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ルイの9番目の人生【ネタバレ映画感想】切ない!サスペンスの先に見える2種類の親子愛!

映画『ルイの9番目の人生』ネタバレ映画感想/評価

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どうも、アバウト男です!

【ハイテンション】【ヒルズ・ハブ・アイズ】なとの良質なスプラッター映画で名を上げたアレクサンドル・アジャ監督最新作【ルイの9番目の人生】。

ホラーじゃなくなった?アジャ監督の1つ前の作品【ホーンズ 容疑者と告白の角】はビジュアルに惹かれなくて観てないんだけど、面白いらしいです。今度観てみようと思ってます。今回は単に監督の名前とザックリなあらすじに惹かれ、予告も観ずに観てきました。今回も途中からネタバレしてます。

 

あらすじと予告

生まれてから毎年命にかかわる事故に見舞われてきた少年ルイ(エイデン・ロングワース)は、9歳の誕生日に崖から転落し、奇跡的に命を取り留めるが昏睡状態になってしまう。彼を目覚めさせようと担当医パスカル(ジェイミー・ドーナン)が奔走する一方、ルイの周囲では父親:ピーター(アーロン・ポール)が行方をくらまし、母親:ナタリー(サラ・ガドン)のもとに誰からのものかわからない警告文が届くなど、不可解な出来事が頻発。さらにパスカルも悪夢に悩まされ……。

予告編:映画『ルイの9番目の人生』予告編 - YouTube

 

ファンタジー・サスペンスを抜けた先に見える歪な親子愛

やっぱりこの作品の気になるポイントは『生まれてから9年間、毎年事故に遭い死にかける9歳の少年』が主人公という点で、観る前は【ファイナル・デスティネーション】シリーズばりに1つ1つの事故エピソードを意地悪に見せ、彼の数奇で不運な人生を描く物語なのかな?

それか、例えば『数人で入ったご飯屋さんで毎回注文した料理が一番遅く来たり、その人の注文だけ通ってない』みたいな人がいるように『その人が生まれ持った宿命』、はたまたそれを『障害』のメタファーと捉え『障害とどう向き合って生きて行くか』という事を『毎年死にかける少年』を主人公に描く物語なのかな?なんて思って観たら全然そんなことは無くて。冒頭でサラッと9回目の事故まで駆け抜けちゃうからね!良い意味で期待を裏切る作品でした。

 

結果としては、毎年死にかける少年を軸に、ファンタジー表現を交えつつ散らばる謎を紐解くサスペンスで、その先に見えて来たのはタイプの違う2種類の親子愛でした。

じゃあそれが面白かったのか?と聞かれると、

うーん、まぁ、それなりに。。うん。

くらいの微妙なテンションです。可もなく不可もなく。全然つまらなくは無いんだけど、サスペンス的なオチとしてはそこまで驚きも無く、終盤のネタばらしの仕方も力技でなんか受け入れ辛い。

 

焦らし方がエグい

そんなスッキリしないテンションの作品ではあったんだけど、単にリアルなサスペンスとして描くよりも『毎年死にかける少年』というトリッキーな設定に合わせて、ファンタジーやホラーな表現を交えつつ寓話的に見せた事で、観てる側としては飽きずに観れたし、あの真相に観客が引いてしまわないようなフィルターとして機能してたのも良かったです。ホラーを得意とする監督ならではの表現が活きてました。

にしてもこの作品『焦らし』がエグかった!

話の合間に合間に謎であるピースをパラパラと撒くんだけど、その全てが終盤になるまで回収されないので、ずっと地に足に付かない宙吊り状態で物語を見守るハメに。

向き合う磁石同士が今にもくっ付きそうな、あと1ミリ動かせば勢いよくくっ付くギリギリでずっとキープされてるような感覚。とても焦れったい! かなりドSな作品だったので、焦らさせるのが好きな人はオススメです。

 

〜 ここからはネタバレ 〜

 

タイプの異なる2種類の親子愛

明かされる真相から見えて来たものは、普遍的な親子愛と、歪で悲しい親子愛のタイプの異なる2種類の親子愛でした。それがラストで同時に押し寄せて来た。

この作品における普遍的な親子愛とは、子の事を心から心配し・想い、愛を注ぐ父ピーターから息子ルイに向けられる愛。実の子・実の親じゃ無くてもここに血の繋がりは関係なくて。

そして歪で悲しい親子愛とは、母親の病気・性質(近親者を傷つけ同情の目を向けられる事でしか精神的満足感を得られない病気:代理ミュンヒハウゼン症候群)を子供ながらに汲み取りそれに応えようとする息子ルイから母ナタリーへ向けられる愛。

親が子を想うだけが親子愛じゃなく子が親を想うのも親子愛。子供だって忖度くらいするよ、それが親なら尚更。だからこそ切ない。

 

母親ナンシーに設けられた、単なる虐待をする親では無く『代理ミュンヒハウゼン症候群』という病気設定も実際にある病気らしく、彼女も彼女で可哀想な存在で、それがいい意味で作品の苦さに繋がってました。

小生意気な少年ルイを演じたエイダン・ログワースくんや、父親を演じたアーロン・ポールもいい仕事してました!パスカルの野郎はどうでも良いです。あんな美人な奥さんがいるのに!

  

まとめ

少年ルイの半ば諦め気味で受け入れていた状況から解き放たれた希望あるラストに胸がすきました。アジャ監督は今後こういう路線なのかな〜?アーティスティックな作品を作りたいのは分かるけど、個人的はまた【ヒルズ・ハブ・アイズ】みたいなスプラッターも作って欲しいです!

評価:★★★☆☆ 星3つ!

本作を観て思い出した作品を1つ紹介!テイストはホラーなんだけど、少年が傷つきながらも親(里親)の気持ちを忖度する切ないヒューマンドラマ【ソムニア 悪夢の少年】。この作品も本作同様ファンタジーな表現が魅力的です。

ソムニア ?悪夢の少年?(字幕版)

ソムニア ?悪夢の少年?(字幕版)

 

予告編:ソムニア -悪夢の少年-(字幕版) - YouTube