもあるのかなと。基本的に『大人視点』で語られてた本作だけど、子供にとっちゃ堪ったもんじゃないよな。ある程度自我が目覚めた段階で育ての親から引き離され、本当の母親は私なのって言われても、簡単に受けいれることなんか出来なくて。

中盤、育ての親から引き離されたルーシーがその夫妻に会いに行こうと行方不明になる場面で、「ルーシー!」方や「グレース!」と家族やその関係者によって探す時に呼びかける名前が違うってのは、この映画の見せ場でしたね。同じ子を探して筈なのに見てて「あ〜、そうなっちゃうよなぁ…」と胸が苦しかった。

 

 

トムの想いと正しい事&その先

トムがお墓の前で見かけたハナはまだ夫と子供の死を受け入れずにいた。そんなハナに対してトムは『娘は幸せに暮らしてる』と手紙をポストに投函する。その事で資産家の娘であるハナは父親と共に莫大な懸賞金を死んだと思っていたグレース(現ルーシー)の捜索が始まるんどけど。
トムとしては罪悪感や正しい事をしなきゃって想いもあったんだろうけど、それよりも妻イザベルを想う気持ちが一番だったのかなと。
愛する妻は2度の死産でメンタルもやられ、夫婦の関係にもどこか影が見え、確かにあの時は人の子を自らの子とする事も厭わない状況だったけど、ルーシーを育てる事で回復し、また新婚当初の笑顔を見せるようになったイザベルに対し、この子がいなくても僕ら夫婦はやって行けると想ったのだろう。

もしかしたらトムは子を手放す時がいつかは来ると心の隅の方では思っていたのかも知れない。イザベルを何より想っていたからこそ、残酷且つ勇気のいる決断だったんだと思う。

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夫婦の一件を見て、正しい事はみんなを幸せにするとは限らないって事や、どう転がっていくか分からない人生の残酷な一面を見せ付けられたけど、物語のラストで『正しい事』の先にはやっぱりそれとない救いがあるのが良かったですね。

 

 

『出会いと別れ』について

前に何かの映画の感想記事でも『出会いと別れ』について書いたかもしれない。

それは『その時その人に必要だから出会わせ、それの人に対して役割を果たし必要なくなった時に自然と去っていく、それが別れ』みたいな事をなんかの本で読んで、その時深く納得した覚えがあって、この映画はその事を強く思い出させるような内容だった。

夫婦にとってあの時のルーシーは、夫婦の愛を取り繋ぐ・イザベルの虚無感を取り除く神からの贈り物のような存在だったのだろうし、またルーシーもきっとあの夫婦に出会い、幼年期に父と母の愛を惜しみなく受けて育てられる必要があったのだろう。

物心ついたルーシーを手放すタイミングや年齢も、彼女が夫婦への使命を全うし、今度は元の母ハナにとって必要なタイミングだから念願の再開を果たしたように見えて、ある意味運命的であり必然なのかなと。

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夫婦はルーシーといた時間や彼女を手放す事で、本当に大切なモノに気付けた。

戦争で傷付いたトムに光をくれた人がイザベルであったように、イザベルに光をくれたのがルーシーで、今度はルーシーの代わりにトムがイザベルに光を与える。

ルーシーことグレースが戻って来た事でハナも報われて。光がバトンのように渡っていく様子が『出会いと別れ』を感じさせ、なかなか感慨深かったですね。

 

 

まとめ 

評価:★★★★★  最高!フォーー!

吹く風が気持ち良さそうな美しい情景と力強い物語がマッチしていて、個人的はかなり刺さりました。

安定のファスベンダーも良かったけど、アリシア・ヴィキャンデルの物事が起きる一歩手前の予感や悟った時の表情がすごく絶妙で上手かったですね!彼女だからこそ胸を締め付けられました。ちょっと前田敦子に通じる愛嬌のある古風顔、あっちゃんもアリシア・ヴィキャンデルくらい評価されないかな?

[ 予告編 ]

www.youtube.com

 

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今回の感想で入らなかった一言:

ハナを演じたレイチェル・ワイズの【ネイバーズ】からの演技の振り幅も見所ですよ!