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嘘を愛する女【ネタバレ映画感想/評価】高橋一生好きは観に行ったらいいじゃないか!?

映画『嘘を愛する女』ネタバレ感想/評価

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どうも、アバウト男です!

今回観て来た作品は、優れたオリジナルの映画企画を募集する『TSUTAYA CREATORS' PROGRAM』でグランプリに選ばれ企画を映画化した長澤まさみ・高橋一生出演の映画【嘘を愛する女】です。

この作品の売りである『長年付き合っていた彼氏は、職業も名前も全てが嘘である身元不明者だった』という設定に『男の正体』と『なぜ身分を偽ってたのか?』の部分をどう驚かしてくれるのかな〜と楽しみにしてました。 途中ネタバレありの感想になります。

 

あらすじと予告

世話好きな研究医の恋人・小出桔平(高橋一生)と5年にわたって同居している食品メーカー勤務の川原由加利(長澤まさみ)。ある日、桔平がくも膜下出血で倒れて寝たきりになってしまう。さらに彼の運転免許証、医師免許証が偽造されたもので、名前も職業もうそだったことが判明。彼女は探偵の海原匠(吉田鋼太郎)と助手キム(DAIGO)に桔平の素性調査を依頼する。そして桔平が執筆中だった小説が見つかり、そこから瀬戸内のどこかに桔平の故郷があることを知る由加利だったが……。

予告編:「嘘を愛する女」予告 - YouTube

 

溜めた割にインパクトに欠ける

結論から言ってしまうとそこまで面白くは無かったかな。

まず1番楽しみにしてた『男の正体』と『なぜ身分を偽ってたのか?』の真相が全然インパクト無くわりと普通。そこで拍子抜けしてしまいました。彼にはこんな過去が!と明かされた瞬間、

え、つまんねぇ…

とボソッと声に出そうになる。そう思っちゃうのも無理なくて、彼の正体が明かされる前、彼の素性を辿るヒントとなるであろう彼が書いていた小説を元に、瀬戸内で町人たちに地道な聞き込みをしたり、鍵となる灯台を探し回ったりするんだけど、そのシークエンスがやたらと長くて眠くなる程。

なんでこんな所にダラダラと時間を掛けたのか理解に苦しむんだけど、1時間くらいで済んじゃう脚本を2時間の映画として見せるために無理やりこのパートで時間稼ぎをしたのだろう。

で、溜めに溜めて唐突に明かされる真相がアレじゃあ「それは悲しいね…」以外の反応のしようがなく、なんだか他人事みたいに全然入って来なくて。

そもそも、ダラダラと見せられる画変わりのしない聞き込みシーンも、それによって彼の素性が徐々に紐解かれるようなことは無く、話を左右に振り回すために存在して、結果、諸々の真相は新聞の記事で一気に明かされるちゃうって見せ方もブサイクで。

『彼が実は身元不明者だった→じゃあこの人は何者?→探偵に依頼する』までをサラッと見せる序盤の展開はスマートで良いなと思ったり、感動するにあたり描いて欲しい由加利と桔平の出会いから同棲して同じ時間を過ごすって描写は物足りなかったりして、配分のバランスよろしくない。

あと、溝にハマって明らかに動きそうもない車を長澤まさみ演じる由加利が1人押しながら独白するシーンは【踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!】で織田裕二演じる青島が杭で鉄の扉を壊そうとする珍シーンを彷彿とさせた。

あれ、おれは今何を観せられてんだ?

みたいな。謎の時間だったな。あの2人でも全然持ち上がらなかった車を由加利が1人で押す演出はさすがに寒い。しかもそっち方向からから押すんだ…?的な。

 

〜 ここからネタバレします 〜

 

 

そこに愛はあったのか?

この映画、実は高橋一生演じる桔平と名乗っていた男の『正体』や『偽ってた理由』がポイントじゃなかったんですね!それは観客を釣る映画的な餌であって、その先に驚かせるちょっとした『仕掛け』が1番の見せたかったポイントなんでしょう。

その仕掛け自体は、伏線とかこじ付けクセェなとは思いつつも良いなとは思いました。桔平は身分を偽ってはいたけど、ちゃんと由加利を愛していたんだと分かるシーンとして一応は機能していて。

くも膜下出血で倒れた彼に直接事の真相を聞くこともできない由加利にとって、きっと5年間同棲して一緒にいた時間の積み重ねや愛する想いがそこにあるのかの方が、彼が本名や身分を偽ってた事なんかよりも大事だったんだろう。あのキスもあのSEXも、あの笑い合っていた時間は偽りじゃないよね?と。一応そこがこの物語の感動のシーンではあったんだけど、、

 

それって思い込みじゃ?

耳の後ろにある黒子の件とか、子供は男の子が欲しいとか、伏線と言えないような伏線でこじ付け、結果として桔平を紐解くヒントとなっていた小説が、実は由加利との結婚生活を想い書かれたモノだった訳なんだけど、ここでちょっと待てよと。

『小説が由加利を想定して書かれてた=桔平が由加利を愛してた、或いは由加利との結婚やその先の未来を考えた』って考えるのは少々難ありなんじゃないか?映画的にはそういう事なんだろうけどさ。

例えば『愛する子供と奥さんが死んだあの一件が今でも忘れられず妄念に取り憑かれて、半ば病んでいる桔平は由加利との架空の物語を小説として書く(物語をすり替える)ことで、なんとか気を紛れさせ精神を保って生活をしていた』と考えちゃうのは意地悪ですかね?

あの事実を知った時に由加利が「私ちゃんと愛されてたんだ〜!」となるのは分からなくも無いんですけど、その解釈が成立するならこっちの解釈も成立するんじゃないか?寧ろ由加利との未来を考えてたらなら、せめて仕事くらいちゃんとしてろよって話ですからね。戸籍が無いから働けないって事なのか?はたまたトラウマ故に働けないのか?

その考えがチラッと頭に過ってから、迎えるラストシーン、思い込みの成れの果てにすでに人妻然として昏睡状態の桔平に寄り添ってる由加利の姿を見て「あ、なんか怖い」とサイコホラー的な匂いを感じちゃいました。

 

この作品の良かったところ

この作品を観てて一番良いなと思ったところは、桔平が元々住んでた家を知るおじさんに不審がられて「あんたは〇〇のなんなんだ?」と聞かれて由加利が一瞬なんて言って良いか躊躇したシーン。(〇〇に入る桔平の本名は忘れちゃった)

本名も素性も知らないで一緒にいた彼にとって、私という存在は一体何なのか?という由加利の想いがあの一瞬の躊躇に見て取れて。

その後強く「私は〇〇の妻です」と、彼が私の事をどう想ってるのかは分からないけど、私はちゃんと彼を愛してる。と、桔平の気持ちが明かされるま前にまずは由加利の想いを吐き出させたあの場面は良かったです。

 

まとめ

他人にあまり関心なさそうに見える我の強そうな長澤まさみと、あの笑顔の裏にどこか胡散臭さ漂う高橋一生のキャスティングは作品の内容ともマッチしていてハマってたんじゃないでしょうか。

熱があるおデコを付き合わせた後キスするとか、ファンに向けたサービスカットもあったので、高橋一生好きはそれなりに満足するんじゃないんですかね。

評価:★★☆☆☆ 星2つ!

気になったんだけど、DAIGOが演じたキムというキャラのディテールはドラマ【池袋ウエストゲートパーク】で高橋一生演じた『和範』オマージュなのかな?

この作品を観た人に、母親が育児ノイローゼから自分の子を殺した実際にあった事件を基にしたホラー映画【リアル・ハント】をオススメします!マジに殺すって案件はあるみたいですね。育児に協力的じゃない旦那とぜひ観てください。

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Cradle Will Fall (2008) - YouTube

 ↑予告が最高に良い出来してます。