アバウト映画公園

映画が好きなんだけど観たそばからすぐに忘れていってしまうアバウト男の鑑賞備忘録ブログ

犬猿【映画ネタバレ感想】改めて特別な存在だと気付かされる良質な『兄弟姉妹』映画!

映画『犬猿』ネタバレ感想/評価

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どうも、3つ下の弟がいる2人兄弟の長男アバウト男です!

【ばしゃ馬さんとビッグマウス】【ヒメアノ〜ル】でヤラれた吉田恵輔監督の新作映画【犬猿】。兄弟&姉妹を扱った物語として、弟がいる身としては気になって観てきました。今回も中身に触れてネタバレしてますが、ネタバレしてても面白さにはあまり支障がないタイプの作品です。

 

あらすじと予告

印刷会社で営業を担当している金山和成(窪田正孝)は、刑務所から出てきたばかりの乱暴者の兄・卓司(新井浩文)を恐れていた。一方、幾野由利亜(江上敬子)と、芸能活動をしているおバカな妹の真子(筧美和子)は、家業の印刷工場を切り盛りしていた。兄弟と姉妹の関係は、あるときから変化し始め……。

予告編:映画『犬猿』予告編 - YouTube

 

ストイックで良質な兄弟(姉妹)映画!

率直に感想は、

正直【ばしゃ馬さんとビッグマウス】や【ヒメアノ〜ル】級の面白さでは無かったけど、兄弟・姉妹が持つ喜怒哀楽や『あるある』を織り交ぜ、熱くて笑えるストイックな『兄弟(姉妹)映画』としては、なかなか良かったんじゃないでしょうか!

なんかね〜こういうの観ると、自分が子供の頃に弟にした酷い仕打ちとか軽率な行動とか、色々思い出したりして心苦しくなったりするのよね。。それと同時に自分に兄弟がいて良かったなと改めて実感させられちゃいました。ラストの方で出てくる兄弟がまだ仲良かった幼い頃の映像とか流すのズルいわ!色々思い出してしまうだろ。

本作、性格や見た目が正反対の兄弟・姉妹を通して、分かりやすく兄弟・姉妹が互いに抱える劣等感や嫉妬心・張り合いに、友達とも親とも違うなんとも言えない距離感なんかを描きつつ、兄弟・姉妹って改めて『特別な存在』なんだなって事に気付かせてくれる一作でした。気まずさとかもバリバリです!

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(C) 2018『犬猿』製作委員会

 

文句無しの配役

とりあえず兄弟・姉妹を演じた4人の配役には文句の付けようが無いですね!彼らの化学反応に思わず笑っちゃいました。

気性の荒い暴力的な兄を持つ気弱で真面目な弟:和成を演じた窪田正孝。ちゃんと片想いされるだけの容姿と、それでいで地道にコツコツと危ない橋を渡らないような真面目さに素朴さ、そしてあのランクのコンパクトカーに乗ってそうな感じをナチュラルに体現してました。

で、出所上がりで弟の部屋にデリヘルとか呼んじゃうデリカシーのない凶暴な兄:卓司を演じた新井浩文。打って付けの人材ですね!基本周りに迷惑かけるどうしようもない奴なんだけど、その中にも不器用なりに家族に恩を返そうするくだりや、ベビースター炒飯のくだりなんかを見ると良い奴ではあるんだろうな。すぐ手が出ちゃうんだけど。

実家の小さな印刷場を受け継いで切り盛りしている真面目な姉:由利亜を演じたのは芸人ニッチェの江上敬子。これがまたイイ味出してて!『ちゃんとデブでブスなんだけど真面目でしっかり者』っていう絶妙にいなかったポジションにドンピシャでハマってましたね。これからも色々なドラマや映画で活躍しそうな程、演技も自然で上手かったですね。

その姉とは対照的な妹:真子を演じた筧美和子。こちらもあんまり演技してるイメージは無いけど、愛嬌抜群でそれなりに可愛いけど、要領の悪いバカな妹役が合ってましたね。いい意味で夢を諦めきれない読モ以下の3流芸能人感もなんかハマってて。ラストの泣きの演技はアレだったけど…

 

 

豚っ鼻&ゲロのコンボ

これだけアクの強い4人が絡めばそれは面白いことが必然的に起きるじゃないですか!中でも一番笑ったのがニッチェ江上演じる由利亜と窪田くん演じる和成の遊園地でのデートシーン。

グルングルン回るコーヒーカップを大いに楽しむ江上の顔のアップが映し出されるんだけど、そこで執拗に繰り出される豚っ鼻・豚っ鼻・豚っ鼻!「容姿は残念だけど、すごくイイ奥さんになるんだろうな〜」なんてちょっとした歩み寄りを吹き飛ばす、やっぱ生理的に無理ーーー!!!と思ってしまう描写。その後、間髪入れず豪快に吹き出すゲロ!あんなゲロの吹き出し方する奴いないだろw とか思うんだけど、後ろ姿からイイ感じに吹き出されるゲロは芸人江上だからなせる職人芸ですよ。あのシーンを観に行くだけで価値があります!

 

 

兄弟あるあると特別な存在

思ったより共感できる場面って少なかったんだけど、中でも印象に残ってるのは。自分自身がよく知ってる兄弟のことを貶すのはイイんだけど、それを分かったような感じで他人(恋人でも)に貶されるのは何かムカつくしムキになって逆にフォローしちゃう、和成と真子が遊園地デートで見せたあの会話のやり取り。あれは凄く分かる!!!

おれとあんたじゃアイツを知ってる年月が違うし、同等の立場で何言ってくれてんだよ?!みたいな。

この遊園地の会話のやり取りや、兄弟姉妹がそれぞれ取っ組み合いのケンカをするシーンに象徴されるように、兄弟・姉妹って誰よりも自由に文句が言えたり、思った事を素直に言えてしまう『特別な存在』なんだって事に改めて気付かされた瞬間でもありました。

友達とか恋人でも「こんなこと言ったらアイツ傷付くかもな」みたいに思う事も、兄弟だとそのフィルターを通さずに口に出したりとかしてて『家族/身内』だからってのもあるんだろうけど、よく考えてみればそんな人いないし、唯一無二の関係であり存在で。

あの(軽くBGMは乗ってたかもしれないけど)無音で見せられる取っ組み合いのケンカシーンを観て、あっ… と悟る感じというか。当たり前のことというか関係過ぎて、それを傍から観てようやく自分側に置き換えて見れた。でちょっと弟の顔が見たくなった。

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(C) 2018『犬猿』製作委員会

 

ちょっとした不満点

物語ややり取りを分かりやすく見せるためなんだろうけど、 特に兄弟の設定が若干突飛過ぎて共感のし辛さはありました。出所したのにまた事件を起こして、弟から「アイツ死んでくれないかな…」なんて親の前で言われるような兄ってちょっと特殊でしょ。もう少し『典型的な堕落した兄』でも良かったのにな。姉妹側はあのバランスでちょうど良かったけど。物語的にはあれくらい危なげな兄の方が面白くなるんだろうけど。

 

あとは救急車で搬送されるシーンですね!カットバックで同時に奇しくも同じような事が起きてるって見せ方自体はイイんだけと、あの場面で心情を包み隠さず全て言葉で吐露しちゃうのがマイナスっすね… 今まで1時間半近く描いてきたものを言葉として丸々反復して見せるというか。いや、それはその前から伝わって来てるから、わざわざ号泣してまで全部言葉にしなくてて良いよ… みたいに思っちゃいましたね。個人的にはあの説明臭いやり取りでスーッと温度が冷めちゃいました

 

 

まとめ

【間宮兄弟】みたいに不気味ささえ漂うフィクショナルな兄弟像ではなく、割とエグ味タップリに描いたストイックな『兄弟映画』として、ちゃんと面白かったです!

評価:★★★☆☆ 星3つ!

本作を観ることで兄弟のこと思い出したり考えたりする事込みでオススメです!あんま兄弟や姉妹の事って考えたりしないでしょ?この前観た【RAW 少女のめざめ】も姉妹映画としてオススメです。

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