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デトロイト【映画ネタバレ感想】嫌悪感MAX!ある一夜に起こった警官による非道を目撃せよ!

 映画『デトロイト』ネタバレなし感想/評価

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どうも、アバウト男です!

今回観てきた映画は【デトロイト】。監督は【ハート・ロッカー】や【ゼロ・ダーク・サーティ】などのキャスリン・ビグロー。1967年にデトロイト暴動の渦中に起きた陰惨な事件『アルジェ・モーテル殺人事件』を当時の証言や裁判記録などを基に実写化。

この映画前評判がやたら良かったのと、【スターウォーズ】の新シリーズで注目を浴びたジョン・ボイエガに【リトル・ランボーズ】【なんちゃって家族】のウィル・ポールターと実力派若手俳優の共演も相まって、個人的にハードルがかなり上がった状態で観てきました。具体的なネタバレは書きませんは中身には触れています。

 

あらすじと予告

1967年の夏、アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生し、街が騒乱状態となる。2日目の夜、州兵集結地の付近で銃声が鳴り響いたという通報が入る。デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元警備隊は、捜査のためにアルジェ・モーテルの別館に入る。数人の警官が、モーテルの宿泊客相手に捜査手順を無視した尋問を開始。自白を強要された宿泊客たちは……。

予告編:『デトロイト』日本版オリジナル 第二弾予告 - YouTube

 

単なる『昔起きた事件』じゃない

率直な感想は、

自分の中でハードルを上げ過ぎちゃったきらいはあるけど、それなりに面白かった。いい意味で嫌悪感はMAX!そして疲労感も少々

デトロイト暴動の渦中、黒人が多く宿泊するアルジェ・モーテルで実際に起こった、白人警官による死者3名(全て黒人)を出した衝撃的な事件。

オモチャの銃声をキッカケに、モーテルに押し寄せた白人警官・州兵により「狙撃手は誰だ?銃はどこだ?」と、廊下に後ろ向きの体勢で一列に並ばした宿泊客に執拗に尋問する白人警官たち。

バチバチな暴動の最中に生まれた緊迫した状況に、一部の白人が持っていた強烈な人種差別の意識が浮き彫りになり、『死のゲーム』と称し次第にエスカレートしていった結果、モーテルに居合わせた無関係な人を含め、脅迫・暴行・殺害・隠蔽工作と、とても捜査とは言えない非道の数々が警官によって行われた。

その40分間にわたるやり取りを、当時の写真などを交えつつ息つく暇なく生々しく映し出し、観客にも体感させ・目撃させて来る!

観る人はそれなりに覚悟はして行った方が良いと思います。

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(C) 2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

駆けつけたミシガン州警察たちが「彼らに任せよう」と見て見ぬ振りした場面とか見ると、モーテルで起きた事件そのものが、当時のデトロイトの縮図に見えて怖くもあり興味深かった。

尚且つこの事件が暴動下で起きたから特別なことじゃなく、現在も変わらず起きてい白人警官による問答無用の黒人への発砲や逮捕などの最たる例として、警鐘を鳴らすようなメッセージ性が強い作品でもあった。

 

2人の若手実力派俳優

場を仕切っていた事実上の主犯である白人警官クラウスを演じたウィル・ポールターの本作の演技は、今まで観てきた彼の作品の中でベストアクトでした!

クラウスはきっと根っからの極悪人じゃ無いんだろうけど、言い訳がましさからも見てとれるように『その場しのぎ』に長けてるタイプで。

そんな奴がモーテルの事件前に黒人を1人射殺したことでタガが外れてしまう。その後モーテルに突入したと同時に後先考えず1人を射殺してしまい、迷う事なき迅速な隠蔽工作!その場をしのげるなら非人道的な事も厭わない、人間が持つ狂気を見事体現してくれました。ウィル・ポーターの座った目に漂う威圧感・仲間への目配せに時折見せる笑みがホント怖かった!

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(C) 2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ジョン・ボイエガ演じた警備員のディスミュークスは、警官(白人)と黒人との狭間で事の一部始終に立ち会った『目撃者』としての存在だったんだけど、そんな彼が事件後、白人警官よる誘導尋問気味の事情聴取で『目撃者=傍観者』だったはずの立場から『容疑者』へと変わりかけた一連のシーンで、

事件で殺された黒人と同様、黒人である自分も被害者に成りかねないと、彼が手と口を震わしながら察したあの瞬間がとても印象的でしたね!

 

その場にいるような没入感

固定した画角の画をあまり使用せず、あえて手ぶれを活かした撮影方法が今回の作風とマッチして良かったな!

基本カメラ前を人が横切ったり、人物の肩越し・扉ナメの画など『カメラの前に何かがあってその奥で起こってる事を見せる』見せ方が、映画を見せるというよりも、その場で事態を目撃させられているような感覚に近いので、特に40分にわたる事件の間の没入感は抜群でした!

 

物足りなさがリアル

事件の後は裁判のシーンになるんだけど、そのシークエンスになるとかなり淡々とした見せ方になるので、ここはもう少しドラマティックな見せ方でも良かったかな。モーテルでの緊迫したやり取りとのギャップで徐々に熱が冷めちゃいました。

それに実際に起きたモーテルの事件も、黒人の仲間同士で殺させるとか、人が見てる前で初対面の相手とファックさせて喜んでるとか、もっと警官によるエグい展開が来る期待&覚悟をしてたんだけど、そこまででも無く。

日頃観ているフィクションのホラー的鬼畜展開と、実際に起きた事を比べるのは分が悪いけど、分かりやすく鉄槌が下ることもなく終わった煮え切らないラスト含め、この物足りない感じが『リアル』って事ですね。

 

まとめ

何でモーテルにいた客たちはあそこまで頑なにオモチャの銃の件や発砲した奴の事を言わなかったのか?と疑問を持っちゃったりもして。実話を基にしてるので、その辺のモヤモヤは致し方ないところもあるんだけど。

ポスターでは『本年度アカデミー賞最有力』と謳われてたのにも関わらず、ガッツリとスルーされてしまった本作、どこかそれも納得できる作品でした。 作品内で『白人= 完全な悪』として描かないバランスはグッドです!

評価:★★★☆☆ 星3つ!

扱ってる題材の割にどこか突き抜けない感じは【ハート・ロッカー】や【ゼロ・ダーク・サーティ】にも同じように感じて、よく言えば安定してます!

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