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殺人者の記憶法【映画ネタバレ感想】クソ面白い!アルツハイマーの元連続殺人鬼VS新たな殺人鬼!

映画『殺人者の記憶法』ネタバレ感想/評価

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どうも、アバウト男です!

『アルツハイマーの元連続殺人鬼 VS 新たな連続殺人鬼』という設定が何とも心くすぐる韓国映画【殺人者の記憶法】。アルツハイマーの連続殺人鬼が主人公ってだけでも興味深いなのに、それがもう1人の連続殺人鬼とバトるってどんな話だよ!?

その割にポスタービジュアルは渋くて真面目路線で。韓国映画ならではのぶっ飛んだ設定に惹かれて思わず観て来ました。オチのネタバレは避けてますが話の中身には触れてます。

 

あらすじと予告

かつて連続殺人を犯し、アルツハイマー病を患うビョンス(ソル・ギョング)は、接触事故に遭った後にテジュという男と出会う。その異様な雰囲気から彼が殺人鬼であると直感したビョンスは、警察に通報しようとする。だが、テジュが警察の人間であったことから誰もまともに取り合おうとしない。たった一人でテジュの凶行を食い止めようとするが、アルツハイマー病による記憶の喪失に苦しめられるビョンス。そして、新たな殺人事件が発生し……。

予告編:映画『殺人者の記憶法』予告編 - YouTube

 

見せ付けられる韓国映画の実力!

率直な感想は、

これが、どちゃクソ面白かった!!!

もうこの記事を読んでるなら何も言わずに取りえず観に行って欲しい。当ブログ猛プッシュの作品です!

『アルツハイマーの元連続殺人鬼 VS 新たに出てきた連続殺人鬼』というトリッキーな設定に胡座をかいたり出落ちでスベったり事もなく、その設定が持つ面白さを最大限に突き詰め、極上のクライムスリラーへと昇華しつつ、徐々に記憶を忘れていくアルツハイマー(認知症)の苦悩や、父親が連続殺人鬼に狙われる一人娘を病気と闘いながら何とか守ろうとする親子愛に自然と落涙!

これだけの要素をまとめ上げ、最高にハラハラあり涙ありのエンタメ作として落とし込んだ、特に脚本の力がハンパないです!終始「うわ〜、面白いわぁ…」と感心しながら観てました。

できればこの先を読まないで、なるだけ空っぽの状態で観に行くのがオススメです。

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(C) 2017 SHOWBOX AND W-PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

 

2人の連続殺人鬼の設定が絶妙

キモとなる2人の連続殺人鬼の設定が絶妙で!主人公であり元連続殺人鬼のビョンスはアルツハイマーを患いつつも、娘ウンヒのサポートを受けつつ男手一つで娘を育てる初老間近に見える年齢不詳の冴えないオジさん。すぐに直近の記憶が無くなるのでボイスレコーダーにその日起こった事を吹き込みながら、美人の娘と細々と暮らしていた。

巷で話題になっている連続する殺人事件の犯人テジュは警官であり、見た目人畜無害のイケメンを武器に女性だけを狙って殺すサイコパス。

そんな2人がある日接触事故を起こし、その瞬間互いに同種の匂いを感じ取り「こいつは殺人鬼だ…」と悟るところから話が始まる。

これだけで100点ですね!!!

ビョンスは直近の記憶を忘れてしまうので、再び殺人鬼であるテジュと会っても、どこの誰だか分からない『はじめまして』状態。テジュはテジュでビョンスのアルツハイマーを利用し、次のターゲットとして狙いを定めたウンヒとの距離を縮める。

【メメント】を彷彿とさせる、ボイスレコーダーによって記憶を辿率思い出すくだりや、ビョンスのアルツハイマーゆえの曖昧な記憶により、事を状況を一番把握していると思っていた観客さえも、何がホントにあった事なのか撹乱させられてしまう。

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(C) 2017 SHOWBOX AND W-PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

 

オフビートな笑いが引き立てる

全体的にスリリングでありつつ、オフビートな笑いも合間に入れる事で主人公であるビョンスというキャラクターに深みが出てましたね。そこも意外とポイントで。

元連続殺人鬼であるビョンスが気に入らない人に対して心の中で「殺したくなる」というセリフがもはやギャグとして機能してたり、定期的に記憶を失うため本来の目的を忘れて別の事をしちゃったり、長年殺人から遠ざかっていたためテジュとの決戦の前に身体を鍛え直す辺りもチャーミングで。

そんなクスッとできる場面があるからこそ、終盤の絶望的な展開がより際立ち、クライマックスを一気に駆け抜ける!

 

トリッキーな設定が生む名場面

トリッキーな設定だからこそ生まれた名場面も本作の特徴で。

1つは、互いに殺人鬼だと認識した状態で、ビョンスがテジュに対し小声で「娘に手を出したら殺すぞ」というドラマとかでよく見かける父親が娘に気がある男に対して牽制する謳い文句がまさに『そのままの意味』で使われて、尚且つそれが古株の殺人鬼がぽっと出の若造殺人鬼に対し「お前がやるなら俺もやるぞ?!」と同種だから伝わるカマし文句としても機能していて、2つの意味で熱い場面で!これにはシビれましたね!

もう1つは『記憶は忘れてしまうが、手に染み付いた習慣は忘れない』という面白い設定もあって、それによりビョンスは徐々に娘の記憶を失い、手に染み付いた人殺しの習慣だけが残ってしまうと『自らの手で娘を殺してまうんじゃないか?』と思い詰め、娘の事を完全に忘れてしまう前に何としてもテジュを殺さなければと決意するシーンも、これまたグッと来る!この作品でしか味わえない感情があって、これは貴重な映画体験だなと。
終盤でビョンスが記憶を失うアルツハイマーになるべくしてなった過去が明かされるんだけど、それもまた切なくて。
二転三転する練られた話に気持ちよく踊らされます!

 

まとめ

含みのあるラストは蛇足にも感じたけど、記憶と習慣にスポットが当たった話としては、アレはアレで納得ですね。本作は設定だけ聞くと明らかにB級映画なんだけど、蓋を開けてみると気持ち良いくらいにA級クライムスリラーでした。同じ路線の好きな韓国映画【最後まで行く】を超える来る面白さ!

評価:★★★★★ 星5つ!満点!

このレベルのクライムスリラーが日本で作られないのがホントに悔しい!と深く痛感させられる一作。この規模なら日本でも全然撮れるだろ〜。ただ日本でこれをやっちゃうと、もっと馬鹿っぽくなりそうできっとノレないんだろうな。何だろ?韓国映画が持つ妙な説得力があるからこそギリ成り立つ話なのかな。

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